(巻十六)冷酒や亜流に生きて心地好し(小野富美子)

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10月22日日曜日

早めの昼食のあと、図書館に出掛けました。荒天でさすがに来館者は少ない。
目当ては昨晩聞いた漱石三四郎の一節でございます。
一般書架に漱石集二巻があったのですが、三四郎は録られておらず、「全集はカウンターにあります。」との貼り紙がありましたので、カウンターに行って“漱石三四郎の書架を尋ねました。
これぞ図書館の“本の虫”と言う感じのおばさんが、“書庫にありますので取ってきます。”とすぐに対応してくれました。
閲覧室で、昨晩ラジオで聴いた、三四郎の「あなたは餘(よ)つ程(ほど)度胸のない方ですね」の書かれている箇所を序盤の19頁に探し当てました。
この、同宿し、敢えて隙を見せていた、女からの、翌朝の決め手の一言まで辿り着く段取りは小説の冒頭から仕組まれているようなので、1頁から20頁までコピーすることいたしました。(写真は21頁の挿絵です。)
コピー機はいつもは空いているのですが、嵐で来館者の僅な今日に限って“デブった蟷螂のような”女が袋菓子を食いながらコピー機を占拠
しておりました。
やむ無く、雑誌コーナーで一度は眼を通した“角川俳句”を捲って待つこと20分でございました。その収穫は:

きのこ雲まがうばかりに雲の峰(吉田ひろし)

君生かしし管はずされね青葉騒(池田瑠那)

何の鮨あるか見ている生身魂(西村麒麟)