句歌控帳「立読抜盗句歌集」
省くもの影さえ省き枯木立つ(福永耕二)
明日が満月で月蝕だそうですが、昨晩の月も冴えたいい月でした。
ただ、今年の春の月は去年より遠くに感じます。
去年は、
外(と)にも出よ 触るるばかりに 春の月(中村テイジョ)
のように近く見え、怖いくらいで、
春の月なにに怯えて寝付かれず(潤)
と、ひねっておりました。
NHKカルチャーラジオ木曜日は、「俳句」です。第一回を聴きました。
子規以降の近代、現代俳句の紹介と解説をいただけるようです。
一句得るまでは動かじ石蕗(つわ)の花(阿部みどり女)
などと力まずに鑑賞を中心に楽しんで参りたい。
今宵、夜桜見物に出かける方は雨を覚悟してになりそうですね。
美しき 鎖骨の窪み花明り (山崎十生)
夜桜というとこの句が好きです。
夜桜に行ったつもりで、さくら水産に行ったつもりで、角川俳句を確保し、上野駅からグリーン車にして、一杯やりながら、頁を捲った。
坂東三津五郎の追悼記事から、
討入りを果して残る紙の雪(爽寿ー坂東三津五郎)
をおさめた。
巻頭一句が、
夕桜家ある人はとくかへる(一茶)
帰宅すると息子までいた。