(巻十三)とつぐとき過ぎつつ風邪のタイピスト(山口誓子)

12月22日木曜日

JR成田駅前に宝くじの幟がたなびいていて、明日23日が販売の最終日であると告げていた。
午後、成田空港から格安バスで数寄屋橋まで戻ったがそこの宝くじ売場には長蛇の列が出来ていた。

不知火やコインで擦るまでの夢(谷口智行)

帰りの山手線の電車でまた外国の方に席を譲られてしまった。ハワイからの旅行者で母娘の二人連れでした。娘の方がサッと立って身振りでお座りなさいと言って下さった。今までに席を譲っていただいたのは中国、韓国、北欧、と外国の方々が圧倒的に多い。同胞では沖縄からの中学生の団体さんに譲られたことがあった。これは我輩が醸し出す国際性に由来するのかも知れない?

譲られて夏のつり革揺れにけり(潤)

譲られるのも人徳であろう?少なくとも我輩の他に二人の同年輩がいたのである。譲って安心な年寄りの風体を知らず知らずに会得しているのか?老人扱いと言うのも悪くはないが、複雑な心境ではある。

どうせ、どなたもおいでにはならないだろうと思ってはおりましたが、神田のコーラクで一杯いたした。大将とおかみさんにいつもより一杯多いと注意されたが、「クリスマス・スペシャルだ!」と申して都合三杯の冷酒をいただき、良い心持ちで7時ころ店を出た。

茶の会に客の揃わぬ時雨哉(漱石)