(巻二十三)侘びを知れ寂を知れよと古茶の云ふ(相生垣瓜人)

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9月14日土曜日

晴れくもり

朝方には毛布を被ったし、起きてはTシャツだけでは寒い朝でございました。確実に夏は去ってまいりますねえ。

地球

顔本英語倶楽部のマダガスカルの青年から顔友のオファーがあり、夜半にお友だちになりました。お勉強をしようという方々の倶楽部ようでこの青年のメッセージも真面目な雰囲気です。

お酒とっくり・おちょこ

昨晩のモツ焼き屋ではホッピーをたった三杯頂いただけなのですが、効きました。酒量が下がったのか、干したので身体が酒を忘れたのか?
まあ、歳だな。

とじ傘

散歩・徘徊のシンボルマークを何にしようかと考えた。杖としてみたがっだか杖が選択肢にないので傘にしてみた。

春日傘ひそかに杖とたのみけり(吉田正男)

もっともよく考えてみると荷風散人は随筆『日和下駄』を

《人並はずれて丈[せい]が高い上にわたしはいつも日和下駄[ひよりげた]をはき蝙蝠傘[こうもりがさ]をもって歩く。いかに好く晴れた日でも日和下駄に蝙蝠傘でなければ安心がならぬ。これは年中湿気の多い東京の天気に対して全然信用を置かぬからである。》

とはじめている。

荷風の散策・徘徊に傘が必携であったとすれば、あたくし如きではありますが、傘を散歩のシンボルマークに致す理と致したい。

葛飾に昔をおもふ彼岸かな(永井荷風)

とじ傘

それな訳で、午後は香取神社の祭りを見物に出掛けてみた。
もっとも駅前で神輿に出会えたので香取神社までは足を伸ばさず横着を致した。

担ぎ手の四十半ばや秋祭り(潤)

祭りの後の御神酒と思い、“ときわ”に寄った。いつもの通り“あれば、鰯”と刺身をお願いしたか、大将から“千葉がやられて、鰯は入んねえ”とのことだ。
鰹でビールにしたが、瓶ビール大を始末するのにやや手こずった。歳だなあ。

ラジオ

FM葛飾で“汽車ポッポ”のパンタグラフの再放送を拝聴しました。
鉄ちゃんにも色々な専門分野があるのでしょうが、技術的なことになるとこれは理系だ。パンタグラフは電気・金属加工、金属材料、非金属先端材料ですね。当然流体力学が基礎だろう。鉄橋やトンネル話になれば土木専攻者じゃないと!将来は超電導だ!鉄ちゃんの奥は深い!

本

「満足を引きのばす欲望 - 山崎正和」中公文庫 柔らかい個人主義の誕生 から

を読みました。『柔らかい個人主義の誕生』は名著のようで神保町の古本屋の店先によく見かける文庫でございます。

《 このことは、いひかへれば、物質的な消費が行動としていささか特殊な構造を持ち、一定の目的を志向しながら、けっしてその実現を求めない、といふことを意味してゐる。この場合、目的とは、もちろん、なんらかのものを消費することであるが、欲望はそれをめざしながら、しかし、同時にそれにいたる過程をできるだけ引きのばさうとする。ここでは、いはば目的と過程の意味が逆転するのであって、ものの消耗という目的は、むしろ、消耗の過程を楽しむための手段の地位に置かれるのである。》

このあと、山崎先生は上品にステーキを消費するまでの儀式的な所作を例示されていますが、下世話なあたくしは性交における前戯としてそのことを勝手に理解したところでおります。