2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「砂糖 - 永井荷風」作家と珈琲 から

「砂糖 - 永井荷風」作家と珈琲 から病めるが上にも年々更に新しき病を増すわたしの健康は、譬えて見れば雨の漏る古家か虫の喰った老樹の如きものであろう。雨の漏るたび壁は落ち柱は腐って行きながら古家は案外風にも吹き倒されずに立っているものである。…

(巻三十八)山は暮れ野は黄昏の薄かな(蕪村)

9月29日金曜日 (巻三十八)山は暮れ野は黄昏の薄かな(蕪村) 晴れ。昨晩は座椅子簡易ベッドで扇風機を竹夫人にして寝た。明け方竹夫人を止める。 竹夫人竹は固しと思ひつつ(後藤比奈夫) 足元で嫌よ嫌よと扇風機(拙句) 朝家事は特になし。 英聴は、 BBC Crow…

(巻三十八)草取の根に強弱のいのちあり(有松洋子)

9月28日木曜日 (巻三十八)草取の根に強弱のいのちあり(有松洋子) 曇り。朝家事はなし。生協に行き自分の朝食用品と細君外出時昼食用のパック赤飯、カップ麺を買う。賞味期限は来年2月。 英聴はシャッフルで、 BBC Crowd Science, Are some soaps better …

(巻三十八)新旧の引継ぎ済めり夜の桜(贄田俊之)

9月27日水曜日 (巻三十八)新旧の引継ぎ済めり夜の桜(贄田俊之) 曇り。細君は美容室へお出掛けになった。幸せなことである。 で、昼飯はパック赤飯とカップ味噌ラーメンをいただく。白髪も染めた(マニキュア)細君があんパンを土産に無事ご帰宅。 一息入れ…

「戦後マンガ史ノート・序章(抜書) - 石子順造」戦後マンガ史ノート から

「戦後マンガ史ノート・序章(抜書) - 石子順造」戦後マンガ史ノート から2 「漫画」と「劇画」ここまでかいてきたところでもすでにお気づきと思うが、ぼくは「漫画」と「マンガ」とをかき分け、また「劇画」と「マンガ」をも使い分けてきた。それには多少の理由が…

(巻三十八)腰太き女人先行く登山靴(大橋松枝)

9月26日火曜日 (巻三十八)腰太き女人先行く登山靴(大橋松枝) 晴れ。朝家事は掃き掃除と洗濯。布団も干した。 1GBまでFreeのデータ利用量が0.78にまでなっている。先月が0.62でその前は0.36だったから随分増えている。特段WIFI圏外で麻雀に熱中しているわ…

(巻三十八)言ふなれば犠打と敵失走馬燈(大久保志遼)

9月25日月曜日 (巻三十八)言ふなれば犠打と敵失走馬燈(大久保志遼) 曇り。朝家事なし。クリーニング屋さんに長袖、長ズボンで秋・春用のジャンパーを引取に行く。自宅ではTシャツに短パン。 昼飯喰って、一息入れて、瞑想は我慢した。 3時半から散歩。図…

「痩我慢 - 車谷長吉」エッセイ・評論集 つげ義春賛江 から

「痩我慢 - 車谷長吉」エッセイ・評論集 つげ義春賛江 から私方[かた]の嫁はんの仕事の都合で、朝日新聞を購読している。朝な朝な政治欄に、山田紳、針すなお、小島功氏の政治漫画を、また社会面に、いしいひさいち氏の四齣漫画「ののちゃん」を感心しなが…

(巻三十八)コンテナは積木のようにクリスマス(石島うさぎ)

9月24日日曜日 (巻三十八)コンテナは積木のようにクリスマス(石島うさぎ) 昨晩から寝床を横着していた座椅子からマット敷布団に戻した。朝方は涼しく布団にして正解だった。暑さ寒さも彼岸花までだ。 今朝は曇り。朝家事は洗濯、掃除機がけ。それから生協…

(巻三十八)炎天やこんなところで泣かずとも(吉田有輝子)

9月23日土曜日 (巻三十八)炎天やこんなところで泣かずとも(吉田有輝子) 小雨。朝家事はなし。細君は傘をさして生協へ出かけて行った。 昼飯に茹で玉子を、ということで茹でた。苛々していたわけでもないし、焦っていたわけでもないが、今日は殻が上手く剥…

「“一億総白痴化”命名始末記 - 大宅壮一」日本大衆文化論アンソロジー  から

「“一億総白痴化”命名始末記 - 大宅壮一」日本大衆文化論アンソロジー から刺激の“唯量主義”ある生徒が、その教師にあだ名をつける。たまたま、そのあだ名が、その教師の人柄を端的に衝いていれば、アッという間に全校に広がる。すると、後年、その教師の本…

(巻三十八)顧問とふ盲腸のごとき役職にぶら下がりゐる夏の綿雲(森純一)

9月22日金曜日 (巻三十八)顧問とふ盲腸のごとき役職にぶら下がりゐる夏の綿雲(森純一) 曇り。朝家事は掃除機がけと洗濯・外干し。 顧問という名前でありがたくも捨て扶持を頂いている。十二月一日から一年間の契約を3年ほど続けている。契約開始日の三ヶ…

(巻三十八)再発かと怯えし夜の虎落笛(もがりぶえ)(吉田悦子)

9月21日木曜日 (巻三十八)再発かと怯えし夜の虎落笛(もがりぶえ)(吉田悦子) 曇り。朝家事なし。洗濯物をベランダに出してはみたが引っ込めた。 昼飯喰って、一息入れて、少しぼ~っしてから雲行きの怪しいなかを歯医者に出かけた。予約時刻の10分前に到…

(巻三十八)醜男のごとき新馬鈴薯並びけり(亀井紀子)

9月20日水曜日 (巻三十八)醜男のごとき新馬鈴薯並びけり(亀井紀子) 曇り。朝家事は掃き掃除と洗濯。それから生協。午後3時から雨との予報なので缶酎ハイとつまみも確保しておいた。 「〈美容整形〉この神を怖れぬもの - 三島由紀夫」日本の名随筆40顔…

「〈美容整形〉この神を怖れぬもの - 三島由紀夫」日本の名随筆40顔から

「〈美容整形〉この神を怖れぬもの - 三島由紀夫」日本の名随筆40顔から怪奇映画の一系列に、「マッド・サイエンティスト(きちがひ科学者)もの」といふのがあるのを、ご存じの方は多からう。これのはじまりはおそらくあの有名な「ガリガリ博士」で、その後、…

(巻三十八)失せ物のひよいと出て来る蝶の昼(西本郁子)

9月19日火曜日 (巻三十八)失せ物のひよいと出て来る蝶の昼(西本郁子) 晴れ。朝は秋らしい。 寝床でラジオを聴いていた細君が「五年日記をつけている人からのメールが入って、五年前の朝は布団を出すくらい涼かったんだって!」と云う。 さて、私の五年前は…

(巻三十八)シェフよりもコックの似合ふ店も春(石原百合子)

9月18日月曜日 (巻三十八)シェフよりもコックの似合ふ店も春(石原百合子) 晴れ。暑さはつづく。朝家事は洗濯。 昼飯喰って、一息ついて、英聴いたす。 The Food Programme Feed your brain https://www.bbc.co.uk/programmes/m001p6yx 魚のオメガ3、DHA…

(巻三十八)海山に遠く暮らして花見酒(石原百合子)

9月17日日曜日 (巻三十八)海山に遠く暮らして花見酒(石原百合子) 曇り。多湿。朝家事なし。 俳壇を届けてくれた。 みの虫の着のみ着のまま風のまま(乙重潤子) 孤独死のうわさの屋敷こぼれ萩(谷村康志) 推敲の迷路の夜更け稲光(近藤二三子) を書き留めた。…

「少女マンガの大きな目 - 佐藤忠男」日本の名随筆40顔から

「少女マンガの大きな目 - 佐藤忠男」日本の名随筆40顔から 昭和四十年代以後、日本の大衆文化の一角に大きな位置を占めているものに少女マンガがある。主として少女向きの週刊誌に発表されるマンガで、作者も多くは女性である。日本には明治時代から十代…

(巻三十八)遠花火火星が一つ残されし(藤嶋務)

9月16日土曜日 (巻三十八)遠花火火星が一つ残されし(藤嶋務) 曇り。高湿度で不快。朝家事は掃除機がけ、洗濯。買い物のついでにクリーニング屋さんに寄り秋・春のジャンパーを出した。 昼飯喰って、一息入れて、今週のBBCから2本ダウンロードした。 1本…

(巻三十八)老人になつてしまひし裸かな(中村栄一)

9月15日金曜日 (巻三十八)老人になつてしまひし裸かな(中村栄一) 晴れ。朝家事は衣類の風通し。高温多湿の一ヶ月半だった故、それなりに黴が蔓延っていたがクリーニングに出すほどではなくホッとした。 秋風を通すズボンの股に黴(拙句) クライアントさん…

(巻三十八)性格を日傘に拡げ妻が行く(山岡冬岳)

9月14日木曜日 (巻三十八)性格を日傘に拡げ妻が行く(山岡冬岳) 晴れ。朝家事は洗濯。ウエルシアへ風呂用洗剤他を買いに行く。ついでに電池を買ったが、どういうわけが値上がりしていない。アイスモナカは98円で生協より20円も安い! 往復でトイちゃんに…

「男の顔 - 開高健」日本の名随筆40顔から

「男の顔 - 開高健」日本の名随筆40顔から武田泰淳氏のケースは夫人が巧みに防衛線を張って情報が洩れることを防いだために、訃報が、ある晴れた朝、まったく寝耳に水で、驚愕また驚愕だった。たしか本誌だったかと思うが、対談の企画があり、氏が承諾され…

(巻三十八)秋鯖や指舐めてみる酢のかげん(山口幸子)

9月13日水曜日 (巻三十八)秋鯖や指舐めてみる酢のかげん(山口幸子) 晴れ。かなり暑くなった。朝家事は掃き掃除と洗濯、買い物。 往復でトイちゃんにスナックをあげた。顔から耳へと傷だらけだが甘える鳴き声はトイちゃんが一番。 昼飯喰って、一息入れて…

(巻三十八)夏バテの我が身思へば酢豚など(高澤良一)

9月12日火曜日 (巻三十八)夏バテの我が身思へば酢豚など(高澤良一) “先日はご帰宅中のところ無理を申し上げてご来社頂き申し訳ございませんでした。 種々ご教示いただき大変助かりました。 別件に関して営業より相談を受けておりまして、 判断の拠り所な…

(巻三十八)酢の物の酢を飲み干せり鴎外忌(藤崎実)

9月11日月曜日 (巻三十八)酢の物の酢を飲み干せり鴎外忌(藤崎実) 晴れ。細君はコレステロールの検診に出かけて、さんまを買って帰宅。昨日「焼きさんま(五百円)」にしょうか迷ったが止めておいてよかった。 洗濯を致す。 昼飯喰って、一息入れて、ぐたぐた…

「理不尽な絶滅 - 吉川浩満」ちくま科学評論選から

「理不尽な絶滅 - 吉川浩満」ちくま科学評論選からラウプは、絶滅生物たちがどのようにして死に絶えるにいたったかを、古生物学上の化石記録や統計データを駆使して調べ上げた(彼はコンピュータを用いた統計解析やシミュレーションを古生物学に導入したパイ…

(巻三十八)秋風に万物の影動きけり(大関靖博)

9月10日日曜日 (巻三十八)秋風に万物の影動きけり(大関靖博) 晴れ。朝方久しぶりにタオルケットを手繰り寄せた。空には筋雲霞雲。と秋を期待したが9時を過ぎたらかなり蒸し暑くなった。毛布を干し、洗濯を致す。 細君が生協から戻ったのと入れ替わりでお…

(巻三十八)一匹になりて十年大金魚(大野迦葉)

9月9日土曜日 (巻三十八)一匹になりて十年大金魚(大野迦葉) 曇り。朝家事は特になし。 昼飯を喰って、一息入れて、BBCなど聴いてみたが集中力なし。 洗濯物を取り込んで4時半ころから散歩。図書館前でトモちゃんに遇い一袋あげた。撫でても平然としている…

「建造物侵入罪の既遂時期と身体の位置 - 東京大学教授和田俊憲」法学教室2023年8月号

「建造物侵入罪の既遂時期と身体の位置 - 東京大学教授和田俊憲」法学教室2023年8月号仙台高裁令和5年1月24日判決■論点建造物侵入罪の既遂は、行為者の身体の全体が建造物の内部に入るよりも前の時点で認められるか。〔参照条文〕刑130条【事件の概要】…