(巻十四)被害妄想者そこらを散歩冬の蝶(山口青頓)

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4月16日日曜日

散らば散れ花こそ春の物狂(正岡子規)

殺人事件の容疑者が逮捕されたとメディアが報じている。

木と生まれ俎板となる地獄かな(山田耕司)

少女殺人に関しては今後の事件解明を待つわけだし、床下収納庫から遺体の発見された62歳の女性の殺人事件のはっきりした動機もこれからの取り調べで分かっていくのであろう。“半落ち”ではないが、なぜこういうことになってしまったのか、分別盛りの犯行のようなので分かれば知りたい。

しぐるるや捜査本部の午前四時(富士原志奈)

細君と義母をホームに見舞う。そのそばのバス停脇のまだおこされていない田圃の上を白い蝶々が舞っていた。

人違ひのやうに初蝶我を去る(中村正幸)

見舞いのあとホテルで昼食をいただいた。和風御膳と云うことで我輩一人であれば一本つけるところであるが、細君は見ている前で酒を呑まれるのは嫌だと云うので、我慢いたした。御膳は特に美味いというものではなかったが、いつもの老夫婦が差し向かいとはちょっと違った雰囲気で時間を過ごせた。

向き合ひて恋めく卓やレモネード(本間尚子)