2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻十)世事はみな人にまかせて花と鳥(井上井月)

4月29日金曜日 今日はみどりの日から昭和の日に名称が変わった“天皇誕生日”ですが、 天皇(オオキミ)の白髪にこそ夏の月(宇多喜代子) この日を詠んだ句は多いようです。最近書き留めた一句、 ふらここや昭和駆けしは五里霧中(小池溢) も昭和を生きた方々の…

(巻十)段取りが八分と言ひて渋団扇(能村研三)

4月28日木曜日 細君が眼医者に行きましたが相当な混みかただったようです。夕食の支度が叶わないとメールしてきました。 眼医者の混雑は“風が吹けば桶屋が儲かる”より因果関係がはっきりしているようです。 水桶の水に浮かべて春の月(ベール ウェストベリ…

(巻十)濁れる水の流れつつ澄む(山頭火)

4月27日水曜日 有楽町駅頭で“産経ビル”のビアガーデン開業の号外広告が配られておりました。燕の来訪と同様に初夏の知らせでもありますね。 山開き登る予定はないけれど(中島信也) ビールは痛風によろしくありませんので最近はご無沙汰ですが、少しは美味…

(巻十)生涯にどれほどの距離かたつむり(増成栗人)

4月26日火曜日 浜松町駅の小便小僧が鯉のぼりを担ぎました。写真を撮りたくなるのは私に限ったことではないようです。 マスクをされていますし、ピンぼけの遠景ですからプライバシーの点では問題ないと判断いたしました。 鯉幟影のじたばたしていたり(山…

(巻十)肩並べギョーザのヒダを作りつつさりげなく訊くききにくいこと(杉山はるみ)

4月25日月曜日 25日ということで夕方の銀行ATMには列ができておりました。初月給という方々もいることでしょう。 寄鍋や豊かにくらす月はじめ(黒坂紫陽子)

(巻十)定刻にバス来てたたむ白日傘(栗城静子)

4月24日日曜日 町内会の総会があり、行き掛かり上出席することになりました。一部反主流派と会長・役員との間で細かな金の使い方について悶着がありましたが、概ね“しゃんしゃん”で終わりました。 町内会という組織と市という行政は結構絡みあっているし…

(巻十)表裏見られ花烏賊捌かるる(じはい進太)

4月23日土曜日 朝からバタバタして掲載が遅れました。 朝日歌壇、俳壇から 歌壇: 詮ないとなにも云わずに別れたがいずこに老いて此の月を見る(瀬恒 正) 俳壇: 草の餠心少うし弱き時(橘玲子) 江戸のこと少し問ひたき桜かな(小川弘) 清貧と云ふには遠し目…

(巻十)初恋や燈籠によする顔と顔(炭太祇)

4月22日金曜日 今朝、駅までの道すがら鶯の発声練習を聞きました。まだまだ未熟な囀りでしたが、やはり鶯はよろしい。 うぐいすのケキョに力をつかふなり(辻桃子) 成田空港の南部貨物地区バス停から航空博物館バス停まで、バスが一時間に一本なので、20…

(巻十)仏壇に置かれた友のガラケーがバイブで知らすメール着信(小島敦)

4月21日木曜日 明日は成田方面に出動ということになりました。従いまして明日は神田駅西口の“コーラク”に立ち寄れません。そこで今晩寄ることにいたしました。 ちょうど野良猫のお食事時間でして、ミャーミャー、ミューミューと猫なで声で餌を要求してい…

(巻十)電線の密にこの空年の暮(田中裕明)

4月20日水曜日 午後社用車に同乗し外出し、レインボーブリッジを渡りお台場までまいりました。橋の上から見渡せば豊洲の中央卸売り市場の建設現場には巨大な屋根ができており、その外観がはっきりとしてきました。 45年くらいの昔、新入職員として芝浦…

(巻十)寒月やさて行く末の丁と半(小沢昭一)

4月19日火曜日 柏駅南口でも、震災支援の募金活動が行われておりました。 アマチュアの募金活動ですので清々しく、「お疲れ様。」と一声かけて些少の気持ちを募金箱に入れました。 食べること、寝ること、そして出すこと。心地好く出すことができる環境も…

(巻十)冷奴つまらぬ賭に勝ちにけり(中村伸郎)

4月18日月曜日 お役所の業界説明会に行ってまいりました。流れるような説明は手馴れたものと感服いたしました。 業界側からの質問は、的を射たものと、外れたもの、それに加えて“問うに落ちる!”という質問まで飛び出しておりました。 わらじ売る店に新酒…

(巻十)冬隣裸の柿のをかしさよ(坪内しょうよう)

4月17日日曜日 強風の一日を家に籠っておりました。 細君は物持ちのいい方ですが、反面どうでもいいような書類を捨てずに溜め込んでおく習性もあります。終活の手始めに書類廃棄を始めたら、なんと結婚以来の給与明細が残されていました。この歴史的文書…

(巻十)菜の花や渡しに近き草野球(三好達治)

4月16日土曜日 先週クリーニングに出した冬物を引き取りに行く途中、轢かれてペチャンコになってしまった蜥蜴(写真)を見ました。 逃げ足を止めて我を見る蜥蜴かな(渡辺萩風) 即死でしょう。 即死ゆえ苦痛なかりし人と言ふ死にしことなき者はかく言ふ(高野…

(巻十)靴裏に都会は固し啄木忌(秋元不死男)

4月15日金曜日 葉桜になると銀杏若葉が顔を出す順番のようです。有楽町駅前でその形になっている若葉(写真)を撮りました。 銀杏若葉はや銀杏形してをりぬ(小林清之助) 一週間が終わりましたが、先週の乱行の疲れが出たようで体力も気分も低調でございまし…

(巻十)うららかや文具売場の試し書(大杉文夫)

4月14日木曜日 黒田清輝の美術展の広告看板が各駅に掲出されていましたが、今朝その右下に小さく載せられているミレーの作品(写真)に気付きました。 汽車道の広告札や蕎麦の花(寺田寅彦) 羊飼いの少女が一日の終わりに感謝の祈りをしていると解釈し、感動…

(巻十)老衰で死ぬ刺青の牡丹かな(佐藤鬼房)

4月13日水曜日 有楽町駅の大黒様に朝のお詣りをし、小槌とお腹を撫でておりましたら、そばに立っていた30歳くらいの“まあまあの”女性が関心を持ったようです。 「触るといいことあるんですか?」と訊いてきました。 「毎朝小槌でお金、お腹で健康をお願…

(巻十)草臥て土にとまるや秋の蝶(大島りゅうた)

4月12日火曜日 3月末に亡くなった同僚は事業所の責任者としてお役所に届け出がされておりました。彼の後任者も決まりましたので、親分とともに責任者変更を届け出て参りました。 「こんなことになるとはなあ~」と親分も辛そうでございました。 子が問へ…

(巻十)妻有らず盗むに似たる椿餠(石田波郷)

4月11日月曜日 新入社員が隣の課に配属になりました。何ヵ月も研修する余力も教材もないのでするから、現場で実地訓練となるわけです。 イシダさんとイシザワさんを取り違えて電話を取り次いだりしていましたが、新鮮さと礼儀正しさを備えた青年でござい…

(巻十)緑とて色とりどりの狭庭かな(桑原たかよし)

4月10日日曜日 朝日俳壇から先週の一句と今週の一句を書き留めました。 この先は隠岐あるのみぞ鳥帰る(中村襄介ー米子市) 行き先は行き着くところ春の雲(小山内豊彦) “もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら”を一応読…

(巻十)成り行きに任す暮らしの返り花(鯨井孝一)

4月9日土曜日 4月7日のブログ記事(4月6日の日記)に“りんくうタウン”を“臨空タウン”と正しくない表記をいたしました。「まっちゃんさん」と云う方からご指摘のコメントを同日8時20分にいただいておりましたが、見落としておりました。 コメントへの…

(巻十)文を書く窓に来て去る梅雨の蝶(岡田守生)

4月8日金曜日 本日からタイツと長袖下着をやめました。もう大丈夫でしょう。 新しいパナソニックのICレコーダーはオリンパスの前機種より電池の消耗が早いように思えます。 蓋開けて電池直列春寒し(奥坂まや) 良い面もあります。インデックスが36打て…

(巻十)打首の姿に髪を洗ひけり(柴田佐和子)

4月7日木曜日 心地よく5時半に目覚めました。かなり強い雨でしたが、与謝野晶子の生家跡と歌碑を探しに街に出ました。 駅前でタクシーに乗り運転手さんに往復をお願いしました。親切な運転手さんで、「写真撮るあいだ、傘持ちましょか?」などと色々とお…

(巻十)本流となりて急がぬ春の川(河村正浩)

4月6日水曜日 枕が変わり熟睡とまでは行かない目覚めでございました。 朝食は洋食を選択し、オムレツ、ソーセージに味噌汁とロールパンを二個いただきました。全館禁煙で外にも灰皿はなく、やむを得ず禁煙の朝でございました。 堺から南海電車で臨空タウン…

(巻十)グロウブを頭に乗せて蝉時雨(今井聖)

4月5日火曜日 親分と共に品川発1357時の“のぞみ”に乗車しました。この時間ならそれほど混んではいなかろうと思っておりましたが、ほぼ満席でございました。 となりのA席の爺のチキン弁当の匂いを受けながら、“もし高校野球の女子マネージャーがドラッ…

(巻十)わがひと世かくの如きと諾(うべな)へど未だ香の残る白秋のとき(大橋敏子)

4月4日月曜日 明日から親分のお供で二泊三日の大阪関西国際空港近辺に出張となりました。 中の1日が主たる出張業務でございまして、明日は午後の適宜の時間に出発する予定です。帰りも、午後には戻ってこちらでお仕事でしょう。 しかし、二泊となると着た…

(巻十)耳なれぬ小鳥来ている目覚めかな(早崎泰江)

4月3日日曜日 朝日俳壇: 向かうから見ればこちらも春霞(あらいひとし) 御常連、あらい氏の一句を書き留めました。 このあたりの桜にはまだずいぶん蕾が残っているので、花吹雪は来週の週末になるのか?

(巻十)嘘ばかりつく男らとビール飲む(岡本眸)

4月2日土曜日 オリンパスのICレコーダー(Vー802)が一杯になってきたので後継機を探していました。 オリンパスが同型機でワイドエフエム対応型を出してくれるのを待っていましたが、痺れを切らせてパナソニックのRRーXS460を買ってしまった。 …

(巻十)からし酢にふるは泪かさくら鯛(西山宗因)

4月1日金曜日 同僚の告別式は無宗教音楽葬で執り行われました。従いまして、読経・礼拝はございません。 故人が好きであった、 YMOのライディーンで式が始まり、 ビーズの今夜星の見える丘に、を葬送曲として、 挙行されました。 キーボードで音楽が演…

(巻十)明日流す雛と一夜を共にせむ(山崎十生)

3月31日木曜日 同僚の通夜が執り行われました。香典の整理の役を仰せつかり、これも供養と思い務めさせていただきました。 お人柄でしょう、多数の方々が参列され、故人を偲んでおりました。 戒名を故人は知らず草の花(中村栄一)