(巻二十七)恋文の起承転転さくらんぼ(池田澄子)

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(巻二十七)恋文の起承転転さくらんぼ(池田澄子)

10月1日木曜日

細君が腕時計の修理に柏のデパート出かけた。戻ってきて云うに、デパートは大変混んでいたそうだ。(よく聞いてみると食品売場だけの話だ)

その時計と云うのは高級なものではない。小学五年生の息子の写真が文字盤になっている時計なので大切にしている。大切にしているので使うことはないが、止めてしまうのは嫌らしい。

柏そごうついに閉店九月果つ(駄楽)

と捻ったのは四年前になる。その翌年に私達は三十年住んだ柏から当地に移ったのだ。

細君は暫し子育て時代のセンチメンタル・ジャニーに浸ったようだ。

炎天やこんなところで泣かずとも(吉田有輝子)

今日何をしたかと云えば、

昨今口座からお金が失せるとのことでなので駅前の銀行に行き臍繰り通帳の記帳をした。

ついでに、図書サービスカウンターで2冊返却して3冊借受けた。

本日は四千七百歩で階段は2回でした。駅前までバスに乗るようになってしまい、スイカをチャージした。怠惰になってきた。

足腰の弱き虹立つ師走かな(木村正光)

借りた図書は、

酒中日記-吉行淳之介

文学の中の鉄道-原口隆行

快楽王団鬼六団鬼六

である。

先ず「酒中日記」であるが、有名な作家たちの有名になってからの溜まり場通いの話の寄せ集めで、つまらない。文章としては週刊誌の埋め草だ。しっかりと読むことにしたのは「下戸の屁理屈-井上ひさし」だけかな。(もう一度捲り直したが、実に趣味の悪い楽屋話集だ。)

「文学の中の鉄道」は鉄道文学作品の紹介随筆だ。以前、この本を借りて、掲載作品のなかから「雪国」をコチコチしています。今回も何作かご紹介いたしたい。

「快楽王団鬼六」は団氏が創刊し、廃刊した雑誌「SMキング」の顛末とそれに伴うエピソードである。際どい所もあるが、読ませるところもありで、際どくないあたりをご紹介することになります。いずれにせよ、区立図書館の蔵書でございますよ。

不健全図書を世に出しあたたかし(松本てふこ)

夜、名月を拝む。

名月や半分出たる屋根の上(正岡子規)

願い事-臍繰りも半分近くに減りました。宜しく叶えてください。