(巻十八)万緑も人の情も身に染みて(江國滋)

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3月12日月曜日

7年前の地震の翌日の土曜日の朝と同じような澄んだ空である。あの日はお台場からバスで東京駅に出て、二重橋駅から千代田線に乗りなんとか午前中に帰宅した。途中屋根瓦が落ちている家などあり、わが家も書棚の本がかなり床に散らばっていた。インフラに損害はなく、その日はどちらかと云えば安穏に過ごした。今、備蓄はペットボトル5本だけである。

待つとなき天変地異や握飯(三橋敏雄)

さて、月曜日の朝である。7時前の山手線はまだそれほど混雑して居らず、いつものようにプロントでホットドッグを今朝はケチャップを垂らさないように気を付けていただき、会社には8時15分ころ到着した。
この始業までの1時間が私の文学の時間で、つまりコチコチする時間なのである。
今朝の9時前までに「男女は協力し合えても理解し合うことは難しい-河合隼雄」(新潮文庫『こころの処方箋』)のコチコチを終った。これが文学かと言われると答はないが、いずれご覧に入れるのでお読みください。私は随筆として読んでおります。
さて次は何を読もうかと思案し在庫の文庫から『吉行淳之介ベスト・エッセイ(ちくま文庫)』を抜き出した。目次を読むとなかなかの随筆がごそごそとあったのを思い出した。
勿体をつけずに一番面白かった『四畳半襖の下張「裁判」法廷私記』をコチコチすることにした。頁数にすると25頁ほどあり、法廷での“猥褻”問答がそのまま入れてある頁もある。

二枚舌だからどこでも舐めてあげる(江里昭彦)

息子が今日帰国するので予定フライトの到着時刻を調べて細君にメールした。定刻で飛んでいるようだ。“洗濯物が帰ってくる!”と喜んでいる。母親は息子がいくつになってもこうなんだろう。

飛行機のずしんと降りる枯野かな(長谷川櫂)

土産は洗濯物と、多分、機内食の余りのクッキーであった。やはり育て方を間違ったようだ。

富士の風や扇にのせて江戸土産(芭蕉)