句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」
稲つまに追はれて走るつつみかな(永井荷風)
食い物の怨みはうるさいものである。
昨晩のおかずは、茄子とトマトと豚肉の煮込み風シチューであった。
南瓜より茄子むづかしき写生かな(正岡子規)
息子は帰宅が遅いので、息子の分は大皿に取置き、
息子は食べたい分を中皿に取り分けて食べて、
残りは冷蔵庫にしまう。その残りが細君の翌日の昼食の足しになる。
ところが、昨晩は息子がしまい忘れて、細君の昼食のおかずがだめになってしまった。
冷蔵庫に冷えてゆく愛のトマトかな(寺山修二)
今朝、起きるなり、凄い剣幕で、
「お父さんが、ちゃんと注意しないから、おかずなしになった!」と
細君に怒られた。
あこがれの人も老いたり夏料理(小林紀彦)
息子には怒らない。
端居してだだ居る父の恐ろしさ(高野素十)
NHKカルチャーラジオ、水曜日は「プロテストソングとその時代」です。
先ずは、高石トモヤさんの「時代は変わる」から入りました。
反戦のフォークソングのときすぎて歌わぬ人々足早に行く(ソーラー泰子)