(巻十六)どつちみち妻が長生きふぐ白子(西村浩風)

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10月26日木曜日

くだんの通り、去る9月14日に他界した義母の諸々の手続きに柏市役所に参りました。
駅から庁舎までの途中に立派な実を付けた柿の木がございましたので一撮いたしました。
進んで、かつては結婚式場で今は葬儀場になっている建物を過ぎ、外装補修中の市役所に着きました。

熟柿皆承知年貢の納め時(高澤良一)

先ずは、本館一階の国民保険課で、保険証の返納と埋葬補助、五万円、の申請をいたしました。国保でそのような援助が出ているとは知りませんでした。
三つの課を回り、署名するものに署名し、返却すべきはお返しいたしました。なかなか一人では死ねないようです。

死んでから先が永さう冬ざくら(桑原三郎)

市役所のあとは、デパートのギフトコーナーで香典返しをオーダーし、事後のことに一区切りつけました。つぎは来週の納骨でございます。

細君は疲れるので旅は嫌だと云い、何処にも出掛けません。趣味と云えば天文ですが、毎年の天文年鑑を買うくらいで金をつぎ込むということありません。

露の夜星を結べば鳥けもの(鷹羽狩行)

ブランドものなどには見向きもせず、我輩同様、ラジオを専らの娯楽ソースといたしております。

質素な生活は、成功を求めるより喜びをもたらす(アインシュタイン)

わがくらしいよいよ素なり根深汁(深川正一郎)

“だから、たまに外出したときくらい、少しだけ、贅沢しましょ!”と、今日はクレスト・ホテルで昼食にいたしました。
柏のホテルでのランチですから細やかな贅沢ですが、細君と向かい合い、テーブルクロスのピシッと敷かれた卓上でウエター、ウエイトレスさんたちが運んできて、サーブしてくれるお料理やデザートやお茶を頂くのは嬉しい!話しも弾む。細君が頼んだ和食コースのデザートは黒塗りのお盆で出されてきたのですが、アクセントに落葉が三枚載せてございました。細君が一枚ハンカチに挟んでお土産にするというので、我輩も一枚をクリアファイルに挟んだ。

ここにいる不思議つくづく冬紅葉(前田弘)

そのあと、浅野書店にまわり、細君は文庫を二冊買っていました。
我輩は、本屋さんの文房具売り場で句帳にしている手帳型のノートを二冊買いました。
一冊の句帳には二千句ほど書き留められますが、二冊目の句帳も巻三十五まで進み、残りが四分の一程度になりました。五年で二冊の見当ですから、あと五年は生きたいと言う未練と云えば未練タラタラの買い物でございました。

逝く迄を俳句と少しの冷酒と(寺嶋龍)

メメントモリ