2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻八)おそるべき君等の乳房夏来る(西東三鬼)

病院の梯子となった。 「保険外併用療養費」という用語を知った。 いわゆる町医者などの紹介状を持っていない初診患者から2,160円をいただきますというシステムだ。 風邪や軽症の患者が大病院に来られても、効率的でないことから、大病院がハードルを上…

(巻八)春愁や死は怖れぬと言ひつつも(松永朔風)

早く死んであげないといけないのだなぁ。 二週間が理想で2ヶ月では長すぎだ。 病院での家族の付き添いの方のお顔は、優しくはない。 生かされて生きてしまつたこの四年桜の花は今年又咲く(川崎康弘) ところが、リハビリの若いトレーナーさんたちは老齢の患…

(巻八)いちにちを横から眺め春の風邪(的場秀恭)

休みのはざまの木曜日で、特になにもなしでした。 枯れるということについて考えた一日でした。 修行を積まねば! 枯るるもの枯るるならひに石蕗枯るる(阿波野青畝)

(巻八)身の内の断念袋少しずつふくらみ増して年末となる(武藤敏子)

秋から冬に備えて、無印で黒のトレーナーを二着仕入れた(つもりになっていた。) 同じものを二着買ったつもりが、一着はトレーナーではなく、長ティシャツであった。 お店に電話したら、交換してくれるとのことでしたので、すぐに持って参りました。 しかし、…

(巻八)能面の深井の口は半びらき何か言ひたい中年のくち(水上比呂美)

1日くらいは外に出ようと言うことで、親子三人の昼食会を柏のクレストホテルで執り行いました。 写真の和洋折衷セットは特に旨いというほどではありませんでしたが、ファミレスではなく、ホテルにこだわってのランチを楽しみました。 昨年も今頃の季節に同…

(巻八)文月や六日も常の夜には似ず(芭蕉)

どの放送局も「百歳以上六万人」を、一応、めでたいニュースとして扱っていますなぁ。 年寄を詠んだ句では、 それぞれに浮き名のありて敬老日(佐藤村夫) が好きです。 NHK俳句が出たはずなので、新柏駅前の書店まで散歩した。 往復で四千歩くらいになる。…

(巻八)銀杏若葉はや銀杏形してをりぬ(小林清之介)

午後、一人でクリーニングの引き取りがてら散歩に出掛けた。 新柏の駅までの道には、季節の草木が花をつけるよく手入れされた庭先が続く。 その中に、紫式部がある。 この週末に枝の先端の実まで紫に変わった。 紫に変わるのは先端からだと思っていたが、元…

(巻八)桜貝拾ふ体のやはらかき(中田尚子)

朝の買い物散歩で、ハクセキレイだと思う鳥を見かけた。 胸から腹が白く、顔が白と黒でした。雀より少し大きいように見えました。 改築中の家も見かけた。 一軒は住友林業でもう一軒は旭化成のへーベルハウスだった。 やはり、へーベルハウスをよく見てしま…

(巻八)南風(みなみ)吹くカレーライスに海と陸(櫂未知子)

新柏、坂下通りの柿の実が色付いてきた。 まだ早いのか、渋なのか、啄まれている様子はない。 渋柿と烏も知りて通りけり(一茶) 我が家ではカレーを休日の前の日によくつくる。 翌日の昼食を賄うことがカレーつくりの大きな目的であるから、夕食時のカレーの…

(巻八)妻がいて夜長を言へりさう思ふ(森澄雄)

昨日は強雨のなか、成田空港の外れの芝山というところにある倉庫地帯に行った。 街路樹の影黙々と保税地区(榎島砂丘) 成田域外と言われる一帯も最盛期の活況に比べると随分寂しくなった。成田空港のターミナルから通勤バスが出ているが、その本数も少なくな…

(巻八)徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう(井上弘美)

庭草に村雨降りてこうろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり(作者未詳) いきなり晩秋の気候ですが、読書の秋ということで、昨日は図書館へいってみた。 読書とも避暑とも図書館通ひかな(葉月) アークヒルズにあるJETROビジネスライブラリーは、小規模ながら貿…

(巻八)子兎の忘れたやうな手袋を拾ふ風花舞ひし公園(瀧上裕幸)

書き留める句や歌は、処世訓的で、皮肉っぽいものが多い。その中で、 今日の歌は最もメルヘンな歌で、こころが和む。 子狐の風追ひ回す夏野かな(戸川幸夫) も、うれしくなる句である。 その対極とは言わないが、 日曜日の夜の、NHKラジオ文化講演会の演題…

(巻八)地下街は地下道になるいつしかにBGMが消えるあたりで(岡野大嗣)

何となく、無職になってからの日常を思いながら先週末は三連休を過ごした。 「ねばならぬ」が何も無い日のこの自由定年恐れた自分をわらう(小野田多満) 仮想隠居生活では、ラジオが大きな存在感を示した。 対談番組が面白い、日曜日の午後は、NHK・FMで…

(巻八)一身をなげだせば浮き初湯なり(今瀬剛一)

日曜日の朝、細君との買い物散歩の途中、お屋敷坂の入り口で芒の穂を見付けた。 野分にもなべけば残る芒かな(松井ショウ巴) さて、 TBSラジオの長寿番組、永六輔さんの土曜日ラジオ東京が幕となるようだ。 名月やマクドナルドのMの上(小沢麻結) 永さん自…

(巻八)詫手紙かいてさうして風呂へゆく(種田山頭火)

三連休の2日目である。大雨の翌日は、大揺れで起こされた。 大津波から四年半ということで、あの時を振り替えるラジオ番組があった。 その中で、消防団員が逃げたがらない老夫婦を説得し、半ば強制して車に乗せて、避難場所へ運んだエピソードが語られてい…

(巻八)断つほどの酒にはあらず初鰹(鷹羽狩行)

酒を飲みますが、一合くらいですので、止めるとかいうレベルではないと思います。 うまい酒とかうまい料理というものを賞味できる舌を持っていない。 生きている楽しみの一つがエンジョイできないが、美味しいものが食べられなくて辛いということもない。 今…

(巻八)すきま風迎え討つよと父動く(知識啓太)

今日の句は昨今の家庭内勢力を上手く読んでいると感心した。 すきま風の吹き込む障子の隙に父が動いたが動いたのであろうか? ぴつたりしめた穴だらけの障子である(尾崎放哉) 今朝の駅までの10分の雨中歩行は流石に凄かった。 孤高とは雨中の噴水かと思ふ(…

(巻八)にやにやと近づき来るは四月馬鹿(松村史基)

秋の長雨がビニール傘をうち、しっかりとした音を立てる。 ビニール傘透かして時雨の中華門(奈良文夫) などと悠長に構えていたら、本物の雨台風がやってきた。 台風の眼の中に居る海坊主(猿人) そういう中、上野駅に到着する折り返し電車の車内清掃員が放棄…

(巻八)目を伏せてうつむく首すじ美しく白鳥は物語をまとう(山添聖子)

駅構内に蜂が迷い込む。 吹かれ来し野分の蜂にさされたり(星野立子) ある夕方、とある駅の構内に蜂さんが一匹入り込み、駅員さんが捕獲網を持って出動した。 捕獲網を用意してあるとは! 流石、いろいろな事態に準備万端でありますなあ! しかし、無用な殺生…

(巻八)甘藍(かんらん)に蝶の来ている八百屋かな(西やすのり)

生涯にどれほどの距離かたつむり(増成栗人) そう言うわけで誕生日です。 一年は短いけれど一日は長いと思っている誕生日(俵万智) 誕生日は過去のことであり、ある意味どうでもいい日である。 重要なのは命日がいつかである! 誕生日は自分では全く決められな…

(巻八)異国めく光も午後の彼岸かな(斉木直哉)

昨晩、小島タカヒロさんが番組のなかでご自身の三冊同時平行型読書法についてお話しされ、鞄には三冊入れてあるとのことでした。 読書の秋か。 人それぞれ書を読んでいる良夜かな(山口青頓) 私は小説を読まなくなった。エコノミスト誌のコラムや書評、解る記…

(巻八)譬ふれば回り疲れし春の独楽(鈴木幸江)

今日は専ら家の周りの草取りをした。 雨が続けば、草は伸びてしまう。 在庫にある草取りの句は、 緑とて色とりどりの狭庭かな(桑原たかよし) 我が家の狭い庭にもいろいろな雑草が生えている。同じ緑ではない。 草取りの後ろに草の生えてをり(村上喜代子) 確…

(巻八)秋風の一日何を釣る人そ(子規)

夏季休暇の2日目を取り、ご町内のごみ当番をいたしました。 家事の手伝いで一日過ごしたのですが、特に発見とか、感動とかいうものがありませんでした。 家庭科も音楽もない時間割高二は風に吹かれる季節(松田梨子) 家事をもっと積極的にこなし、楽しいもの…

(巻八)簡単な体・簡単服の中(楷未知子)

同期が集まって飲んだ。 そもそも、お役所の都合で束になったグループであるから、人生観・価値観・趣味などを共有してはいない。 夜の秋酒の好みのみな違ふ(古田紀一) それでも、二十代の始めを共に過ごした因縁で年に二度、当時の職場教官の出席を頂いて飲…

(巻八)マスクして命少々惜しみけり(大西順子)

高校野球はヒーローを産んで閉幕し、プロ野球は福岡が断トツでほぼ優勝を決め、もう一つの方は未だ混沌としている。 神宮の夕立去りて打撃戦(ねじめ正一) 同僚のE氏は、地元大田区の飲み屋の草野球チームで無くてはならない九番目の選手としてプレーを楽し…

(巻八)腸(はらわた)に春滴るや粥の味(漱石)

雀にパンくずを振る舞っているが、辛抱が必要だ。 雀さんは命懸けでパンくずに寄ってくるのだから、摘まめばさっと飛び立つ。 野良猫は逃げ道決めて日向ぼこ(松本ソウシュウ) 雀さんがいなくなっても、三十秒くらい、そこを動かずにいると、また戻ってくる。…

(巻八)「わが子には世話にならない生き方」を売る人がいて買う人がいる(中川陽子)

今日は3日ある夏休みの内の一日を使った。 どこへも行かない、しみじみとした夏休みである。 足伸べて開くあしゆび夏休み(小澤實) 程度の夏休みかな? 先週買ったパソコンの調整が終わり使えるようになった。 進化しているのだろうが、何がよくなったのか解…