春立つや一生涯の女運(加藤郁乎)

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春立つや一生涯の女運(加藤郁乎)

8月20日火曜日

OB会からK先輩の訃報がもたらされた。氏は6年先輩で補佐と係長という立場でご一緒致しました。
氏もいわゆる場末の生まれでありましたので馬が合い、その後もよく飲み議論を致しまして薫陶を受けました。
氏とかあたしとか、どちらかといえば田舎者ばかりのあの役所では異色な存在であり、田舎者たちにくらべれば僅ながらでも沙婆感覚を備えておりました。
氏のこの沙婆感覚は職位が上がるにつれて真価を発揮し、大臣辞令により職を補される職位に昇任されて、大規模官署の長を最後に退官されました。
退官後も、氏の沙婆感覚は民間で重用されたとうかがっております。
氏との最後の盃となりましたのは三年ほど前今ごろの季節で、ある会合で一緒になり、会合のあと、かつてよく立ち寄った神田のモツ焼き屋で旧交を暖めました。そしてその帰りに常磐線グリーン車で缶を干したのが最後の盃になりました。
ご冥福をお祈り致します。

もつ焼きの煙る神田の残暑かな(堀田福朗)

ちなみに、写真のコーラクは神田駅西口から神田淡路町に移転しました。