(巻二十一)あたたかきドアの出入となりにけり(久保田万太郎)

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4月13日土曜日

破砕手術後の経過観察のために大病院に出掛けました。最寄のバス停からのバスは土日は大病院のそばの区役所を経由しないので駅前まで出てお花茶屋経由区役所行きに乗りました。天気もよろしくバスの旅には最適です。

大病院でCT、エックス線、採血と仕込みを済ませてから先生の診察をいただいた。
障害は除去されて開通していることが確認された。今後は駅前クリニックに定期的に通院して診てもらいなさいとのことでした。画像ほかのデータは“ツーカーですから”駅前クリニックに送っておきますよ、とのことでした。駅前クリニックはGPではないが、大病院との間でこういう連繋を取ってくれるのがいわゆる医院の真価でしょうね。

天気は晴れて気候は結構ですが、心は重く死に支度のことばかり考えておりますな。現状は大変幸福な生活経済環境に在りながら、そんな今の生活は虚構のようで、そんなところからは“早いとこおさらばしたい!”という不埒な考えが付きまとうのです。

死は春の空の渚に游ぶべし(石原八束)

心の年齢はプラス20くらいあるんじゃないだろうか。まだ生きていたくても死んでいった人達には申し訳ないないが、個人差であります。
そんなら何故病院来たのだろう?

散るさくら病院に行く未練かな(潤)

帰りは大病院の前にあるバス停から都バスの金町駅前行きに乗ってみた。このバスも乗客はほぼ全員高齢者以上のようでありました。から見れば先輩風のじいさんが席を取って呉れて、ここに座れと手招きしてくれました。我が風体は先輩から見てもヨレているのだろう。話好きの先輩でどうも浅草の場外馬券場の帰りのようです。その昔、ハイセイコーで百万当てた話から始まり、今は月に四万八千円を月の限度にして楽しんでいると言う。
他に草野球の審判も呼ばれればやってあげて小遣いを稼いでいると言う。まだ草野球のチームなんてあるんですかい?と伺うと、“あるある、亀有警察署にだってある”と返ってきました。

贅沢な花の盛りの草野球(丹羽利一)

先輩は息子からは年金は全部自分の好きに使えよ、遺そうなんて考えなくていいと言われているとのことで、色々な自慢話を聞いているうちにバスは金町駅前に着いた。先輩は人生を楽しんでいるなあ!幸せそうだなあ!俺は下手だな~。

眉寄せて日向ぼこりの下手な人(奥坂まや)

ネットでは金町には二軒の古本屋があるはずなので探し廻ったが、新刊本屋であった。
亀有まで戻り、“ときわ”に落ち着く。
そこそこ客が入っていて“常連は後回しにするよ!”とのこと。それで奴のおまけがついた。

冷奴回りの早き昼の酒(川久保野人)


「第六章 左沢線長井線・赤谷線・魚沼線 -  宮脇俊三河出文庫 時刻表二万キロ から

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宮脇俊三氏は七十七くらいまでだったようだ。

青春はみずきの下をかよふ風あるいは遠い線路のかがやき(高野公彦)