(巻三十四) 除夜の鐘おれのことなら放つといて(中村伸郎)

(巻三十四) 除夜の鐘おれのことなら放つといて(中村伸郎)

 

9月21日水曜日

長袖、長ズボンに衣更え。細君は朝から結露、結露と騒いでいる。

生協から戻った細君が云うに台風明けの今朝はいつもより混んでいたいたとか。行ってみたら混んでいた。買い物リストの品以外に駄菓子とアンパンを買う。割れ煎餅は迷ったがやめておいた。甘いものは尾を引かないが、塩煎餅の醤油味は噛り始めると止まらない。昨晩もボリボリバリバリと袋半分食べてしまった。

昼飯喰って、昼寝して、散歩。

明日から天気は崩れるとのことなので、曳舟川を上った。水戸・佐倉街道を渡りさと村のところで品書きをにらみ、百円の席料は消費税に充当との気に食わない一文を承知の上で入ってみた。

店はコの字形のカウンターでどうしても差し向かいで呑みたいという野暮な奴等のために一席だけ二人用のテーブル席があった。コの字の真ん中の右端に座る。コの字の上にはネクタイをしたご同輩が二人、コの字の下には三十代後半の女性三人組。3時から開店たがら開店早々に暖簾をくぐった客のようだ。

品書きには載せていないが黒ホッピーがあったのでそれにした。つまみは牛煮込み(500円)。この店にはテレビがない。大変よろしい。それだけでまた来てみようかという気持ちになった。煮込みはご覧通りだが、豆腐で上げ底になっている。

ネクタイ老人たちの会話は洩れてこないが、カシマシ三人組の話はよく聞こえる。水商売ではないようだが、客商売であることは間違いない。どうもマッサージ系らしいがイカガワシイ系ではないようだ。所帯持ちのようで家事を手伝わない旦那への怒りがツマミになっていた。

煮込みの薬味はニンニクかショウガかと訊かれてニンニクにしたが、結構効いているのでバレたらと心配になる。

中を1回足して出来上がり。勘定は1400円。串焼き本舗の煮込みよりボリュームが多いから由しといたそう。

兎に角、ちょい飲み千円は昔の話となった。

願い事-涅槃寂滅。

After your death, you will be what you were before your birth. - Author Schopenhauer