(巻二十三)独り居や引けば離るる毛糸玉(今村正人)

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9月23日月曜日

一日中引き籠りでございました。
成人女性からの手伝い要請も飯時以外はなかった。
そんなわけで雨(風)読と昼寝の一日となりました。

ラジオ

成人女性は大好きな陽水さんの一日三昧を楽しんでいます。
皆さん古稀を過ぎて、終わってみればいい人生でしたねなんてとこでしょうか。もっとも、ほんの一握りの幸運な方々なのでしょうけれど。

食事ナイフ&フォーク

夕食は二人で豚と豆腐と椎茸と小松菜の鍋を囲んだ。二人では囲んでいないから鍋を置いての差し向かいであります。これを大根おろしで頂いた。美味しい。
細君は食事中も陽水のメロディにご機嫌よく、お片付けも捗りました。

湯豆腐を中に二つの余生かな(辻川時夫)

本

指宿枕崎線 - 宮脇俊三河出文庫 時刻表二万キロ から

を読みました。
男の子の居るthe地方都市に滞在した際に新装なった谷山駅付近を走る二、三両連結の列車を遠望いたしました。
やはり、何か縁のある路線から読みたくなりますが、本書は宮脇氏が最後の仕上げで苦労した小枝線、盲腸線踏破のお話ですから、馴染みの路線はなかなか出てきません。

夕霧のプラットホームに敬礼す
乗務車掌の旅の始まり(本末静義)

本

つづいて、

「散歩とカツ丼 - 新井千裕」文春文庫 10年版ベストエッセイ集 から

を読みました。
新井氏は文筆を生業とされている方のようです。
普通の気負わない散歩話から徐々に文学へ誘い、以下の締めで見事に2010年ベスト・エッセイの文庫版のタイトルとなった作品です。

《 当時の散歩道の風情など、かけらもないが、荷風が亡くなる前日までカツ丼を食べに通っていた店が現在も営業している。彼を偲んで訪れる客が多いのか、カツ丼の並に日本酒一合、上新香がついた「永井荷風セット」を提供している。割引のクーポンをインターネットから得ることもでき、なかなか実利である。
こういうことなら、天ぷら蕎麦とサイダーを組み合わせた「宮沢賢治セット」とか、サンドイッチとビールの「村上春樹セット」なども、どこかの店のメニューにあるかもしれない。
数ヵ月前に、そのカツ丼を食べたが、かなりのボリュームだった。荷風胃潰瘍による吐血が原因で亡くなったらしいけれど、こんなに胃に負担になるものを食べなければよかったのにと思ったものだ。》

荷風のカツ丼は知っていましたが、村上春樹氏の作品にはサンドウィッチでビールがよく出てくるのでしょうか。

最後の晩餐となれば、あたしゃ海鮮丼で二合頂きたい。
これが贅沢で叶わなければ、せめて卵かけご飯を海苔で頂きたい。

ぬく飯に落して円か寒玉子(高浜虚子)