2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻十四)父は子に家持という名を付けた旅人という名の錘のように(星ひかり)

3月30日木曜日 衣食住を親掛かりで年間の小遣いが二、三百万円というバラサイト貴族なのだから、遊び心なのだろうが、息子がビット相場に手を出しているのが判り、細君と二人でお諌めした。先物・空売り・信用取引などと発展されたら大変なことになってし…

(巻十四)職人の長い一服紫木蓮

3月29日水曜日 昨晩は偲んで飲み過ぎた。いや、飲み過ぎはしなかったが遅くまで飲み屋にいたので帰宅が午前になり、睡眠時間が短く、寝不足である。 朝食はいつもの電気ビル裏のプロントでいただいたが、いつもハムチーズトーストをやめて、軽めにケーキ…

「美醜についてー福田恆存」筑摩文庫“私の幸福論”から

美醜も、男女の幸福について論じるとき、ひとびとがあまり触れたがらない ー 正確にいえば、よく知っているのに触れたがらない ー 根本的な問題のひとつです。身上相談などでよく見かけることですが、たとえば、男にだまされて棄てられたとか、夫が浮気をし…

(巻十四)このをとこ風に吹かれて尖りいる(富澤赤黄男)

3月28日火曜日 同僚のEさんが若くして突然亡くなられて一年がたってしまった。出勤途中に倒れ救急車で病院に運ばれたが助からなかった。 争いを好まない温厚な人柄で徳を以て部下の指導に当たられていた。 独り身であったが、バイク、ドラム、草野球と仲…

(巻十四)忘れ物逆にたどれば枯れ花(佐々紀代)

3月27日月曜日 煙草すう男に寒き春の昼(大井雅人) オフィスには当然のことながら喫煙所はない。それでもオフィスの入っているビルは外に灰皿を置いて中毒者の面倒をみている。 さすがにコートを羽織り傘を持って煙草を吸いにオフィスから出ていく訳にもい…

(巻十四)物として我を夕焼に染めにけり(永田耕衣)

3月26日日曜日 引っ越しの練習に息子と布団袋に布団を入れてみた。引っ越しは引っ越し屋を頼むが、それでも引っ越屋にお願いできるところまでは自分たち仕立てなくてはならない。これが出来るのもある年齢までで、体力や事務処理は年寄ればやはり無理にな…

(巻十四)八月のからだを深く折りにけり(武井清子)

3月25日土曜日 亀有さくら通りの桜は咲かんとする蕾が十分に膨らんでいる。今日も昼飯は“吉楽”のカツ丼にして、一本付けた。カツ丼をつまみに一合が癖になりそうである。 かつ丼の蓋の雫や春浅き(小川軽舟) 特に変わったこともなく、敢えて探せば“角川俳…

The rise and fall of European meritocracy (by Ivan Krastev) エリート社会の興亡

When you can't understand why people behave in a certain way, the easiest thing to do is to convince yourself that people do not know what they are doing. This is what European political, business and news media leaders have done in respon…

(巻十四)露の世の洗ひ続けて箸茶碗(橋本喜美枝)

3月24日金曜日 句帳を眺めていて有楽町駅を乗り過ごしてしまった。これも春が来たからかな。 “乗り過ごし”で俳句検索したら、多作の高澤氏の句に 忘年の駅乗り過ごす為体(高澤良一) “為体”の読みも意味も解らずネットのお世話になった。“ていたらく”と読…

Monkeys might talk if they had the brains for it - by Carl Zimmer (霊長類の発声器官)

Primates are unquestionably clever:Monkeys can learn how to use money, and chimpanzees have a knack for game theory. But no one has ever taught a nonhuman primate to say “hello.” Scientists have long been intrigued by the failure of prima…

(巻十四)朝貌や惚れた女も二三日(漱石)

3月23日木曜日 省庁のサイトをチェックしていたら、経産省から地図記号の見直し案が掲示されていた。 http://www.meti.go.jp/press/2016/03/20170322002/20170322002.html 国交省じゃないの?と思ったが地図記号がJISなので経産省が主管らしい。 あた…

(巻十四)変人が三人集つて日が永し(藤村青明)

3月22日水曜日 東京に開花宣言が出たというが朝はまだまだ寒い。 花のみを待つらん人に山里の雪間の草の春を見せばや(藤原家隆) そう云えば、小庭に随分と雑草が増えてきた。 ニューヨークタイムズの国際版を読むためにこれがいっしょに挟み込まれている…

(巻十四)西暦でいくさの話生身魂(長田久子)

3月21日火曜日 3ヶ月に一度の検査を受けに西千葉病院に行く。エックス線撮影のあと診察であるが、朝からの雨のせいか患者の出だしがゆっくりのようでエックス線は10分待ちで通過した。しかし、診察は予約時刻の11時半から遅れること3時間であり、結…

(巻十四)五十なほ待つ心あり髪洗ふ(大石悦子)

3月20日月曜日 三連休といっても勝手気儘にできる時間はない。そんな中お昼過ぎにお暇を頂き床屋に行き、序でに時間をかすめて昼の酒を一合頂いた。 自宅で簡単ではあるが午飯は食べてしまったので、定番の海鮮丼では重すぎる。揚げ物は食いたくたいし、…

(巻十四)餠間のピザの出前もよからずや(尾亀清四郎)

3月19日日曜日 3月13日朝日歌壇 生きているうちに近々会おうやと糖尿患うかつての上司(葛岡昭男) もう一度咲きたかったとつぶやきが聞こえたような桜の切り株(佐藤幹夫) 昨日電気屋で貰ったインスタントラーメンを美味しく頂いた。何しろ細君がこの手…

Your insides could use a healthy overhaul by Roni Caryn Rabin (腸内菌の活用)

If you're making resolutions for a healthier new year, consider a gut makeover. Refashioning the community of bacteria and other microbes living in your intestinal tract, collectively known as the gut microbiome, could be a good long-term …

(巻十四)男なら味噌煮と決めよ秋の鯖(吉田てい史)

3月18日土曜日 今日も移住先へ出掛けた。部屋の整理と郵便箱の片付けをしたあと、ニトリで家具と雑貨を買い、ノジマ電気で冷蔵庫、オーブン、LEDを調達した(販売員からレンジの説明を受ける細君)。箪笥は在庫がなく、4月下旬での配達となった。何もな…

2/2 Detroit challenges Silicon Valley in developing self-driving cars - by Neal. E. Boudette

The Canadian province of Ontario means to play its own big role in self-driving technology. Earlier this year, General Motors announced that it would create up to 1,000 engineering jobs, many focused on autonomous driving software developm…

(巻十四)紙魚ならば棲みても見たき一書あり(能村登四郎)

3月17日金曜日 染み付いてしまいたいほどの本はないが、今、コチコチと書写している『男の作法ー池波正太郎』の“巻末解説”を書いている常磐新平氏の“遠いアメリカ”をもう一度読みたくなった。ネットで調べたら、講談社文庫で出版されたが、今は絶版のよう…

1/2 Detroit challenges Silicon Valley in developing self-driving cars - by Neal. E. Boudette

In the race to develop self-driving cars, Michigan is aiming to give Silicon Valley a run for its money. Detroit, the Motor City, has been the center of the United States auto industry for more than a century. But as computer chips and sof…

(巻十四)芍薬や枕の下の金の減りゆく(石田波郷)

3月16日木曜日 三寒の風の残りし四温晴(山内山彦) という陽気で外に出てみようという心持ちになった。 先ずは新橋烏森の中華“天下一”で赤たっぷりの赤担々麺を戴いた。真っ赤に見えるが、写真の色ほど激辛ではない。量はどちらといえば軽めであるから、健…

(巻十四)音粗き迷子放送かき氷(大塚凱)

3月15日水曜日 雪にはならず済んだが冷たい雨が降った。春はまだまだか? 春遅々と先の詰まりし醤油差し(田中悦子) 醤油差しといえばキッコウマンの卓上醤油差しのデザインはコカ・コーラの瓶のデザインと同じくらい世界的に有名だそうだ。 我輩が立ち寄…

「余と万年筆ー夏目漱石」岩波文庫“漱石紀行文集”から

この間魯庵君に会った時、丸善の店で一日に万年筆が何本売れるだろうと尋ねたら、魯庵君は多い時は百本位出るそうだと答えた。夫では一本の万年筆がどの位長く使えるだろうと聞いたら、この間横浜のもので、ペンはまだ可なりだが、軸が減ったから軸丈易(じく…

(巻十四)地に還るまで風を染め冬紅葉(山田弘子)

3月14日火曜日 インターネットの接続と台所家具の配達待ち受けで息子と移住先に行った。 麦を踏む父子嘆きを異にせり(加藤しゅうとん) インターネットの会社も配達の会社も不在再配達を防ぐためにショートメールや電話での確認が入る。配達時間指定してお…

(巻十四)鯉幟影のじたばたしていたり(山田真砂年)

3月13日月曜日 どうでもいいことですが、関税局が関税法基本通達を改正して入国旅客向けの免税品を保税蔵置場に置けるようにしました。 http://www.customs.go.jp/kaisei/tsutatsu/H29tsutatsu/H29tsutatsu0329/index.htm これまでは、空港などの免税店で…

(巻十四)うしろ手を組んで桜を見る女(京極きよう)

3月12日日曜日 3月6日の朝日俳壇 受験子の抜け殻となるチャイム鳴る(岩田桂) 受験を詠んだ句、お見事と感服いたしました。 今日も亀有に輸送船でございまして、移転先そばの蕎麦屋“吉楽(きちらく)”に入り、板わさとカツ丼で一合の昼酒を堪能いたしまし…

(巻十四)海鳥の取り落す餌や大南風(依光陽子)

3月11日土曜日 移住先の亀有を歩いてみた。昼間なので開いてはいないが、むかしむかしを思い出すバーや韓国・比国系のスナックがまだある街のようだ。チェーン店ではなさそうな飲み屋もある。ここへ移住を決めてから夜を歩いていないが、夜はちょっと賑や…

2/2 Hussein, the C.I.A. and me (Book Review by James Risen)

Regarding Iraq's supposed weapons of mass destruction, the justification for the 2003 invasion, Hussein admits to Mr. Nixon that it was a mistake for him not to make clear before the war that he had long since gotten rid of them. “Saddam t…

(巻十四)鍋もっておでん屋までの月明り(渥美清ー風天)

3月10日金曜日 今日はお伴で六本木の東京ミッドタウンに行った。地下鉄から直結なので街を歩いたわけではなく、ただただ案内板に従いエスカレーターとエレベーターに乗って上下に移動しただけである。 うすものの下もうすもの六本木(小沢信男) さて、金曜…

1/2 Hussein, the C.I.A. and me (Book Review by James Risen)

Most C.I.A. memoirs are terrible - defensive, jingoistic and worst of all, tedious. Others are doomed by the C.I.A.'s heavy-handed and mandatory censorship. There are exceptions, and that list includes the refreshingly candid “Debriefing t…