(巻二十七)からすめは此の里過ぎよほととぎす(西鶴)

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(巻二十七)からすめは此の里過ぎよほととぎす(西鶴)

12月2日水曜日

図書館から貸出し可能との連絡が入ったので雨の降り出さないうちにと、午前中に駅前の図書サービス・カウンターへ出かけた。襟巻きをした人や毛糸の帽子を被った人、ダウンを着込んだ人と冬構の人が多い。

待つていし今日の寒さでありにけり(ほりもとちか)

本日は三千八百歩で階段は2回でした。(帰路は軟弱にもバスに乗ってしまいました。)

借りたのは、

『こころを言葉に(エッセイのたしなみ)-日本エッセイスト・クラブ編』

『日本の名随筆23「広告」-天野祐吉編』 

『角川俳句11月号』

である。月刊誌は最新号が出たあとでないと貸し出さない。それで十分です。

午後は籠って角川俳句から俳句拾いを楽しみました。

書き留めた句:

人生は陳腐なるかな走馬燈(高浜虚子)

*虚子だから云えることでございましょう。「言ふなれば犠打と敵失走馬燈(大久保志遼)」を共感して書き留めてあります。

湯気立てて曇り硝子の中に老ゆ(坊城俊樹)

*ユゲで始まっていて、オユで終わっているから一貫性があるからいい句だということではないだろう。いずれにしてもヌクヌクとしている老後が羨ましい限りだ。

日向ぼここのまま石になるもよし(栗田美代)

*終わり方としての理想でございます。

熱燗や壁に向きたる一人席(飯田閃朴)

*流行り病が流行る前の作品のようです。

ショール掛けてくださるように死はたぶん(池田澄子)

*そう願いたい。「目覚めるといつも私が居て遺憾(池田澄子)」と仰っていますから、もういいよ!なのかも知れませんね。

錠剤の一つ半端や秋暑し(尾崎八重子)

*飲み忘れないよう目覚ましをセットしてます。飲んだあとはカレンダーにチェックを入れています。

人避けて人に避けられ半夏生(市川盧州)

*流行ってからの作品です。私は流行り病に関係なくこの句が如くです。

デジタルの世にながらへて蝿叩(脇坂規良)

*『第三の波』を読んだとき、こうなるとは想像できませんでした。紙媒体が無くなるだろうとは思いましたが、これほど裾野が拡がるとは思っていませんでした。

親といふ夫婦見ている網戸かな(西やすのり)

*だから、みんな結婚しなくなる。無理もなし。

願い事-叶えてください。実に一般的な願い事だと思います。