(巻二十四)酒好きに酒の佳句なしどぜう鍋(秋元不死男)

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12月1日日曜日

今朝は窓拭きを致した。戸建ての頃に比べれば随分と枚数が少ない。それに、ベランダや廊下に出て拭くので作業が楽であります。
団地のこの間取りには障子がないののもあたしのような横着者には有りがたい。

段取りの悪しき男と障子張る(山田千鶴)

成人女性

が、墓の話を持ち出してきた。墓と言ったって当節流行りの骨置き場で義母がお世話になっている“苑”の話だ。
あたしはそこでまったく異存がないし、成人女性も「おかあさんのそばがいい。」なんぞと言っているので、そこで決まりなのである。
であるから、あとは金を払うだげである。一人目五十万円、二人目はプラス十万円だから六十万円で“廃棄物”を処理してくれるのだ。

冬花火この骨壺といふ個室(千葉信子)

ところが、成人女性がまたワケのわからないことを言い出した。
「もう十万円足して男の子の分もお願いしておきましょう
。あの子よく風邪ひくし!」
となり、年末年始に帰ってきたらそのことを話して、云々と始まった。
言い出したら、もうだめであるのだ。

通り雨妻は霙[みぞれ]と言い張りて(中村伸郎)

本

墓についての御参考、

「戦後欲望外史-高度成長を支えた私民たち - 上野千鶴子ちくま学芸文庫 増補〈私〉探しゲーム 欲望私民社会論 から

マイホームからマイトームへ - 死後の家族主義


https://blog.hatena.ne.jp/nprtheeconomistworld/nprtheeconomistworld.hatenablog.com/edit?entry=26006613381277552

本

細君は畠中恵氏の『しゃばけシリーズ』のファンでして、今日その第十六彈(文庫版)が発売されると新聞広告を持ってきた。
居候となりましたあたしですから、すぐに「散歩がてら本屋まで行ってこようか?」とご機嫌をうかがい、行って参りました。

本棚に決まる本の座福寿草(津川絵理子)

アリオにしか本屋さんはありませんのでアリオに行きました。本屋はキャッシャーに十人ほどの列ができる賑わいでしたが、衣類関係の店は日曜日の午後にも関わらず閑散としていまして、状況は厳しいようです。

マネキンの鼻が生意気更衣(中西宏)

ラジオ

久しぶりにNHK第二放送の文化講演会を聴きました。
『縄文と俳句』という演題で夢枕漠氏がお話になりました。為になるとかそういう期待をするとろくなことはありません。暇潰し程度にかんがえていて、いい話が出てきたらめっけもんくらいに聴く番組です。
たまあにめっけもんがあります。

熱燗や期待するから腹も立つ(高橋将夫)