(巻二十四)残る虫ふとこの仕事何のため(岡本眸)

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11月25日月曜日

残る虫ふとこの仕事何のため(岡本眸)

歳を重ねて、どうしても働いていなくてはならないという状況から解放されていますと、ふと“何のため”と考えることがあります。
ちなみに、顔友のポステイングによりますと、デンマークでは六十八歳が退職年齢だと言ってます。

いなくなるぞいなくなるぞと残る虫(矢島渚男)

さて引きこもったら体が動かない!ではしかたがない。
歩かないと動けなくなるので駅前まで散歩して珈琲なんぞを啜りました。今日の午後は実に穏やかな天気で昨日着てしまった防寒下着がウットウしい。
これから本格的に寒くなると出不精になる。しかし、体力維持活動も延命行為かな?

本

「放っといて協会 - 別役実」文春文庫 92年版ベスト・エッセイ集 から

を読みました。

《 家内が入るというので、私もついでに「日本尊厳死協会」に入った。このところ大いに評判になっているそうで、電話を掛けたら、申し込んでから暫く時間がかかりますということであったが、手続きをして一週間ばかりで、「会員証」が送られてきた。私は今、毎日それを身につけて、出歩いている。》

ということで、尊厳死が導入です。
このあと延命医療費の負担の問題などを論じて、結びは以下のようです。

《 ただ、入ってみて気がついたことであるが、ちょっと難を言えば「尊厳死」というこの名称が、やや厳[いか]めしすぎるということがある。重々しすぎるのだ。
私自身の入った時の気分からすると、それほどのことはない。まあ、「放っといてくれ」という程度のことだろうか。つい最近亡くなった、私の師であり、多くの人々に惜しまれた名優・中村伸郎氏の句に、「除夜の鐘、おれのことなら放っといて」というのがある。言うまでもなくこれは、医学について言っているのではなく、我々の罪障消滅を意とする「除夜の鐘」について言っているのであるが、気持ちは同じではないかと私は考えるのである。》

新しき日記に先ずは記しておく延命措置はしないでください(大見宜子)