(巻二十四)大年の力づけつつ夫婦かな(滝井孝作)

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12月7日土曜日

大年の力づけつつ夫婦かな(滝井孝作)

とありたいと何年前に書き留めたのだろうか。
この句のようにうまいことは行かないが、昼には二人で昨日のおでんの残りを温めて食した。一人だと淋しい俳句になるが、二人ではのろけになるかな?

煮大根煮かへす孤独地獄なれ(久保田万太郎)

ヘッドホン

BBCpodcastで飲食をテーマしているFoodchain、一般教養としての科学を扱うCrowdscience、経済やお金のことをテーマにしているMoneybox、それに加えて生活環境から心の問題まで幅広い話題のWhyfactorを聴くようにしている。
この四本すべてが毎週興味のある内容で放送してくれるわけではありません。
先週は科学番組で人間の冬眠と宇宙旅行を取り込みましたが、今週は飲食でソムリエさんの話と生活環境雑多で音楽が心理に与える影響の二本を取り込みました。
蒲団でぬくぬくしている時間が長くなってきますと、podcastは宝でございますなあ。
それにしても四十年前の昔は短波で今日はうまく入るかなんぞ心配しながら聴いていたのですから、語学を勉強する環境は著しく好転したわけですなあ~。
ある意味、今は語学学習にお金は要りません。語学学習は貧乏老人の暇潰しに最適です。

本日は終日冬籠りでした。

物捜がす机の下や冬籠(会津八一)

本

「記録者と創作者(抜き書き) - 江藤淳新潮文庫 荷風散策 から

を読みました。
荷風の日記『断腸亭日乗』の中からお雪さんに巡り会うところを紹介してくれています。
日乗をいずれはと思ってはいますが、まだ読める自信がございません。

《 そして、更にこのとき以後夏にかけて、荷風散人は何度か墨東の地に杖を曳き、その旨を『断腸亭日乗』に記しているが、その「九月初七」の項にいたって、はじめて『墨東綺譚』のテクストに直接対応すると思われる記事が現れる。》

《九月初七。晴。朝の中既に華氏九十度の暑なり。夜隅田公園を歩む。(中略)言問橋をわたり乗合自働車にて玉の井にいたる。今年三四月のころよりこの町のさまを観察せんと思立ちて、折々来りみる中にふと一軒憩[やす]むに便宜なる家を見出し得たり。その家には女一人居るのみにて抱主らしきものの姿も見えず、下卑も初の頃には居たりしが一人二人と出代りして今は誰も居ず。女はもと洲崎の某樓の娼妓なりし由。年は二十四五。上州辺の訛あれど丸顔にて眼大きく口もと締りたる容貌[きりよう]。こんな処でかせがずともと思はるる程なり。あまり執[しう]ねく祝儀をねだらず万事鷹揚なところあれば、大籬のおいらんなりしと云ふもまんざら虚言[うそ]にてはあらざるべし。》

日本髪を結っていたかどうかは書いてございませんでした。

冬の路地荷風になつたつもり酒(潤)

*二年前の今ごろ玉の井を歩いてみましたが、まだまだタイムスリップできる雰囲気が残っておりました。