(巻三十三)束縛か絆か風船紐ついて(七田文子)

(巻三十三)束縛か絆か風船紐ついて(七田文子)

6月9日木曜日

細君が美容院に行くので私の朝の活動も影響を受けて前倒しになった。家事手伝いも“反応しないための”作務・修行となれば苦にならない。

細君は「詐欺師の方が頭がいいんだから、絶対にドアを開けちゃダメだからね。」と注意を繰り返して出かけて行った。

留守となるとポルノ鑑賞となるが、飽きた。

https://nprtheeconomistworld.hatenablog.com/entry/2019/08/13/074315

開高先生の論の通りで解剖学的なものは見る気にならない。FAプロ作品、ながえスタイル作品などの物語性があり、芝居がしっかりしている作品を見てきたが、ただで観られるものは見尽くした。

行年に見残す夢もなかりけり(永井荷風)

昼飯は赤飯と坦々麺。

細君が餡パンを二つ買ってきてくれた。

午後はリハビリ内科で受診。予約システムがしっかりしてきたようでほぼ予約時刻に呼び込まれた。先生が丁寧に説明してくれたところを纏めれば、よい数値ではないが

さりとて特に治療ということもないということだ。肝腎が悪いが治しようがないわけで、ま、一種の老化現象だと勝手に思っている。山田風太郎氏のお言葉に、

《七十四歳にもなればこういう病気が現れてくるのは当たり前で、いままで無事にすごしてきたのが僥倖だったという諦念があることで、病気と闘う元気が薄い。》

と言うのがあるが、ま、そういうことだ。

新しい血圧記録帳を頂いた。7月1日から使おう。

診察のあとは薬局に回り2.5mlの血圧の薬を頂く。診察料が1230円でお薬代が900円であった。

薬局のあと病院の前の都住3にサンちゃんとフジちゃんを訪ねた。ここの都住にも猫婆さんがいてちょうどサンちゃんに餌をあげているところだった。少々雑談したところ、サンちゃんをこの婆さんはシマちゃんと呼んでいて少なくとも13歳になるメス猫だそうだ。花太郎は部屋に入れてもらっているようだが、サンちゃんは外での暮らしらしい。フジちゃんは現れず。婆さんに、サンちゃんは不器用でスナックを上手に食べられずイライラして手を出すことがありますなあと申すと、シマちゃんは歳で顎だか下の歯だかの具合が悪いので可哀想なのだと返ってきた。そうか、歳か。

そこから都住2に回ってみたが花太郎は不在。帰り道を少し遠回りして都住1を通ってみたら、友ちゃんがいつものところにいて駆け降りてきた。友ちゃんにスナックをあげていたら、チカちゃんも現れて随分近くまで来てスナックを食べるようになった。チカちゃんは目脂も取れて大分いいお顔になってきた。

願い事-電球が切れるが如くで細君より先にお願い致します。ここで切れても文句いいません。

《庭の芭蕉のいと高やかに延びて、葉は垣根の上やがて五尺もこえつべし、今歳はいかなければ斯[か]くいつまでも丈のひくきなど言ひてしを夏の末つかた極めて暑かりしに唯[ただ]一日[ひとひ]ふつか、三日[みつか]とも数へずして驚くばかりに成[なり]ぬ、秋かぜ少しそよそよとすれば端[はし]のかたより果敢[はな]なげに破れて風情次第に淋しくなるほど雨の夜の音なひこれこそは哀れなれ、こまかき雨ははらはらと音して草村がくれ鳴くこほろぎのふしをも乱さず、》

と、始まる

「雨の夜 - 樋口一葉」日本の名随筆43雨 から

を読んでみた。古文調もなんとか解るのはここいらあたりまでだ。