3/3「死はなぜこわいか - 岸田秀」中公文庫 続ものぐさ精神分析 から

3/3「死はなぜこわいか - 岸田秀」中公文庫 続ものぐさ精神分析 から 実際、死の恐怖を考慮に入れず、人間を単なる合理的、利己的存在と見る経済学的人間像、あるいは個体保存本能と種族保存本能に駆り立てられていると見る生物学的人間像にもとづくいかな…

(巻二十五)にんげんは面白いかと冬の猫(矢島渚男)

(巻二十五)にんげんは面白いかと冬の猫(矢島渚男) 4月7日火曜日 今は面白くないが、面白いときはあった。今は面白くないが、閑居して心静かである。面白くはないが静かなのは悪くはない。ここまで来ると、面白いことは要らない。この閑寂のうちに終わりた…

2/3「死はなぜこわいか - 岸田秀」中公文庫 続ものぐさ精神分析 から

2/3「死はなぜこわいか - 岸田秀」中公文庫 続ものぐさ精神分析 から 人間のさまざまな営為は、この不安定な自己に安定した基盤を与え、死の恐怖から逃走しようとする企てであると考えられよう。以前あるところでわたしは、人間が時間というものを発明した…

(巻二十五)ものわかりよくて不実や泥鰌鍋(佐藤鬼房)

(巻二十五)ものわかりよくて不実や泥鰌鍋(佐藤鬼房) 4月6日月曜日 ミカンの鉢植えを買い日々水をあげている。 買い求めたときに花屋さんから一年経つと成長して6号の鉢では収まらなくなるので、春には8号に移し替えるように云われていた。 春が来て、さ…

1/3「死はなぜこわいか - 岸田秀」中公文庫 続ものぐさ精神分析 から

1/3「死はなぜこわいか - 岸田秀」中公文庫 続ものぐさ精神分析 から 人間が死を恐れるのは、生物学的な意味での生命から多かれ少なかれ遊離したところに自己の存在を築いているからであると思う。われわれが恐れているのは自己の終焉である。もちろん、生…

(巻二十五)黄泉平坂(ヨモツヒラサカ)一騎駆けゆく花月夜(角川春樹)

(巻二十五)黄泉平坂(ヨモツヒラサカ)一騎駆けゆく花月夜(角川春樹)4月5日日曜日天気も悪く、外出を自粛いたした。つまり散歩をサボった。(去年の写真)午前中に洗濯し、午後はしっかりと昼寝をした。朝日俳壇咳をしたら人目(中村幸平)高山れおな氏がこの句…

「病院通い - 上田三四二」文春文庫 89年版ベスト・エッセイ集 から

「病院通い - 上田三四二」文春文庫 89年版ベスト・エッセイ集 から 二週間にいちど、癌研の泌尿器科に通うようになって、三年がたつ。中に三カ月におよぶ再入院の期間をはさんでいるが、厄介な、重い病気の術後の経過としては、予想をこえた上首尾といわ…

(巻二十五)かうしては居れぬ気もする春炬燵(水田信子)

(巻二十五)かうしては居れぬ気もする春炬燵(水田信子) 4月4日土曜日 (散歩と買物) バスマットを敷物代わりにして暖房器具を載せている。そのバスマットが汚れたので交換用(敷物用)バスマットと角3型の封筒を買いに生協の上にある衣料品店と百均に出かけた…

「日本一塩煎餅〈鉄道省事務官・石川毅氏の話〉 - 子母澤寛」中公文庫 味覚極楽 から

「日本一塩煎餅〈鉄道省事務官・石川毅氏の話〉 - 子母澤寛」中公文庫 味覚極楽 から 塩せんべいの食いまわりをはじめてから、もうかれこれ三十年にもなった。九州から北海道とせんべい一枚食うためにずいぶん苦労もしてみたが、結局、これは江戸を中心の関…

(巻二十五)サルビアを咲かせて老後の無計画(菖蒲あや)

(巻二十五)サルビアを咲かせて老後の無計画(菖蒲あや) 4月3日金曜日 (細君) 毎朝六時半に起き出す。お通じの時間が決まっているようで揺るがない。あたしとしても定時にゴトゴトし出すと今日も昨日と同じように始まったと安心する。 無表情同じ時刻に水を…

「抜けきれぬ餓鬼根性 - 野坂昭如」中公文庫 風狂の思想 から

「抜けきれぬ餓鬼根性 - 野坂昭如」中公文庫 風狂の思想 から以前、「京の着倒れ」「浪花の食い倒れ」という言葉があった。衣裳道楽、食い道楽に身をうちこんで、そのためには家業傾いたって、知ったこっちゃないというわけだが、なんとまあすさまじい意気…

(巻二十五)日脚伸ぶ指しては戻す詰め将棋(漁俊久)

(巻二十五)日脚伸ぶ指しては戻す詰め将棋(漁俊久) 4月2日木曜日 (散歩と買物) 風は強いがまだ本格的な花吹雪にはなっていないようだ。コンビニの外のベンチで珈琲を喫した。 花吹雪あびて振り切る恋もあり(平松うさぎ) 珈琲ができるまで側にある新聞ラック…

2/2「ポスト大衆社会論の構図 - 上野千鶴子」ちくま学芸文庫 〈私〉探しゲーム(欲望私民社会論) から

2/2「ポスト大衆社会論の構図 - 上野千鶴子」ちくま学芸文庫 〈私〉探しゲーム(欲望私民社会論) から 第三は、「大衆社会」はほんとうに変わった、とするものである。そのうちの一つが一種の発展段階説だ。高度成長期までは消費のレベルが低く、人々は「人…

(巻二十五)無駄足と云はず乏しき梅を見る(小路紫峡)

(巻二十五)無駄足と云はず乏しき梅を見る(小路紫峡) 4月1日水曜日 (桜) 花は今日で見納めか?外出せず。 散らば散れ花こそ春の物狂(正岡子規) 宮藤官九郎氏も罹患したと報道されていた。記事によれば、同じような基礎疾患があるらしい。 誰もみなはじめは…

1/2「ポスト大衆社会論の構図 - 上野千鶴子」ちくま学芸文庫 〈私〉探しゲーム(欲望私民社会論) から

1/2「ポスト大衆社会論の構図 - 上野千鶴子」ちくま学芸文庫 〈私〉探しゲーム(欲望私民社会論) からこのところマーケッターたちの間で、「大衆・小衆」論がさかんだ。電通の藤岡和賀夫さんが『さよなら、大衆』(PHP、一九八四年)という挑発的なタイトルの…

(巻二十五)非常口に緑の男いつも逃げ(田川飛旅子)

(巻二十五)非常口に緑の男いつも逃げ(田川飛旅子) 3月31日火曜日 誰にでも一度はあらむ今生の 終の桜と知らず見る花(前田良一) 朝一番で生協に米を買いに行き、途中で桜をしっかりと見ておきました。 米は二キロの袋が無く、五キロの無洗米を買いました。…

「甲の得は乙の損 - 邱永漢」中公文庫 金銭読本 から

「甲の得は乙の損 - 邱永漢」中公文庫 金銭読本 から 今度、モンテーニュの『随想録』が装を改めて出版されたので、大枚を奮発して革張りの特製本を買った。『随想録』については古い思い出があるからである。昭和二十年三月十日、東京の大空襲のあった直後…

(巻二十五)敬礼の上手と下手は生まれつき(藤後左右)

(巻二十五)敬礼の上手と下手は生まれつき(藤後左右) 3月30日月曜日 よく眠れた!久しぶりだ。よく眠れたことには感謝するが、目覚めてしまったことは残念である。 こときれてゐればよかりし春の夢(上田五千石) あたしがいなくなっても誰も困りも悲しみも…

「老人六歌仙 - 渋沢秀雄」文春文庫 巻頭随筆1 から

一昨年(昭和四十四年)の一月に、私はNHKの「老後とは」というテレビ番組に出た。五人の老人が各自の仕事などを語ったのである。私も自分を老人だとは思っているが、「老後」と銘を打たれて見るとうれしくない。しかも同席した林タカシさんや東郷青児さんたち…

(巻二十五)鍋焼の屋台に細き煙出し(富永ひさし)

(巻二十五)鍋焼の屋台に細き煙出し(富永ひさし) 3月29日日曜日 どうしても積もる積りの春の雪(塚本一夫) 場末では雨で始まり雪に変わった。 外出せず。バイト予定先から電話があったがこういう状況なので様子を見たいとお願いした。先方も当分保留とする…

「セントルイス・カレーライス・ブルース - 井上ひさし」ちくま文庫 カレーライス大盛り から

「セントルイス・カレーライス・ブルース - 井上ひさし」ちくま文庫 カレーライス大盛り から 戦争が終わって間もないころから昭和三十年代の初めごろまでの十数年間は、あのすばらしいストリップショーの黄金時代だった。ここで云うストリップショーとは、…

(巻二十五)安楽死出来ぬ桜が地吹雪す(金子徹)

(巻二十五)安楽死出来ぬ桜が地吹雪す(金子徹) 3月28日土曜日 Eさんの命日です。合掌。 週の初めにマリさんから今年は命日の偲ぶ会を延期するとの連絡を頂いた。集まって酒を酌むのは自粛したが、命日だ。 Eさんは出勤途中で倒れ、救急車の中では逝かれ…

「スターター 太刀川恵 -  村松友視」文春文庫 帝国ホテルの不思議 から

「スターター 太刀川恵 - 村松友視」文春文庫 帝国ホテルの不思議 から帝国ホテルには八基のエレベーターがあるが、宿泊客はチェックインのあとそのエレベーターに乗り自分の部屋に向かってスタートする.....そんな意味合いで、エレベータースタッフは“エレ…

(巻二十五)足許を見る商ひや花めうが(中原道夫)

(巻二十五)足許を見る商ひや花めうが(中原道夫) 3月27日金曜日 少なくとも近所の生協では値段の吊り上げはない。 吸気扇の修理に電工さんが来てくれました。 ユニットごと取り換えて15分の作業で終わりました。自宅であれば数万円の出費になったでしょ…

「即断しないで独断する - 藤本義一」中公文庫 男の遠吠え から

「即断しないで独断する - 藤本義一」中公文庫 男の遠吠え から最近、たてつづけに女流作家の作品を読んだ。動機は、曽野綾子さんとか富岡多恵子さんと会う機会があったので、女流作家は、現実の事象をどのように分析なさるのであろうか、男とどういう点で…

(巻二十五)六月の手応えうすき髪洗ふ(久野兆子)

(巻二十五)六月の手応えうすき髪洗ふ(久野兆子) 3月26日木曜日 外出自粛が伝えられたらしい。我が家は一応の備蓄があるので買い足す物はないが、醤油と油と料理酒を仕入れに朝一で生協へ出かけた。 客はいつもの平日の朝よりはやや多目と見た。米とインス…

「鳶 - 岡本綺堂」旺文社文庫 綺堂むかし語り から

「鳶 - 岡本綺堂」旺文社文庫 綺堂むかし語り から去年の十月頃の新聞を見た人々は記憶しているであろう。日本橋蛎殻町のある商家の物干へ一羽の大きい鳶が舞い降りたのを店員大勢が捕獲して、警察署へ届け出たというのである。ある新聞には、その鳶の写真…

(巻二十五)ここちよき死と隣りあひ日向ぼこ(鷹羽狩行)

(巻二十五)ここちよき死と隣りあひ日向ぼこ(鷹羽狩行) 3月25日水曜日 一昨日は八千五百、昨日は一万、今日も八千歩を歩いた。一万歩説もあれば五千歩説もあるから、健康寿命に何がベストなのかは解らない。無理強いはしないようにします。 死ぬまでの一千…

「消費と貯蔵 - 山崎正和」中公文庫 柔らかい個人主義の誕生 から

「消費と貯蔵 - 山崎正和」中公文庫 柔らかい個人主義の誕生 から消費と貯蔵もちろん、この第二の欲望は必ず物質的欲望をともなふものであるから、それが満足させられるときには、必ず一定量のものの消耗を避けることはできない。のみならず、ときには、ひ…

(巻二十五)顔に似ぬ発句も出でよ初桜(芭蕉)

(巻二十五)顔に似ぬ発句も出でよ初桜(芭蕉) 3月24日火曜日 北風が強く洗濯物は室内干し。 パートに応募した。そこで提出を求められた住民票などを揃えに午後外出いたした。書類は揃ってきたがさてどうなるやら? とにかく歩いたので一万歩を越えました。…