(巻二十一)荷風なし万太郎なし三社祭(宇田零雨)

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4月19日金曜日

本日の一句を持ちまして巻二十一の読み切りとなりました。巻二十一の句はこのあとブログに一挙掲載致します。

今日から週末でして、お使いと駅前クリニックに手術後の経過報告とお薬を頂きに伺った。
お使いは、国民健康保険証を返納に区役所の駅前出張所に伺った。兎に角人文系で院なんぞに進んだのでが死ぬまで家にいて、最後は引き籠りの中年期家庭内暴力かと覚悟しておりましたところ、当に幸運にも拾って下さるところがあり、そちらで社会保険の仕組み潜り込んだようです。

生きるにも死ぬにも保険五月来る(東智恵子)

あたしゃ、お蔭様ですっかり緊張感か溶けて流れてしまい勤労意欲と云うか、少しでも稼いでおかなくてはとう気持ちが薄れました。あとはきれいに消えるだけと云う“悟り”が開ければよいのですが。

春愁や死は怖れぬと言ひつつも(松永朔風)

駅前クリニックでは、FAプロのAV男優の貢さんに似た先生に診て頂きました。貢先生は快活で話しやすい方で、さっさと大病院への紹介状を書いてくださった先生です。
今日は大病院入院中のことなどのご質問をいただき、大病院のO先生、H先生の明るく力強い患者への接し方がありがたく嬉しかったことや病院の雰囲気のよかったことなど申し上げました。
大病院で撮影されたCTなどのデータは“ツーカー”の間柄の駅前クリニックに送ってくださると言ってましたよ、と申し添えますと“ツーカー”かと笑っていらしっやいました。
現在の数値はよろしくないが、ある程度は回復するだろうとのことで、従前の通り月一で診察していただくことで今日は終わりました。
貢先生に“もう、これ以上はもたねえな、いいだろ、ここまで生きたんだから?”と快活明朗に宣告されたら、“まっ、いいか”と思えるかもしれないな。そんな先生です。

診断の言葉にごして花をいふ(佐藤斗星)

と云うタイプの先生ではないようだ。

処方箋とお支払を待つ間、待合室のテレビに目をやりますとテレビ体操が映されておりました。三人の健康的な女性が舞でも舞うように体操されていましたが、なんとも健康的なセクシーさを振り撒いておりまして見とれました。
肢体は適度の曲線を有しており、特に胸の位置と量感において“見るべきもの”がありそうです。
容貌は素朴な美人と云えるでしょう。彼女たちが東北地方のご出身かどうか存じ上げませんが東北美人と云うあたしが持っているイメージの範囲でございます。体操の衣装は体にぴったりとしていると云うことでは想像力を掻き立てますが、デザインが扇情的と云うことはありません。しかし、メークの方はやや扇情的でございますなあ。先に申し上げましたように素朴な美人に濃いメークですから、そのバランスの崩れがやや退廃的なエロチシズムを醸し出しているとあたしゃ感じました。

明治節乙女の体操胸隆く(石田波郷)

精算して処方箋をいただき、一階の薬局へ参り、お薬の受付をしていただきました。30分待ちでお薬を頂きにました。時は10時30分です。
いつもは土曜日の先生に診ていただいていたのですが、土曜日ですとやや混んでいて診察、薬局で終わるのが11時半くらいとなり、必然的に“ときわ”に吸い込まれるのです。今日は待ちも時間があるので“ときわ”は断念してサンドウィッチを買って帰宅することにし、途中スーパーにも寄って寝酒用のウイスキー仕入れました。
ウイスキーを舐めながら、別役氏と語らい、なぎら氏と語らい、更に丸谷氏、阿川氏、開高氏と酌む予定にしております。

おでん酒酌むや肝胆相照らし(山口誓子)


「銀玉鉄砲 - なぎら健壱ちくま文庫 東京昭和30年下町小僧 から

あたしも銀玉鉄砲で遊びました。水田の続く中に一本松があり、トーヨーゴムから貨物線まで間に視界を遮る建物はなかった。

なぎらさんと酌んだあと、細君の目を盗んで丸谷氏と酌んでいます。

「幸福の文学 吉田健一 『酒肴酒』 - 丸谷才一集英社文庫 別れの挨拶 から