(巻二十八)身に入むや是清の書の「不忘無」(神蔵器)

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(巻二十八)身に入むや是清の書の「不忘無」(神蔵器)

1月26日火曜日

午前中、細君は金策に出かけて一人で読書して過ごす。ただし選んだ本が悪かった。

「メスをめぐるシビアな競争が脳を大きくする - 澤口俊之」知恵の森文庫 脳がわかれば世の中がわかる から

を読んでいるが、厭なところに出て来てしまったものだと改めて悔いるなあ。

《 ヒトの群れを一〇〇人とするのは、脳の大きさから見て、あまりに少なすぎる。そこでダンバーが言い出したのは、「言葉」ということなんです。

群れの大きさが社会関係の複雑さと関係するとしても、群れが同じ大きさであっても、ネットワークの密度によって、社会関係はまったく違ってくる。言葉という手段を持つヒトは、たった一〇〇人であっても、ものすごいコミュニケーションの密度を持っている。逆に一〇〇人ぐらいで、ようやく保つような頭なんだ、と。

たしかに、ヒトの基本社会の群れの人数は、少ない。脳の大きさから考えたら、何千人ぐらいあってもいいはすなんです。だからそれは、言葉のネットワークによる社会関係の複雑さが反映しているというわけですね。

ダンバーの考えが正しいかどうかわかりません。ひとつの仮説ですが、ヒトの脳の特徴に「言語関連領野が多い」ということを踏まえると、かなりありそうなことです。

このことは「心の理論(Theory of Mind)」という脳機能を考えてもうなずけることです。難しげな機能ですが、要は「他人の心を読み取る能力」のことで、脳科学の分野では「読心(mind-reading)」と簡単に言っています。

この能力は社会関係にとても重要ですが、前頭葉の特定の領域が担っていること、そして、ヒトに特有らしいことがわかっています。しかも、心の理論では言葉(とくに声に出さない内語)を使うことが多い。

さらに、これはごく最近の私の考えですが、脳は「他人の脳を操作する」という特徴をもっています。「読心」ではなく「心操作(mind-operation)」あるいは「脳操作(brain-operation)」ですね。相手の脳を操作して、自分の都合のよいようにさせる働きで、これも言語を介することが多い。「読心」もこの脳操作では重要です。相手の心がわからなければ、相手の心(脳)を操作することができない。

こうした脳操作系がヒトでは最大限に発達した。だから、一〇〇人程度の社会でも社会関係のために使う脳の労力は並大抵ではなく、脳はフル回転せざるを得ない。それて、ヒトの場合は群れの大きさはあまり大きくないけれど脳は非常に大きくなったと考えるわけです。》

だから、疲れるし引き隠りたくもなるわけだ。施設に入らずに短く生きて孤独死したほうが安らかそうな気がする。末期にチイチイパッパをさせられて死んでいくのは何としても勘弁願いたい。

孤独死の窓の汚れの余寒かな(無京水彦)

散歩:

図書が届いているとの連絡があったので駅前の図書サービスカウンターへ出かけた。借りてきたのは日経の『日曜日の随想』という図書が二冊だ。ついでに夕食の足しにする海苔巻きなども買って帰宅した。

散歩の途中でイヤホンが断線した。11月に買ったものだから、寿命がやたらと短い。短い寿命とはいえイヤホンはプッツンで終われるのだからまことに羨ましい。

本日は六千歩で階段は2回でした。

願い事-叶えてください。