(巻三十二)おいそれと買手のつかぬ山笑ふ(境惇子)

(巻三十二)おいそれと買手のつかぬ山笑ふ(境惇子) 1月18日火曜日 細君は内科に検診に出かけた。午前11時まで独りの時間を過ごす。不善もマンネリ化して暇潰しにならない。 Crowd Science Why do we get bored https://www.bbc.co.uk/programmes/w3ct1pr…

(巻三十二)カステラにフォーク突き刺す秋思かな(土居小夜子)

(巻三十二)カステラにフォーク突き刺す秋思かな(土居小夜子) 1月17日月曜日 細君が生協に出かけ、干し芋を買ってきてくれた。飴色の干し芋が三枚、ビニールの袋に丁寧に納まっている。夕方、いただいたが甘味はそれほどない。茨城産で紅はるかという芋ら…

(巻三十二)信ずれば平時の空や去年今年(三橋敏雄)

(巻三十二)信ずれば平時の空や去年今年(三橋敏雄) 1月16日日曜日 二晩乾き物をつまみに寝酒をしたが、やはり夜中に喉が渇く。元に戻そう。 よくないと承知のうえの寝酒かな(拙句) 世事は書きたくないが、今年のセンター入試は色々な事が起こる。今朝は津…

随筆筆写控え帳

随筆筆写控え帳 「最善の悩み方 - 土屋賢二」論より譲歩 から 「裁判員裁判対象事件からの除外 - 明治大学教授駒澤睦」判例教室2021年10月号 「浅草観音温泉 - 武田百合子」温泉天国 から 「最上川 - 斎藤茂吉」 「動物園物語(抜書) - 丸谷才一」男も…

(巻三十二)春の夢みているやうに逝きにけり(西原仁)

(巻三十二)春の夢みているやうに逝きにけり(西原仁) 1月15日土曜日 本日の句など逝き方の理想でごさいます。 土曜日の朝なのでFM葛飾を流す。バックグラウンド・ミュージックだけでくだらない駄弁りがない。つまり清々しいのである。静かな音楽だけを流し…

「最善の悩み方 - 土屋賢二」論より譲歩 から

「最善の悩み方 - 土屋賢二」論より譲歩 からツチヤ師(筆者とは比較にならない聖人である)が、師を慕う者たちと夕暮れの公園を歩いているとき、ふと足を止めておっしゃった。「見よ。あの夕焼け空を。何と美しく淋しく切ないのであろうか。カトマンズで見る…

(巻三十二)生霊酒のさがらぬ祖父(おほじ)かな(其角)

(巻三十二)生霊酒のさがらぬ祖父(おほじ)かな(其角) 1月14日金曜日 就寝時に睡眠導入手段としてBBCを聞いている。昨夜はふと思い立って、再生をシャッフルの継続にして、イヤーフォンからヘッドセットに換えて床に就いた。百余の番組のどれが聞こえてくる…

「裁判員裁判対象事件からの除外 - 明治大学教授駒澤睦」判例教室2021年10月号

「裁判員裁判対象事件からの除外 - 明治大学教授駒澤睦」判例教室2021年10月号大阪高裁令和2年10月27日決定【論点】裁判員裁判の対象事件から除外され、裁判官のみの合議体で取り扱われるのはどのような場合か。(参照条文)裁判員1条・3条1項、暴力…

(巻三十二)ぽつねんと狸爺の梅見酒(前田吐実男)

(巻三十二)ぽつねんと狸爺の梅見酒(前田吐実男) 1月13日木曜日 好天・微風で毛布と薄布団を干す。ミカンも冬を越せそうだ。 約束も用事もなくて蒲団干す(井戸幸子) 微風だったので駅前まで散歩して串焼き本舗で一息入れた。 3回目の通知をいただいた。少…

(巻三十二)噴火してしまつた山の苦笑ひ(高橋将夫)

(巻三十二)噴火してしまつた山の苦笑ひ(高橋将夫) 1月12日水曜日 今日は細君が歯医者に出かけて行った。まだずいぶん残っている歯の点検と歯磨きだけだそうだ。 閑居して不善を為して午前を終わる。不善もマンネリだ。 午後、散歩に出るが風が強くすぐに…

(巻三十二)若ければ走つた筈が秋時雨(岩藤礼子)

(巻三十二)若ければ走つた筈が秋時雨(岩藤礼子) 1月11日火曜日 私が医者や歯医者に行く日は天気が崩れる。10月に退院した日には台風で荒れた。去る1月6日はリハビリ病院に検診に行った日たが、雪だった。そんなわけで、細君は“日頃の行い説”を唱える…

(巻三十二)松手入れ見様見真似の枝捌き(森美佐子)

(巻三十二)松手入れ見様見真似の枝捌き(森美佐子) 1月10日月曜日 昨日は薬を飲み忘れたようだ。アラームを掛けてあるので忘れることはないと思っていたが、土日祭を除外にしてセットしてあったらしい。セットし直した。 錠剤の一つ半端や秋暑し(尾崎八重…

(巻三十二)鍵穴に蜜ぬりながら息あらし(寺山修司)

(巻三十二)鍵穴に蜜ぬりながら息あらし(寺山修司) 1月9日日曜日 朝日俳壇賞が発表され、中村襄介、あらゐひとし、岸田季生、小関新の各氏が受賞された。中村襄介氏、あらゐひとし氏の句は好きで数多く書き留めている。 今日書き留めたのは、 なりゆきに任…

(巻三十二)鍵かけてしばし狂ひぬ春の山(攝津幸彦)

(巻三十二)鍵かけてしばし狂ひぬ春の山(攝津幸彦) 1月8日土曜日 細君が生協へ出かけ、ついでにベゴニアとアネモネを買ってきた。アネモネにもギリシャ神話の話があったはずだと言っていたので調べてみた。 https://hanatama.jp/anemone-coronaria.html 妹…

「浅草観音温泉 - 武田百合子」温泉天国 から

「浅草観音温泉 - 武田百合子」温泉天国 から浅草観音温泉の二階の窓ぎわに、立派ではない松の盆栽が二鉢置いてあるのが見える。もう少しで落ちてきそうだ。その並びの硝子窓を開けて、マッサージ嬢らしい人が首すじをのばして五重塔の方の中空を睨み、すぐ…

(巻三十二)失言と一ト日気づかず餅腹(中戸川朝人)

(巻三十二)失言と一ト日気づかず餅腹(中戸川朝人) 1月7日金曜日 朝の最低気温はマイナス2度とか予報されていたが、寒くてこの冬初めてエアコンを点けて着替えをした。暖かくして測ると血圧も125ー75と正常値である。 念仏は無の字ばかりや寒波くる(前田美…

「最上川 - 斎藤茂吉」

「最上川 - 斎藤茂吉」最上川は私の郷里の川だから、世の人のいふ『お國自慢』の一つとして記述することが山ほどあるやうに思ふのであるが、私は少年の頃東京に来てしまつて、物おぼえのついた以後特に文筆を弄しはじめた以後の経験が誠に尠いので、その僅…

(巻三十二)東北は上下に長し寝冷腹(松本勇二)

(巻三十二)東北は上下に長し寝冷腹(松本勇二) 1月6日木曜日 小寒、寒の入り、立春まで寒中か。寒い。でも東京の場末の寒さなど東北・北海道に比べたら屁みたいなものでしょう。現にストーブもエアコンも点けずに部屋でなんとか過ごしている。重ね着もまだ…

(巻三十二)船頭に浮巣も水の道標(江川虹村)

(巻三十二)船頭に浮巣も水の道標(江川虹村) 1月5日水曜日 本日も毛布干しを敢行いたす。まくれあがるほどの風ではない。11時過ぎたあたりから強風となり毛布を取り込むが、あまり温かくはなっていない。 散歩には出かけずに生協に米、みかん、ヨーグルト…

(巻三十二)歳晩の脚立に妻の指図待つ(安居正浩)

(巻三十二)歳晩の脚立に妻の指図待つ(安居正浩) 1月4日火曜日 午前は無風好天で毛布が干せたが、午後は風が強く散歩の帰り道はバスにしてしまった。 出初め式のポスターが貼られていた。 出陣のごとき身支度火の見番(西村周三) 三賀日も終ったし、モツ焼き…

(巻三十二)居酒屋に席空くを待つ西鶴忌(岸川素粒子)

(巻三十二)居酒屋に席空くを待つ西鶴忌(岸川素粒子) 1月3日月曜日 毛布を干す。好天である。細君は今日から商売の生協に出かけて、混んでいたと戻ってきた。 昼飯は磯辺巻に昨日の残りの牛肉とおせちの残りを駅伝を聞きながら頂く。トップは横浜駅前通過と…

巻三十一立読抜盗句歌集

巻三十一立読抜盗句歌集 日の丸を掲げる勇気大旦(松岡耕作) もはや子に歩を合せ得ぬ残暑かな(木村進) 洋梨の疵を向こうに向けて置く(池田澄子) 学友の頃なる夫の書を曝す(山田弘子) 熟柿皆承知年貢の納め時(高澤良一) 吊し柿こんな終りもあるかしら(恩田侑布…

(巻三十二)素袷やそのうちわかる人の味(加藤郁乎)

(巻三十二)素袷やそのうちわかる人の味(加藤郁乎) 1月2日日曜日 健やかに安眠いたし、記憶に残るような夢は見ずに目覚めた。よかった、よかった。 初夢や金も拾わず死にもせず(漱石) よい夢も悪い夢も要らない。「何事もないのに越したことはない。」とい…

(巻三十一)下萌や警察犬は伏して待つ(岡野洞之)

(巻三十一)下萌や警察犬は伏して待つ(岡野洞之) 1月1日土曜日 目の覚めるところで覚めてお元日(鷹羽狩行) ということで夜中に目覚めることもなく、滑り出しのよい元朝を迎えました。 いつものようにお越しにきた細君も特段グタグタ云わずに寝床に戻って行…

「動物園物語(抜書) - 丸谷才一」男もの女もの から

「動物園物語(抜書) - 丸谷才一」男もの女もの から句集を出す話は前まへからあつた。宗田安正さんは立風書房の編集者で、山口誓子系の俳人で、大岡信さんの『折々のうた』にも一度か二度、句が出てゐる。この人はわたしとはずいぶん古いつきあひで、ときど…

謹賀新年

令和四年元旦 謹賀新年 年頭辞世 図らずも泣いて出てきた道化の世 すまぬすまぬと生きたくはなし 年頭一句 願うこと生死直結古稀の春

(巻三十一)鳴くまでの手順を踏みて法師蝉(高澤良一)

(巻三十一)鳴くまでの手順を踏みて法師蝉(高澤良一) 12月31日金曜日 牛肉、刺し身、金柑を買いに駅下のBeansに出かけた。10時半くらいのマーケットはごった返していてレジへの誘導員が出ていた。肉屋ではすき焼き用の肉を300グラム強買ったが声を張…

「死ぬべき存在としての自分の可能性 - 小浜逸郎」癒しとしての死の哲学 から

「死ぬべき存在としての自分の可能性 - 小浜逸郎」癒しとしての死の哲学 からたしかに、人は、無限定の「いつか」を想像力で設定することができる。この宇宙を「いつか」俺が征服してやると企てることや、一万年後の再会を約束することなどは、ことばの上で…

(巻三十一)身の丈のカーテンを引く世紀末(摂津幸彦)

(巻三十一)身の丈のカーテンを引く世紀末(摂津幸彦) 12月30日木曜日 鶏肉もも、鶏肉むね、鶏肉雑煮用などを買いに生協へ参る。花屋さんの前には正月用の花が満開である。 戻るとおせちを作っている細君が味見をいたせというので先ずは田作りを頂く。普通…

句集

令和三年一年の計の結果のただ寒し小吏なるロバにも御用納めかなタンカシラ独り勝手にクリスマス金給わり銭を遣いて年詰まる点滴を逆流させて神の留守秋の暮時が許さぬ小商いだんだんと暗く成り行く敬老日台風や土手を信じて水の底自己嫌悪影もつくらず木下…