(巻十三)合掌のさま老い母も蜻蛉も(高山瑞恵)

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12月13日火曜日

今日は3ヶ月に一度の検診でお休みをいただいた。検診の後北千住の東急ハンズで取り寄せをお願いしてある断熱アルミシートを受け取ることにしていた。北千住まで行くので足を延ばして荷風の「墨東綺譚」の玉の井を歩いてみることにした。
病院は待ち時間が長いので駿河台下の三茶書房で百円で買った昭和二十二年刷のその小説を読むことにしてポケットに入れて家を出た。

風花や荷風の作をふところに(大町糺)

病院での検査結果は当面小康とのこと。または一寸先は闇ということか?

秋ともし一病が吾の羅針盤(大木あまり)


さて、旅であるが北千住から東武の何とか線で東向島駅に着いた。東向島駅の駅名表示には()で旧玉ノ井と入れてある。スカイツリーラインだとかアーバンパークラインだとかつまらない片仮名語を並べている割にはよく残した。
墨東綺譚の文庫に挿絵で載っている地図(写真)を元に東武線沿いに歩いた。今も大正道路の曲がりくねり方は挿絵の通りである。表通りで残っている小説の場面は建て替えられた巡査派出所だけであろうか(写真)?

玉の井荷風ごのみの冬のまち(橋田治子)

ではあるが車が入れないような狭い路地に入ると、そこには商売しているのか潰れたのかはっきりしないスナック、小料理屋が住宅に並んでやたらと多い。
一回りして東向島駅前の蕎麦屋で一杯いたした。餃子と言うわけにはいかないが、寿司の余裕はない。今年初物のおでんで一杯とした。

冬の路地荷風になつたつもり酒(潤)