(巻十八)シクラメンたばこを消して立つ女(京極き陽)

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5月29日火曜日

昨晩のシメサバがよくなかったのか、腹が弛い!もっとも酎ハイ2杯とシメサバで七百円だから其れなりの覚悟は求められよう。

台風の中へ覚悟のハイヒール(有坂裕子)

ホタルイカのボイルを注文したのだが、売り切れとのことだった。隣の爺さんはそれをつまんで呑んでいたのでタッチの差でだったのだ。

店はモツ焼き屋だが、この季節に入るとあまり煙はあがらない。おでんも置いてあるが冬の季語だ。

合席も淋しき人かおでん酒(原田青児)

特に口外できるような面白い話はなかったので、つまり守秘義務違反になるような面白い話はあるが、それはできないので、読んだ本の話にする。

本というものを面白いと思って読んだ初めは北杜夫の“どくとるマンボウ青春期”だった。間違っているかもしれないが、婦人公論に掲載されていたのを、他の記事に興味津々な中学生がたまたま読んで読書の楽しみに出会ったのだ。
若いうちはなにごとにも興味津々がよろしいのだろう。
であるから、読みはじめた『どくとるマンボウ航海記』は50年以上前に読んではいるが、何にも覚えていない。
そもそもマンボウ・シリーズは読んで覚えておくことを期待していないのではあるまいか。
第一章というか、初めの『私はなぜ船に乗ったか』をコチコチしたが、し終わって何も覚えていない。覚えているのは調査船の船名が「照洋丸」ということぐらいだ。これも船に印象があったからではない。
日頃面倒を見ていただいている親分のお名前が洋照(ひろあき)とおしゃるので頭に残っただけである。
いずれコチコチしたものをご覧に入れるが一読されて、もし何かが頭の中に残ったらお医者に行った方がよろしい。(ここマンボウ風)
『どくとるマンボウ航海記』は夜の就寝前の読み物にしている。
昼間のオフィスの休み時間の読書とコチコチは、今週から安岡章太郎の随筆『水の流れ-永井荷風文学紀行』である。50頁はあろうという長編である。荷風の作品は随筆集、江戸芸術論と墨東奇譚しか手にしたことはないが荷風を論じた随筆を読むのは好きである。
五回以上に分ける分量なので年末年始にコチコチを覧に供したい。まだ5頁であるが、止めるにはならない。

冬の路地荷風になつたつもり酒(潤)

*数年前の冬、東向島駅(旧玉ノ井)あたりを歩いた。