2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻三十)鴨濡れて恋人の傘細かりし(瀬間陽子)

(巻三十)鴨濡れて恋人の傘細かりし(瀬間陽子) 8月30日月曜日 今日は残りのカーテンを洗ってしまいましょう!と言いながら起こしにきた。 一つ釈明すれば、「起こしにきた」というよりも「私は食事もトイレも終って、寝直すから、アンタもう起きて来てもい…

(巻三十)此所小便無用花の山(其角)

(巻三十)此所小便無用花の山(其角) 8月29日日曜日 蝉に代わって虫の声になってきたと言いながら起こしにきた。 朝から色々と家事を思いついてくれるのでありがたい。体を動かして頭を止めて置くのがよろしいようだ。先ず一日前倒しで洗濯をし、4部屋のサ…

「簡単な死(抜書) - 秋山駿」日本の名随筆96運から

「簡単な死(抜書) - 秋山駿」日本の名随筆96運から 別にどうと言うこともなく、私は毎日確実に、一歩一歩死へ向って降りてゆく。 たいして特別の感想もなく、たいして意外の感覚もなく、たいして痛切の思いというものもない。ただ、確実に或る果てがやっ…

(巻三十)どうしても人が人焼く秋の風(斉藤玄)

(巻三十)どうしても人が人焼く秋の風(斉藤玄) 8月28日土曜日 区役所から熱中症アラートが届いた。暑い日になるならとカーテンの洗濯を致す。次いで買い物に出かけて、パン、ヨーグルト、納豆、酢、料理酒、などを買う。ジメジメとした暑さで千と百歩でび…

「横浜の舟待ち - 大佛次郎」日本の名随筆79港 から

「横浜の舟待ち - 大佛次郎」日本の名随筆79港 から 成島柳北[なるしまりゆうほく]と言うのは幕府の旗本で「柳橋新誌」の著者。幕府が瓦解してからは招かれても明治政府に仕えず無位無官で終始し、後に新聞界にはいり朝野新聞の社長となり雑誌「荷月新…

(巻三十)あたたかしその人柄もさりながら(下村梅子)

(巻三十)あたたかしその人柄もさりながら(下村梅子) 8月27日金曜日 昨日より2度下がるのよと言いながら起こしにきたが、どうも2度下がらなかったようだ。 10時過ぎに昨日出た石を持って泌尿器科へ行く。今日の写真で、また別の石が動き始めたと診断さ…

「虚偽の申告と自首の成否 - 十河太朗」法学教室2021年5月号

「虚偽の申告と自首の成否 - 十河太朗」法学教室2021年5月号 最高裁令和2年12月7日第一小法廷決定 【論点】 捜査機関に対する申告の内容に虚偽が含まれていた場合にも自首は成立するか。 【事件の概要】 被告人Xは、自宅でVをその嘱託を受けるこ…

(巻三十)卒業名簿筺底(きょうてい)にして小吏なり(野口喜代志)

(巻三十)卒業名簿筺底(きょうてい)にして小吏なり(野口喜代志) 8月26日木曜日 蓋あけし如く残暑の来たりけり(星野立子) ということで、当地は今年二度目の猛暑日になったが今年はまだ二度目か?という感もある。暑い日は乾きが早いのでカーテンの洗濯が慣…

(巻三十)餅二つ膨れ付きしを吉とせり(丸井巴水)

(巻三十)餅二つ膨れ付きしを吉とせり(丸井巴水) 8月25日水曜日 泌尿器科に参る。8時45分に着いたことと患者が少なかったことが重なり、9時15分には診察を終わり9時30分には薬局を終わり10時前に帰宅した。帰宅してすぐに二日分の洗濯を済ませ…

(巻三十)はるばると来て梅林に長居せず(柏村二三子)

(巻三十)はるばると来て梅林に長居せず(柏村二三子) 8月24日火曜日 図書館から頼んだうちの一冊「日本の名随筆別巻60買物」の用意ができたとメールを頂く。手元に読む物がないので一冊でも借りに出かけた。編者原田宗典氏の選考方針のためか、またはテ…

(巻三十)荷船にもなびく幟や小網河岸(永井荷風)

(巻三十)荷船にもなびく幟や小網河岸(永井荷風) 8月23日月曜日 処暑だそうだ。 9時ころ、郵便局に息子への特定記録郵便を出しに行こうとしていたら雷がゴロゴロと響いてきた。窓から見ているとすぐに風が木を揺すり始め、雨粒が道路に弾け、幾筋もの稲妻…

(巻三十)花を見る目配りにさへお人柄(高澤良一)

(巻三十)花を見る目配りにさへお人柄(高澤良一) 8月22日日曜日 蝉が元気だ。 蝉啼くや声の大きい方が勝ち と捻ったら、細君に判りやすいと褒められた。俳壇に出せと云うが、実名ではだめとのことだ。 今月に入ってから、 蝉啼くや声の大きい方が勝ち 秋立…

(巻三十)聴きなれしピアノの底の前世かな(田中信克)

(巻三十)聴きなれしピアノの底の前世かな(田中信克) 8月21日土曜日 今朝は蝉の鳴き声が聞こえて来ない。細君が「夏期ゼミ休講」と珍しく駄洒落を飛ばした。 空蝉のそばなる蝉のむくろかな(高梨圭一) しばらくしたら蝉の声が聞こえ始めた。 生協へ買い物に…

2/2「なんとかなる(仮題) - 勢古浩爾」宝島社刊『60歳からの新・幸福論』から抜書

2/2「なんとかなる(仮題) - 勢古浩爾」宝島社刊『60歳からの新・幸福論』から抜書 ないものはしょうがない 定年を迎える人の大半が抱える不安は、お金の問題だろう。もし少なければ、働くしかない。単純な話である。私は年金を60歳からもらっている。通…

(巻三十)世は不況わたしは不興秋扇(中嶋秀子)

(巻三十)世は不況わたしは不興秋扇(中嶋秀子) 8月20日金曜日 朝一のお叱りは「納豆の賞味期限が一昨日で切れてるわよ。買ってらっしゃい!」である。気づいてはいたが、一日二日は大丈夫と食べていた。4個パックは割安だが1個多くて賞味期限が短いので…

1/2「なんとかなる(仮題) - 勢古浩爾」宝島社刊『60歳からの新・幸福論』から抜書

1/2「なんとかなる(仮題) - 勢古浩爾」宝島社刊『60歳からの新・幸福論』から抜書 「なんとかしてきた」から定年後も「なんとかなる」 この本に限らないが、「~しなさい」系の定年本にプレッシャーを受け、私も何かしなければいけないのか、と焦るのはよ…

(巻三十)どん底の暮しのときの雑煮椀(河崎初夫)

(巻三十)どん底の暮しのときの雑煮椀(河崎初夫) 8月19日木曜日 6時に起こされて虹を見た。星が出た、月が出た、と声をかけてくれるのは嬉しい。 歎きいて虹濃き刻を逸したり(橋本多佳子) 細君は美容院へ出かけた。パーマはしないようでカットだけだ。主…

(巻三十)菊日和いふにいはれぬお人柄(角田律子)

(巻三十)菊日和いふにいはれぬお人柄(角田律子) 8月18日水曜日 夜半に大雨洪水注意報が、未明には強風注意報が出たそうだ。今、9時前だが曇り晴れで風が強い。洗濯物を外に出すのはやめた。 細君が生協へ出かけて、花屋さんでトルコ桔梗を買って帰った。…

(巻三十)ひたむきに歳暮つかいの急ぐなり(岡本松濱)

(巻三十)ひたむきに歳暮つかいの急ぐなり(岡本松濱) 8月17日火曜日 3日前に洗濯したティシャツやパンツがまだ部屋干しのままだが、溜まるので次の洗濯をした。いつ降りだすか分からぬがベランダに出し、昼前に取り込んだ。 雨が落ちてこないうちに細君の…

(巻三十)着ぶくれて敢へて世間に物言はず(菖蒲あや)

(巻三十)着ぶくれて敢へて世間に物言はず(菖蒲あや) 8月16日月曜日 夏掛けの布団を抱いて目覚めた。 細君は眼科に出かけて行ったが、30分ほどして保険証を忘れたと電話をしてきた。早速お届けしたが、事故や怪我でなくてよかった、よかった。 昼は一人…

(巻三十)芒の穂双眼鏡の視野塞ぐ(右城暮石)

(巻三十)芒の穂双眼鏡の視野塞ぐ(右城暮石) 8月15日日曜日 雨音のする涼しい朝である。今日は9月中旬くらいの気温らしい。濃い灰色のティシャツにしてみた。 涼しさは葉を打ちそめし雨の音(矢島渚男) 『60歳からの新・幸福論(宝島社)』を読んでいる。…

(巻三十)阿呆面して十六夜の月眺め(栗田麻紗人)

(巻三十)阿呆面して十六夜の月眺め(栗田麻紗人) 8月14日土曜日 深夜、激しい雨音を眠りのなかで聞いた。朝、ネットを見ると「3時33分、葛飾区に洪水注意報」と出ていた。今、8時半、雨は小降りである。注意報は解除された。 葛飾や残る水田の残り鮒(…

「私鉄沿線に現れた住宅(憧れのライフスタイルの出現) - 原武史」新潮文庫「鉄学」概論 から

「私鉄沿線に現れた住宅(憧れのライフスタイルの出現) - 原武史」新潮文庫「鉄学」概論 から 戦後、首都圏や大阪圏の鉄道沿線の住宅事情に転機をもたらしたのは、「団地」の出現である。 その建設を担ったのは、都府県や都府県の住宅供給公社のほか、一九五…

(巻三十)煮詰まつてゆくは夫婦の愛・憎・無視(筑紫磐井)

(巻三十)煮詰まつてゆくは夫婦の愛・憎・無視(筑紫磐井) 8月13日金曜日 扇風機を回さずに寝られた。よく寝られたかというとそうでもない。昼寝をしていることもあり、睡眠が十分すぎてところどころで目覚めてしまう。 当地は雨もパラパラ程度で午前中に軽…

「「日記」偏痴気の説 - 中野好夫」日本の名随筆別巻28日記 から

「「日記」偏痴気の説 - 中野好夫」日本の名随筆別巻28日記 から 「日記」を、という出題である。 だが、あいにくわたしには、七十年来「日記」というものを書いた経験が、まったくない。小学生のころ、夏休みの宿題で、むりに数日間でっち上げたような記…

(巻三十)冬の夜五彩の黒を着る男(九里順子)

(巻三十)冬の夜五彩の黒を着る男(九里順子) 8月12日木曜日 図書館から予約図書到着のメールが届いたが、借りている本が読み終わっていない。先週借りた本の中の『日本の名随筆26肴』、『日本の名随筆別巻24引越』、『現代日本のエッセイ「散歩者-永…

(巻三十)相場師がじつと見ている蟻地獄(木俣正幸)

(巻三十)相場師がじつと見ている蟻地獄(木俣正幸) 8月11日水曜日 4時41分、 一番蝉の啼く音に目覚める。絶叫のように聞こえる。 朝の洗濯のあと、生協に行く。9時半開店の店に9時45分ころ入ったが、パンも弁当も乾物も菓子も野菜も肉も何もかも商…

(巻三十)測るたびちがふ血圧小鳥来る(都丸美陽子)

(巻三十)測るたびちがふ血圧小鳥来る(都丸美陽子) 8月10日火曜日 今朝は119-76でございました。近くにある甲子園が遠い野球部が練習を始めたようで声が風に乗ってやって来る。 朱夏の陽の影の重たき投手かな(林桂) 台風で買い物ができなかったので…

(巻三十)やはらかき雨も三日や鉦叩(青谷小枝)

(巻三十)やはらかき雨も三日や鉦叩(青谷小枝) 8月9日月曜日 雨風の様子を見ながら昼前にゴミ出しに行く。戻って、たたきから上がろうすると廊下を黒い粒が走った。風に吹き流された蜘蛛の子を連れ帰ったようだ。急ぎ、ティッシュを軽く丸めて蜘蛛の子を追…

(巻三十)その道の人か利休の墓洗ふ(森田峠)

(巻三十)その道の人か利休の墓洗ふ(森田峠) 8月8日日曜日 朝からラジオがうるさいが、彼奴はマラソンが好きだからしかたないか。華奢なタイプだからバレーボールのサーブはネットに届かなったそうである。そんな彼奴だが、長距離は苦にならなかったそうで…