(巻二十三)老いの句を詠みて老いけり寒椿(寺田篤弘)

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9月28日土曜日

墓と云うのか骨の置き所と云うのか、そういうと場所に義母の彼岸詣りを致した。
その場所までの途中の豊島市場の金網フェンスのところに彼岸花が咲いていた。

死ぬならば自裁晩夏の曼珠沙華(橋本栄治)

「死ぬならば自裁」というのが滲みる。
お詣りあと事務所であたしたち夫婦の保管場所の相談いたした。
五十万で一名、一人増える毎に十万円加算だそうで夫婦で六十万円也だそうだ。檀家になるわけではないから、三文判と銀行振込で手続き完結とのことだ。
そして契約の当事者の一方はすぐに消えていなくなる前提だ。
樹木葬などいろいろな体裁は取っているが、要は

棄てるとも捨てらるるともみづからを
入るる無縁墓地人は購う(宮原勉)

ということだ。
その保管場所の隣は染井霊園だ。低い塀越しに墓石の群れを眺める。既にどれほどが無縁となっているのだろうか?

そのあとは、地蔵通りに出て蕎麦屋で昼飯を致した。
天ざる(1150円)をいただき、軽すぎたのでざるを追加したらざるは(800円)でありました。成人女性からは「初めからざる・ミニカツ丼セット(1150円)にしておけばよいのに」と苦情が出た。
夕食の弁当を買い、明日の昼飯のおかずの足しに焼売を買って一時少し過ぎに帰宅した。
ゆっくりと昼寝した。

行き先はどこでもいいのです。成人女性とのお出掛けは楽しい。二人のデートスポットだった駅前のコージーコーナーは健在でした。

行き先はどこでもよくて春の水(仲寒蝉)

行き先はどこでもよくて秋の雲(潤)

本

葛飾新宿 - なぎら健壱ちくま文庫 東京昭和30年下町小僧 から

を読み終わりました。

《 鉄筋の建物も少なく、そういった建物は消防署、郵便局、保健所、それに当時は近代的な建築物だった、四階建ての都営住宅を何棟か見るだけでしかなかった。そしてその総てを、家の側から一望することが出来た。それを考えても、いかに背の高い建物が少なかったか、解ろうというものである。


と回顧されていますが、昭和三十年代の新宿[にいじゅく]はまさにそうでしたね。
消防署の火の見櫓に署員が上っていたくらいです。