(巻十七)浮腰となりし烏や柿紅葉(皿井旭川)

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2月21日水曜日

今日は確定申告に葛飾税務署に参上した。ちょうど京成電車立石駅青砥駅の中間あたりにあり、便利な場所にあるとは云えない。
入り口を入ると、直ぐに申告する申告受付の一階事務室と申告相談を受ける二階への矢印が貼り出されていた。
二階へ上がると案内の女性職員がいて、概ねのところを訊かれ、待合室に送り込まれた。
パーティションの内側ではすでに第一回目のグループに概要説明が始まったようで氏名、個人番号など必須事項の記入の仕方について一括説明していた。
申告はコンピューター入力のようで、ここでは入力項目のシート作成を指導・相談をしてくれるようだ。
以前、20年近く前に同じく不動産譲渡で申告したがその時は直ぐに対面相談になり、さっさと書類の作成をしてくれて楽であったが今は自分でコチコチしなくてはいけないようだ。
一日潰すつもりで来たし、話の種拾いと思い我慢・忍耐・辛抱と忘れずに“国民の義務”を全うしよう!

大部屋の端の仕切りの中から英語のやり取りが聞こえてきた。これだけ外国人居住者が増えてきたのだから、当然と云えば当然だがどんなところでも英語の必要性が高まっているなあ!
9時15分になり、つまり勤務時間の開始時刻であろう、相談の職員さんたちが降りてきた。
私の相手をしてくれたご担当は契約書二通に目を通して、
「買い換え予定もなく、ローン減税関係のこともない。売却益がないので確定申告は要らない。税務署からのお訊ねハガキに必要事項を記入して返信してください」とのことであった。申告不要とのことがはっきりした。それはそれで誠に結構なことです。

続いて給与所得・年金所得の確定申告をすることにした。こちらの列は長い!
控除は介護保険料の直納分だけにした。医療費も集めれば少しはあるが、これは来年の課題に致すことにした。
パソコン申告は、経験者コーナーと初心者に分けられるが、振り分け担当者のところまでたどり着くと“お名前と住所くらいは入力できますよね?”と云われ、経験者の列に並ばされた。パソコン待ちは10分くらいであったが、初心者の列はもっと待ち時間が掛かるようだ。

申告部屋にはざっと見たところ、100台くらいのパソコンが棚に並べられていて椅子はない。健康的な立っての作業である。
ほぼ10台に1人の割合で補助員が配置されている。察するに国税退職者のようであり、申告者の大半と同年輩である。
入力項目は私の場合はそれほど多くはないが、直入力とスクロール選択とが入り乱れているので解りづらいところがある。
一段階ごとに、次に進む前に補助員さんに見ていただいたが、チョコチョコと手直しが入った。
いわゆる人定事項の入力と暗証番号の設定をして立ち上げ、給与所得・年金所得を入力し、介護保険料の控除入力と云う最もシンプルな申告であったが小一時間かかった。
その場合で戻し税額が表示されて、七千円ほど却ってくる。
入力が完了すると、書類の印刷コーナーに移動となり、打ち出した書類を持って源泉徴収票介護保険支払い済通知といった添付資料を受領する係りに進む。
お渡しするものを渡し、受け取る書類をいただき一件落着となった。

確定申告終えて風船飛ぶ方へ(小木曽あや子)

という句があるが、昔の確定申告の風景であろう。
当然と云えば当然だが、事務的で機械的で何の飾りもない風景でした。

終わって外に出ると税務署の前には駐車場の順番待ちの列ができていた。
中でも随分並ぶのだから、車で来るのは止めた方がよろしいかと思いますよ。

帰りは立石駅前からバスに乗ることにした。バス停まで少し回り道をして中川の土手に出て奥戸橋を眺めてみた。
中川は自然な川でやたらにくにゃくにゃとまがっている。放水路として近代に掘られた川とちがい無駄の良さがある。
奥戸橋の一つ上流の橋は高砂橋であるが、このあたりで中川はくねくねとした中川本流と昭和に掘削された中川放水路に別れている。放水路は一直線に葛西あたりを抜けて海に注ぐ。

本流となりて急がぬ春の川(河村正浩)

奥戸橋から立石方向に奥戸街道を歩いたが一軒の時代ものの商家があったのでこれも一撮しておいた。

立石は安い呑み屋街として最近は売り出しているが、昭和の御代には場末の盛り場として
川本三郎氏などの散歩随筆によく登場する。

四ツ木立石葭切りが鳴き湯屋あがり(宮津昭彦)