(巻二十三)かつ丼の蓋の雫や春浅き(小川軽舟)

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(巻二十三)かつ丼の蓋の雫や春浅き(小川軽舟)

9月22日日曜日

朝、生協に買い物に出掛けた。小松菜、牛乳、人参、それにあれば5年保存の飲料水がリストの品物であります。飲料水は欠品でした。防災意識が高まっているのか、それともある意味で季節商品なのかは分かりません。

途中、さくら通りのベンチで一服いたした。桜の黄落は早いなあ。

花も葉も散るとこばかり見るさくら(潤)

通販で注文した『暢気眼鏡・虫のいろいろ他十三編 - 尾崎一雄』(岩波文庫)が届いた。新品同様で手垢はついていない。奥付けを見ると2019年2月15日第3刷となっている。暢気眼鏡の追記からコチコチ読書と致したい。気になって尾崎一雄令夫人松枝の没年を調べたら2007年のようだ。それはよかった!

ブックマーク

成人女性が朝日俳壇を持ってきてくれた。

虫の音の鎖つながる町の縁[へり](奥山公子)

を書き留めさせて頂いた。

俳壇を持ってきた成人女性が“花野”とは何かと訊くので“秋の季語”だと答えた。納得しない。“それはどんな場所なんのだ?”と来たので“特に定まった場所ではないし、広さも決まっていない。詠み手のイメージた。そして読み手のイメージでもあるだろうと答えた。ついでに『一二歩を妻が先行く花野かな(井上健守)』の花野が地上には限られないのではないかと勝手な解釈を申したが、止めておけばよかった。

本

「ドアマン 皆川孝則 - 村松友視」文春文庫 帝国ホテルの不思議 から

を読みました。この作品からはすでに総支配人、総料理長、客室管理マネージャー、の三氏についての項をコチコチし、はじめの二氏については既にご紹介してございます。

村松氏は各氏にインタビューし、それぞれの人間性も含めて全面肯定全面称賛の文章に仕上げていらっしゃる。何らかの事情で褒めまくる文章を草する羽目に陥った際のよき参考書です、これは!

《 日々勉強です.....さりげなく言う皆川さんだが、そのように仕事を厚くしてゆけばお客との関係は濃くなり、濃くなればまたその先への期待が生まれて、それに応えることによって一歩先へすすむ。大規模なホテルだが、現場はつねに人間と人間の肌合いによって左右される、アナログの髄を極めるような場面に終始する。そこで一歩踏み込もうとするホテルマンの誇りをかけた現場の熱気が、帝国ホテルへの信用を生んでゆくという構造である。》