2021-04-24から1日間の記事一覧

「西瓜 - 永井荷風」新潮文庫文人御馳走帖(嵐山光三郎編)から

「西瓜 - 永井荷風」新潮文庫文人御馳走帖(嵐山光三郎編)から 持てあます西瓜ひとつやひとり者 これはわたくしの駄句である。郊外に隠棲[いんせい]している友人が或年の夏小包郵便に托して大きな西瓜を一個[ひとつ]饋[おく]ってくれたことがあった。…

(巻二十九)伏す鹿の耳怠らず紅葉山(小島健)

(巻二十九)伏す鹿の耳怠らず紅葉山(小島健) 4月23日金曜日 朝、雀が賑やかである。ミカンの葉に小さなまだ黒い芋虫を2匹認めた。世の中に出て来てしまったのか。と云うか、そう云うことにされてしまった訳だ。 非常なる世に芋虫も生れあふ(百合山羽公) …