(巻二十九)もったいないが今も信条終戦忌(深井怜)

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(巻二十九)もったいないが今も信条終戦忌(深井怜)

4月21日水曜日

細君は眼科へお出掛け致した。お出掛けに当たっては御召し物の取り合わせに時間がかかる。一度支度が調ったあと、“上から下まで水色系統でおかしいわね”と云って御召し換えしていた。しかし、“なんでもいいわ”と云うよりも身なりへの意識はあった方がよいのだろう。

常食となった非常食で昼飯を済ませた。2時近くなっても戻らないので「だいじょうぶですか?」とメールを入れたら直ぐにドアのベルが鳴り帰ってきた。

散歩には3時ころから出掛けた。先ず図書サービスカウンタ-で4冊受け取る。そこから駅下のマーケットに回り夕食の足しにする海苔巻き一本とお稲荷さんを2個買う。ついでに惣菜を見てきてくださいとのことだったので3軒ほど下見をした。野菜の炊き合わせのようなものが所望のようだが、どうしてもうま煮のようなコテコテした物になる。私としては中華弁当屋の惣菜など旨そうに見えるのだが細君の好みではなかろう。我が事を棚にあげて辺りを見れば、駅前の人出は多い。駅前の花壇を一撮しバスに乗って帰宅した。

本日は四千四百歩で階段は1回でした。

帰宅後、洗濯をした。

「眠れぬ夜 - 大佛次郎」日本の名随筆34老 から

を読んでいるが、

《私達の年齢になると、夜なかにふとした工合[ぐあい]で目が醒めて了い、睡たくても暫く睡れないことがある。

起きて、あかりをつけて本を読み始めればいよいよ目が冴えて睡れなくなるのだから、私は暗闇の中で、じっとしていることにする。何かを考えているのである。悪いことには、そう云う時は、自分がして来たことで、しまったなあと思った悪いことばかり★[うか]んで来て、自分を責めることが多い。つくづくと自分が馬鹿に見えて来たり不勉強で出来の悪い人間に思われて来る。自分に在る欠点ばかりが見えて来るのである。そう云う眠れない晩は、つらい。五十何年も生きて来て見ると、実に数多くの失策や、しなくてもよかった軽率なことをしているものである。これは私だけのことだろうか。》

を読み、とても同列には考えられない大家の述懐ではあるが、ホッとするところもある。

願い事-叶えてください。荷風の件の件を読み返して寝る。