(巻二十三)向日葵の向き決められし憫かな(大西静城)

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11月4日月曜日

地球

One paragraph essay club が発足から一ヶ月経った。そして本日バングラデシュの青年らしきから入会申請があり、メンバーは八人になった。

地球

ついでに“俳撮”というグループを立ち上げました。公開グループです。

とじ傘

心地よい天気でございまして、床屋日和でございましたので駅構内のクイック・バーバーで散髪いたした。
駅前広場ではバザーが開かれていてなかなかの盛況でございしたな。

ボロ市や賢母膝つ
く品定め(潤)

*ぼろ市に買ふ気の膝をつきにけり(林八重子)

ブックマークこういう句を読んでおりますと、どうしても引かれて下手な類句になってしまいますなあ。

ねる前にまねしたと書く日記帳(森家裕美子)

あたしもこういうバザールでの買い物は大好きなんですが、相方が古着を許しません。この先何年着るのか分かりませんから新誂する気にはなれません。なかなか良さそうなお古の防寒具に未練が残りましたよ。

着ぶくれて老けゆく歳を繕はず(下村康彦)

本

「「バザール」の雰囲気のある町-板橋 - 川本三郎ちくま文庫 私の東京町歩き から

を読み終わりました。都営地下鉄の板橋本町からJR埼京線板橋駅まで、旧中仙道を歩かれたようです。風景は随分と以前のことのようで切れ目なく商店街が続いていると描写されています。

《 「仲宿商店街」はやがて王子新道と直角にぶつかる。それを越えるとこんどは、「不動通り商店街」である。旧中仙道はこんなふうに小さな商店街が途切れずに続いている。「不動通り」という名前は近くに「出世不動」という不動様があるためらしい。》

《 旧中仙道をずっと西から日本橋に向かって歩いてきたわけだが、板橋区はここで終る。踏切りを渡ると北区になる。夕方になるにつれて空の具合がおかしくなってきた。雨がぽつり、ぽつりと落ちてきた。散歩をやめて帰ろうとしたが、踏切りの向こうを見やるとまた小さな、面白そうな商店街が続いている(まったく旧中仙道はすべて商店街の連続である)。地図をみると町名は北区滝野川である。
板橋駅前の雑貨屋でビニール傘を買い、踏切を渡って北区滝野川に入った。
踏切りを渡ってすぐ右に一軒古本屋があった。散歩の楽しみのひとつは偶然見つけた古本屋に入ることである。実はこの日、ここまでくる途中に古本屋は二軒あったのだが残念ながら二軒ともいまひとつ古本屋としての風格に欠けた。
それでこの踏切り脇の古本屋にも期待せずに入ったのだが、これが予想以上にいい古本屋だった。古い、いい本がたくさんある。何年も前から探していた田山花袋の『温泉周游』(昭和三年、均整堂)が無造作に置いてあった(これはなかなかいい値段だったので残念ながら“衝動買い”はできなかった。)。それに何よりうれしかったのは映画と演劇の本が充実していたこと。子どものころ夢中になって読んだ『映画の友』が何冊もあった。古い映画のプログラムも多い。ただどれも値段が高い。まあ「いい本は値段もいい」のは当然だから仕方ない。ここにはまた別の機会に来ることにした。名前は「木本書店」といった。おそらく地元ではよく知られている古本屋なのだろう。
この「木本書店」のななめ前にも古本屋があった。「坂本書店」という。こちらは対照的にマンガを中心とした雑本が多い。ただし“あなどれない”のはそのマンガの量の膨大なのと並べかたがマニアックなくらいにていねいなこと。ジャンル別、マンガ家別にきれいに並んでいる。さらに驚いたのは、懐しの歌謡ポップスのシングル・レコードがこれまた膨大にあって歌手別にきれいにコレクションされていること。こういう“こだわり”をもっている古本屋はたとえマンガとレコードでも、“おぬしできるな”という感じがする。店主は三十代前半の感じだった。》