(巻九)海恋し潮の遠鳴りかぞへては少女となりし父母の家(与謝野晶子)

1月22日金曜日

今日の歌は細君に教えてもらいました。
朝日歌壇に

海恋し二十一年見ていない泳いでいない釣りしていない(郷隼人)

が選されていて、声にして書き留めておりましたら、細君から本歌取りではないのか?とコメントがあり、晶子のこの歌を教えてもらいました。
細君にとって晶子のこの歌は懐かしい実家を思い出させる歌だそうで、“涙が出ちゃう、”と申しておりました。
そんなに辛い思いをさせているつもりはありませんし、むしろ、

すらすらと無理言ふ妻や冬日和(浜岡健次)

というのが実態なのですが。


立読抜盗句歌集第一集が埋まり、第二集に書き込みを始めました。
第一の最後の句は

生ゴミの煩悩詰めて梅雨に入る(中村和弘)

にいたしました。煩悩を捨てるというつもりで選んだのではなく、まだまだ煩悩のゴミ出しが続くだろうとの思いからです。

第二集の第一句は

散らば散れ花こそ春の物狂(正岡子規)

にいたしました。狂うということへの憧れ、狂って楽になっちゃおうという自分勝手な妄想で選びました。