(巻二十六)なに隠すつもりか春のふところ手(西條泰弘)

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(巻二十六)なに隠すつもりか春のふところ手(西條泰弘)

 

9月18日金曜日

 

今年は害虫が多い。

少なくとも二種類いて、写真一の虫は緑色が鮮やかで背中が丸みを帯びている。名前は知らない。写真二のもう一つは、土色の保護色になっている背中の平ら虫で、背中の形からか“亀虫”と呼んでいる虫である。亀虫は此処が亀有だからいるわけではないらしい。亀虫は潰すと悪臭を放つ。

何れも手の親指の爪ほどの大きさである。

 

虫が居るのは仕方がないと荷風散人も書いていらっしゃった。

 

「偏奇館漫録(冒頭) - 永井荷風」中公文庫 麻布襍記 から

 

《およそ物として虫なきはなし。米穀の俵に虫あり糞尿に蛆あり獅子に身中の虫あり書に蠧[と]あり国に賊あり世に新聞記者あり芸界に楽屋鳶ありお客に油虫あり妓に毛虱あり皆除きがたし。物美なれば其虫いよいよ醜く事利あれば此に伴うの害いよいよ大なり。》

 

どちらの虫もまだ家宅侵入には成功していないようだが、網戸や表の通路には隠れもせずに存在している。

 

見ぬふりをして気掛かりな放屁虫(柴野志津子)

 

蟻、蝶、蝉、蜻蛉あたりまでは触れて摘まめるが、蟷螂や亀虫となると手袋をしても触れない。

網戸に停まっている蝉なら払って追い出せるが、亀虫には殺虫剤を噴霧して退散してもらっている。

 

ぶつかるは試行錯誤か黄金虫(斎藤実)

 

こんなことを書いていたら、洗濯物の取り込みを手伝えと細君から声が掛かった。

ベランダのサンダルを履こうと揃えたら、そこに亀虫を発見した。

サンダルを振るって亀虫を床に落とし、返すサンダルでバシッと一撃を加えるも絶命には至らず。亀虫が側溝に転がり込み、仰向けに足をバタつかせているのを広告紙の端で掬い取り地上へと追放した。

 

次の世は蠅かもしれぬ蠅を打つ(木田千女)

 

細君は摘まんで棄ててしまえとガラス窓越しに身ぶりで指示するが、私の身にもなって貰いたい。

 

息吹きて摘まめぬ虫を打ち捨てり(駄楽)

 

散歩:

 

図書館からお願いした図書がリリオのサービスカウンターで3時以降受け取れるとメールが入った。

4冊の文庫本を受け取った後、夕方の高架下マーケットを歩いてみたら一切れ百円の鮭に行列が出来ていた。

今日は軟弱にも往復バスでした。

 

本日は二千六百歩で階段二回でした。

 

願い事-叶えて頂ければ嬉しく存じます。勝手なお願いですが、一発で仕留めてください。