(巻二十二)春の夜の夢なり金庫一個分(高野ムツオ)
7月16日火曜日
金庫一個分の百グラムのチョコレートだな。不動産は要らない。賃貸でいい。余れば遺す程度でよいのだが、死ぬまでに幾ら掛かるか分からないし、紙幣なんぞはいつ紙切れになるか分からないから、家賃相当額をやはりチョコレートで持っていたいなあ。
この世には何も残さず障子貼る(須賀ゆかり)
は月や金星で見つかればただ同然になると云っている。紙も土地もチョコレートもある種の信心でありますが、あたしゃ今のところチョコレート教ですね。
信心の薄きが巡る堂の闇(服部修一)
しかし、こんなことを考えているから余生が楽しくないわけだ。
雨蛙めんどうくさき余生かな(永田耕衣)
顔本のあるお散歩サークルに入れて頂いているが、管理者さまから全員に「昆虫のアップ、特にグロテスクな写真は不快に感じるメンバーもいるので控えなさい。」 との主旨の注意が発せられた。
この辺りが顔本の難しいところですね。ブログなら見に行かなければよいのですが、顔本は送りつけますからね。
無理強ひをせぬが酒豪や大石忌(鷹羽狩行)
「親と子(3) - 加藤秀俊」中公文庫 暮しの思想 から
加藤氏の御説が正しいは判りませんが、力説されている親子の別離の必要性について、は見事に別離をしてくれたように思います。
解決の一つに別れ花の道(曽根新五郎)