(巻十三)爪染めて梅雨の無聊を紛らはす(西田鏡子)

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1月28日土曜日

大丈夫づくめの話亀が鳴く(永井龍男)

細君と亀有に住む親戚を訪ねた。
亀有は“こち亀”で知られているが、交番横にある今までの像(写真)に加えて両津、中川、秋本三人揃い踏みのけばけばしい像が駅の出口前に建立されていた。

木枯や巡査に吠ゆる里の犬(正岡子規)

西郷さんにしろ、楠正成にしろ、芭蕉にしろ、訪れた人が一緒に写るための像は必要なのであろうが、それにしても秋本さんはピンクの出で立ちで異様に胸がデカイ!

嘘つけぬほどぴっちりと白スェーター(清水衣子)

葛飾区は“フーテンの寅”と“こち亀”という二つのブランドのお世話になっていたが、両シリーズともに終焉を迎えてしまった。比較的ソフトパワーに恵まれていた同区であるが、さてこれからの丁と半。

東京の少し田舎の草の餅(岸本尚毅)


朝日新聞編集委員天声人語氏であった福島申二氏と宇多喜代子氏との対談を角川俳句で読んで、そのなかで触れられた四句のうち三句を書き留めた。

熊の出た話わるいけど愉快(宇多喜代子)

大寒や見舞に行けば死んでをり(高浜虚子)

男根は落鮎のごと垂れにけり(金子兜太)

書き留めなかった一句はすでに書き留めてある、

戦死せり三十二枚の歯をそろへ(藤木清子)

である。