(巻二十四)味噌豆のよく煮え女左きき(杉山あけみ)

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12月30日月曜日

朝から正月用の煮物作りの手伝いです。細君は右手の人差し指をひび割れさせてしまい、まことに痛々しい。年越しの家事の中でも水仕事やカットはあたしがやります。

極月や左手使ふ不自由さ(長崎桂子)

包丁

先ず、小鍋でカップ4杯の出汁をとりました。
煮物の材料は人参、蒟蒻、里芋、椎茸、牛蒡、蓮、蒟蒻、昆布であります。
細君が椎茸と昆布の戻しを担当し、あたしは人参、蒟蒻、里芋、蓮、をカットしました。
人参は梅の花に形抜きしてから花びらのようにやや削ぎます。“ねじ梅”とかいうそうですが、毎年のことですのでさっさと進みます。蒟蒻は短い短冊形にカットしたあと、真ん中に切れ目を入れ、短冊の一端を切れ目をくぐらせて形を作ります。里芋は使えないところを切り捨てながらのカットで外れの里芋だと殆んど食べられるところはありません。
牛蒡は皮を剥いでから斜め切りにして素早く酢を入れた水を入れてあるボールに入れて変色を防ぎます。蓮は調理後“矢羽”に盛付けますから、半分に切っておきました。牛蒡同様に蓮も酢水に浸けて変色を防ぎます。

これらの材料を出汁を入れて煮立て
た鍋に入れて煮るのですが、里芋、牛蒡、蓮、人参は下茹でをしてから鍋に入れます。
これら下茹でグループを鍋に入れたあとに昆布と椎茸と言った“戻し”グループを鍋に入れました。そして昆布と椎茸の戻しでできた汁も鍋に入れます。椎茸の汁はとてもうま味を感じさせる匂いがいたしました。

老夫婦と帰省する男の子の三人分の煮物ですが、これだけのことで午前中を使いました。

夕方には、紅白膾を作りました。人参と大根をマッチの軸程度の太さに切り甘酢に漬けるだけの簡単なものです。実家ではこれに蛸なんぞを入れていましたが、細君がこれを嫌いますので、我が家では単なる紅白であります。料理本では大根も人参もマッチの軸の太さのように書いてありますが、あたしの三十数年の経験では大根の太さはマッチ状では細すぎる。割り箸一本の箸先程度がよろしいと思います。
続いて“田作り”ですが、これはすべて電子レンジでの調理でおしまいです。小魚をレンジであたためて、小鉢に醤油、ミリン、砂糖を入れてかき回してレンジに入れてチンします。その調味タレを小魚に混ぜて出来上がりです。
我が家では“黒豆”と“昆布巻き”は既製品で間に合わせます。
これに鶏を焼いて添えて我が家の正月料理となり、なんとか二日の夕食辺りまでの三食(元日の夕食、二日の昼飯、夕食)を持たせるのですよ。

この他にキントンを明日つくります。雑煮の仕度も明日になります。

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