2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻三十五)無為徒食楽しからずや漱石忌(松井幸子)

(巻三十五)無為徒食楽しからずや漱石忌(松井幸子) 12月31日土曜日 曇り空の大晦日の朝。 朝家事は正月料理の手伝いで紅白なますの大根とニンジンをマッチ棒状にカットいたした。ほかに温めたり茹でたりのお手伝い。 昼飯食って、一息入れて、散歩。クロ…

古希七十句・令和四年増補版

古希七十句・令和四年増補版令和四年さりながらパスタで年を越せにけりみつちりと思ひ知らされ歳暮れる鍋焼きやここも銀座といふ場末五回目も半信半疑の水洟小春日や立てて寄り来る尾の温し徒し世のお蔭参りか南瓜祭柿仰ぐ色鮮やかで喰えぬ奴秋深し蜜柑の甘…

「書卓の上 - 島村抱月」ちくま文庫書斎の宇宙 から

「書卓の上 - 島村抱月」ちくま文庫書斎の宇宙 から今朝もテーブルに向って腰かけたまま懐手をして二時間以上ぼんやりしていた。何をする気も出ない。かたわらの台の上に取り散してある新刊の雑誌や書籍を、一つ二つ抽き出して明けて見たが、一向に面白くな…

(巻三十五)はしばしの言葉のとんがる十二月(若林好)

(巻三十五)はしばしの言葉のとんがる十二月(若林好) 12月30日金曜日 顔本俳句に 新年を二人で迎ふ危うさよ(Masako Tokuda) という句があり書き留めた。色んな年代がそれぞれに解釈できる句だ。 朝家事なし。細君は正月の煮物を始めたようで、邪魔をしな…

(巻三十五)団地老いて昭和の桜いま盛り(中島修之)

(巻三十五)団地老いて昭和の桜いま盛り(中島修之) 12月29日木曜日 冬晴れと云える空模様。寒さも厳しくはない。起き抜けに昨日の中川の写真を眺めなから、 海まではあと数キロの冬の川(拙句) と捻る。 細君は生協へ。 朝家事はアイロンがけ、シャツ4枚…

「浮気小説Ⅱ - 鴨下信一」忘れられた名文たち から

「浮気小説Ⅱ - 鴨下信一」忘れられた 名文たち から戦後、昭和三十年代にかけて出現した「中間小説」のいちばん大きな意義はまさにこのことで、こののち日本人が初めて経験することになる大衆社会にふさわしい〈標準文体〉を完成したところにあるのだろう。そ…

(巻三十五)熱燗や期待するから腹も立つ(高橋将夫)

(巻三十五)熱燗や期待するから腹も立つ(高橋将夫) 12月28日水曜日 寒さは少し緩いが曇天の朝だ。朝家事は洗濯と拭き掃除、それに陽が出てきたので毛布干し。 昼飯のおかずは昨晩のすき煮の煮返しだったが、煮返しは実にうまい。 昼飯食って、一息入れて…

「弁当 - 八代目坂東三津五郎」アンソロジーお弁当 から

「弁当 - 八代目坂東三津五郎」アンソロジーお弁当 から弁当というと今の人は汽車弁、駅弁をすぐ連想するが、私の子供のころは芝居につきものだった。役者の後援会で見物に行くと、「かべすつき」といって菓子と弁当とすしがついている。芝居の時間が長いから…

(巻三十五)灯籠流ししてやる義理もないのだが(夏井いつき)

(巻三十五)灯籠流ししてやる義理もないのだが(夏井いつき) 12月27日火曜日 今朝も冬晴れ。どうも昨日は薬を飲み忘れたらしい。まっ、いっか。 錠剤の一つ半端や秋暑し(尾崎八重子) 葉書に「みつちりと思ひ知らされ歳暮れる」を書いた。無駄遣いと言えばこ…

(巻三十五)草深く取りにがしたるきりぎりす(井上明華)

(巻三十五)草深く取りにがしたるきりぎりす(井上明華) 12月26日月曜日 冬晴れ。寒いというほどではない。もちろん暖房など入れていない。 ○○さんがちょっとpessimisticな長文のメッセージを顔本に載せた。 "But death was sweet, death was gentle, deat…

「三鷹(抜書) - 津島美知子」河出文庫 太宰よ!45人の追悼文集 から

「三鷹(抜書) - 津島美知子」河出文庫 太宰よ!45人の追悼文集 から昭和十五、六年頃はまだ戦争の影響もさほどでなく、太宰の身辺も平穏であった。この頃は小旅行をよく試みた。そのうちで私が同行したのは、十六年の小正月の伊東への一泊旅行と、十五年七…

(巻三十五)糞(まり)ひりて猫の逝きたる残暑かな(佐久間慧子)

(巻三十五)糞(まり)ひりて猫の逝きたる残暑かな(佐久間慧子) 12月25日日曜日 穏やかな冬晴れ。 朝家事は、台所の換気扇のフィルター交換、ベランダの掃き掃除、四部屋の掃除機がけ。毛布干し。 11時頃から風が強まり急ぎ毛布を取り込む。生協へ買い物…

「禅的安心の作法 - 玄侑宗久」新潮新書 釈迦に説法 から

「禅的安心の作法 - 玄侑宗久」新潮新書 釈迦に説法 から世の中に、心配の種は尽きることなく言葉の字面のせいだろ、安心の反対が不安だし、不安がなくなると安心するような気がしてしまうのだが、果たしてそうだろうか?不安を「心配の種」と言い換えてもい…

(巻三十五)秋晴や心にかかる雲ひとつ(モーレンカンプふゆこ)

(巻三十五)秋晴や心にかかる雲ひとつ(モーレンカンプふゆこ) 12月24日土曜日 本日も冬晴で、風は弱くなった。毛布を干し、洗濯物も干した。 朝家事は洗濯と毛布干し。今日はクリスマス・ディナーを作るとかで動員がかかり、コールスロー・サラダを作るた…

(巻三十五)場末なり月見る空の邪魔もなし(正岡子規)

(巻三十五)場末なり月見る空の邪魔もなし(正岡子規) 12月23日金曜日 冬晴れ。 水の裏見ているごとし冬の空(川嶋一美) 風が強くて洗濯物は部屋干し。生協に米ほかを買いに出たが昨日愛でて一撮した楓紅葉が散ってしまった。儚い。 昼飯食って、一息入れて…

(巻三十五)豪雪対策公家の軍議に終りけり(竹田恵示)

(巻三十五)豪雪対策公家の軍議に終りけり(竹田恵示) 12月22日木曜日 冷たい雨の朝だ。出勤する人は大変だろう。10時のエッジの気温は5度だ。 朝家事は、洗濯、拭き掃除、台所キャビネの雑巾がけ。 明治のヨーグルト屋さんが戸別訪問にやって来た。サ…

「七十歳の引っ越し - 秋山駿」ベスト・エッセイ2002 落葉の坂道 から

「七十歳の引っ越し - 秋山駿」ベス ト・エッセイ2002 落葉の坂道 から引っ越しをして、やがて半年を過ぎるが、まだいっこうに日常が落着かない。居は移し易く生は変え難し、というが、これは嘘であろう。七十歳の引っ越しは、けっこう大事だった。私は、西…

(巻三十五)人去りて冬の桜の息づかひ(金子篤子)

(巻三十五)人去りて冬の桜の息づかひ(金子篤子) 12月21日水曜日 本日は曇天也、寒さはそれほど厳しくない。9時半から翌2時半、3時半から6時半という睡眠時間が定着化。昨晩のFM葛飾の『きしゃぽっぽ』も半分眠って聴いていた。 朝家事は特になし。生…

「江戸の、時間感覚・金銭感覚 - 杉浦日向子」河出書房新社 お金がない! から

「江戸の、時間感覚・金銭感覚 - 杉浦日向子」河出書房新社 お金がない! から「時は金なり ~Time is money~」といえば、「時短」とこころえるのが、現代の発想です。それだから、東海道新幹線での東京~大阪は、割高でも「ひかり」より「のぞみ」を得策とします…

(巻三十五)博多場所しぐれがちなる中日以後(下村ひろし)

(巻三十五)博多場所しぐれがちなる中日以後(下村ひろし) 12月20日火曜日 朝家事は掛布団カバー2枚洗濯と自分の分の洗濯。日本海側は強雪で大変らしい。北側の窓拭きも致して蒲団も干す。 昼飯食って、一息入れて、ビックカメラに糸屑フィルターを受け取…

(巻三十五)何もせぬことも勤労感謝の日(京極杞陽)

(巻三十五)何もせぬことも勤労感謝の日(京極杞陽) 12月19日月曜日 2度まで下がったらしい。起きて直ぐにパジャマを着替えた。部屋に暖房器具は一切ない。重ね着には厚手のパーカーが残っているが、ここで手はつけまい。 細君が生協に行っている間に年賀…

「カレンダー - 安藤鶴夫」ちくま文庫 書斎の宇宙 から

「カレンダー - 安藤鶴夫」ちくま文庫 書斎の宇宙 から師走の、ごたごたした郵便物の中に、カレンダーの送られてきたのがまじっているのをみつけるのは、たのしい。いそがしいさなかに、ひょいと、その、あたらしいカレンダーの掛けられた元日の朝の、あのす…

(巻三十五)敗因を考えている夜長かな(宮川一樹)

(巻三十五)敗因を考えている夜長かな(宮川一樹) 12月18日日曜日 冬型の晴れ。朝家事は洗濯、窓拭き、毛布・マット干し。生協に出かけて米2キロほかを買う。往きに団地のトイちゃんに会い一袋。 俳壇が届くが、書き留めたくなる句はなし。 路地裏といへ…

「三十人の「きせきの人」たち - 矢吹清人」03年版ベスト・エッセイ集 から

「三十人の「きせきの人」たち - 矢吹清人」03年版ベスト・エッセイ集 から「きせきの人」は、ヘレン・ケラーを描いた「奇跡の人」ではなく、「鬼籍の人」たちのことである。町の開業医の勉強会「実地医家のための会」のターミナル・ケアの共同調査の資料を作るた…

(巻三十五)晩秋やあつさり癌と告知さる(松重幹雄)

巻三十五)晩秋やあつさり癌と告知さる(松重幹雄) 12月17日土曜日 どんよりと曇った朝だ。朝家事は掃除機がけ。昨日ガラス戸のスライド・レールの掃除をしたが、却ってギシギシと音がするようになったとケチを付けられた。 柿を剥いて、昨晩の残り料理を…

「生きる - 尾崎一雄」中公文庫 閑な老人 から

「生きる - 尾崎一雄」中公文庫 閑な老人 から私という人間-つまり生きものが、永遠に死なないと仮想するほど恐ろしいことはない。いつまでも、どこまでも、どんな状況下に陥っても、決して死なない、いや、死ねない、と考えると背筋が寒くなる。だが私には…

(巻三十五)平手打ちの頬の痛さに凍れけり(笠井操)

(巻三十五)平手打ちの頬の痛さに凍れけり(笠井操) 12月16日金曜日 浮気でもしたんだろ?当家は幸いそのことに関しても波風立たずにここまできた。数少ない経験ではあるが、女というのもいい加減なものだと思う。 にがき夢二人みるため来た部屋の ベッド…

「俳句と詞書(選) - 堀本裕樹」新潮文庫 短歌と俳句の五十番勝負 から

「俳句と詞書(選) - 堀本裕樹」新潮文庫 短歌と俳句の五十番勝負 から〔お題=まぶた〕料峭[りようしよう]やかもめと瞼閉づるとき(堀本裕樹)かもめと聴いて思い浮かぶ作品は、リチャード・バックの『かもめのジョナサン』か、チェーホフの『かもめ』あたり…

(巻三十五)ビール注ぎ何を言ひ出すやも知れず(山田弘子)

(巻三十五)ビール注ぎ何を言ひ出すやも知れず(山田弘子) 12月15日木曜日 睡眠は十分取れている。そのためであろうか、夢が濃い。 快晴。朝家事はガラス窓の敷居掃除、衣類の風通しと黴点検。吸湿剤1個と防虫剤2個を交換。他に毛布干し。 昼飯食って、…

(巻三十五)焼酎や煙の中にモツを焼く(檜林弘一)

(巻三十五)焼酎や煙の中にモツを焼く(檜林弘一) 12月14日水曜日 昨晩も9時前に床に入った。10時からのFM葛飾『きしゃぽっぽ』を聴こうと目覚ましをセット。目覚ましに起こされて虚ろに年末年始の臨時ダイヤ特集を聴いた。 1時ころ一度目が覚めたが直…