(巻十三)黴の中言葉とすればもう古し(加藤しゅうとん)

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11月5日土曜日

今日から巻十三です。年末年始から節分くらいまでかなぁ。

案外の実を結びけり庭みかん(潤)

四十代後半に今の家に移ったので20年近く住んでいる。僅かながら庭があったので息子の希望で蜜柑を植えた。果実などは元より期待していなかったが、蝶々が卵を産み付け、稀にではあったが羽化するまで生き残る芋虫がいて細君ともども楽しみにして見守っていた。

非常なる世に芋虫も生れあふ(百合山羽公)

庭も狭いし、かまってもやらない。大きくなられては困るので1メートルに足らない丈にしておいたのであるが、一昨日立派な果実を一つ付けているのに気が付いた。細君と息子を呼び出して一家で愛でて、そのままにして置いた。いただくつもりは毛頭ないが、この2日で青蜜柑はすっかり食べ頃を示す色に変わった。

初生りの蜜柑初生りらしきかな(梅村文子)