2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

本日の句歌

句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 鮮やかな鴛(おしどり)三羽軽く浮き一羽の地味な雌に寄り添ふ(後藤進) 今週号のエコノミスト誌は日本関係の記事で巣鴨を以下のように紹介していました。 In Sugamo, a district of Tokyo, the river of human traffic turns…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 肩一つ打ち秋風に語られる(古田紀一) NHK文化講演会、カンサンジュン先生の漱石とカフカの変身などを踏まえての、 日本人の中の、不安と安心、不信と信頼、についての話でした。 百年前の心理や情緒と現在のそれらとの…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 豆を煮る妻よ厨の灯を消してこの月夜見のひかり浴ぶべし(由田欣一) 親戚筋の墓参りに細君と一緒に西浅草にあるお寺に出掛けた。 実は墓はない。 遺骨は、その寺が運営する四階建ての最新式納骨霊堂に収められている。 一階…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 人波が街を動かす師走かな(後藤菊子) 隣のお宅が雀のお宿になっているので、朝は雀に起こされる。 公園の雀さんたちとはちがい、警戒心が強いようです。 ブロックに置いたパン屑はなくなっているので、多分雀さんたちが召…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 木枯らしにブランコすこし揺れて鳴り気分はつまりゴンドラの唄(相原法則) 日比谷スカラ座ではゴッドファアザーが上演される。 ワイフと一緒に見たが、マイキィとかフランキィと言うアメリカの呼称に笑い転げていたことを思…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 東風吹くや耳現はるゝうなる髪(杉田久女) 午後から、前回雨で楽しめなかった、代々木公園のバードサンクチュアリーに再挑戦に参りました。 バードサンクチュアリーにいたのは、カラスばかりで、雀さえいないという有り様で…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 なに気なく手にするものに蜜柑かな(山本幸子) 火曜日の夜の、NHKカルチャーラジオは「歴史再発見ー医学の歴史物語」の最終回でした。 最終回らしく、尊厳死と緩和医療で纏められました。 延命だけが医療じゃない、と意…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 幹に枝喰ひ入るごとく抱きあひそれより先をせずして別る(佐竹游) 月曜日、火曜日と お金を遣わないようにしてみた。 お金は減らない。 小銭を遣ってみても、心が楽しんでいない。 それが問題だ。 秋風に小銭の溜まる峠神(…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 胸さびしゆえにあかるき十三夜(石原八束) 昨日、NHK俳句7月号を手に入れた。 巻頭名句には、季節柄冷奴の句が入っていた。 冷奴隣に灯先んじて(石田波郷) 筆者の好みのせいで、冷奴の句は句帳にいくつかある。 冷奴つ…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 春愁や少し長めの猫の顔(北村保) この辺りが犬と猫のちがいかな? 起こりっぽい犬は結構いるが、鬱犬というのはいるのだろうか? 徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう(井上弘美) 飼い主に一度棄てられた犬は、立ち直れないと聞…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 胸に棲む人と酌む酒十三夜(山田弘子) 俳壇歌壇: 緑とて色とりどりの狭庭かな(桑原たかよし) 仏壇に置かれた友のガラケーが バイブで知らすメール着信(小島敦) ふと、死に、というか、消えてしまうことにあこがれることが…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 涅槃会や皺手合する数珠の音(芭蕉) 手を合わせ、何を願うかと言えば、 日がな碁をうちて晩酌ほろ酔いで風呂に入りて父逝きにけり(石川義倫) であろうか? 来週の都内散策は巣鴨のとげぬき地蔵にしょう。 一昨晩、新柏駅前…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 人間に寝る楽しみの夜長かな(青木月斗) 会社の入っている25階建ビルの4階辺りの壁面に溝がある。 そこに雀が巣を作っている。 雀たちの囀りがこだまして耳を楽しませてくれる。 目こぼしの雀のお宿ビルの谷(潤) ビルの…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 風の道元荒川に凛と佇つ鷺あり鴨は流れのままに(青木伸司) 昨晩のNHKカルチャーラジオは「落語」で、いよいよ廓話に入った。 講師の京須先生も緊張気味で、言葉を選びながら、遠回しに、しかしながら、何をすることが最…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 黄落の果てて一樹に戻りけり(三宅久美子) 今週は降水確率が高いですねぇ。 一識るに十聞いている走り梅雨(渡辺俊子) 今日を逃してしまったので、今週は机にへばりついているしかなさそうです。 遠雷に帰りを急ぐわけもなし…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 霞立つ春の長日を恋ひ暮らし夜も更けゆくに妹も逢はぬかも(柿本人麻呂) 今日も、やり手ビジネスウーマンとその上役のコンビが隣に座りました。ぐちぐちとうるさい会話がちょっと耳障りでした。 能面の深井の口は半びらき何…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 酢を振れば飯のかがやく春祭(菅原?也) 日本は、ギリシャよりも下の最下位になっている。 今週のエコノミストのコラム、次の経済危機への対応力。 みんなわかっているのに。 目隠しの中も眼つむる西瓜割り(中原道夫) 雀の…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 右翼より左翼へ夕日を乗せ替えて吾がJAL伊丹に近づくらしも(村山美恵子) 細君が少しずつ縫っていた、ノーカラージャケットが完成した。 生地と型紙を買い、アドバイスをいただいた、柏のステーションモールの趣味の手芸…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 鳶見えて冬あたたかやガラス窓(子規) 女子サッカー、カメルーンに勝ち、一次リーグ突破! おめでとうございます。鮫島さん、ご健在のご様子、お喜び申し上げます。 “オフサイド”を教えてもらう多分また忘れて多分また君に…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 稜線に日の入る位置が移るなり春の近づく目盛のごとく(丹羽利一) 昨晩のNHKカルチャーラジオ、俳句講座では“枯野”と“冬野”のちがいなど教えていただきました。 虫程の汽車行く広き枯野かな(森鴎外) 手も出さず物荷ひ行…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 濁りなき白に力や雲の峰(今橋真理子) 小鳥さんたちの餌を持ち歩くことにした。 プロントのハムチーズトーストの耳を、このために調達した、携帯吸殻入れに納めた。 東風吹くや耳現はるゝうなる髪(杉田久女) 昼休みに、ビル…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 真鯉来て緋鯉の影となりにけり(高橋将夫) 今日は午後からサボることにした。 紫陽花の午後はさしたる用もなし(山口康子) 今のうちに都内の名所を見ておこうと、今日は駒込の六義園を訪れることにした。 六義園の最寄り駅は…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 長き夜のところどころを眠りけり(今井杏太郎) 朝の上野駅で利用者の構内導線調査をしていました。 東京上野ラインが開通し、一階ホームへの到着列車が激減した。 全体として利用者は減っているが、高崎線、宇都宮線が到着…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 いさぎよく一葉残さず落葉して朴の冬芽は天を向きたり(荻原葉月) そうそう、 昨日の散歩デートで細君から、バス通りからお屋敷坂への曲がり角に咲いていた立葵を教えてもらった。 貧乏に匂ひありけり立葵(小澤實) という句…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 人体は心で変わる落葉かな(宗本智之) 日曜日の朝の買い物散歩デートは、バス通りのせんりょうの花見物から始まり、坂下通りの柿の木に結んだ小さな柿を愛で、公園通りの紫陽花と時計草を見て、新柏駅高架下の燕の巣で、行…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 君はいま駒形あたりほととぎす(二代目高尾) 勉強しなくなった分、家事がそれほど嫌ではなくなった。 雀、燕、椋鳥、鵯、を観察し、鶯の鳴き声を聞いた。 釣は鮒に始まり鮒に終わるというそうな。 そして、鳥見は雀に始まり…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 ひく波の跡美しや桜貝(松本たかし) 今朝は、二重橋前で降りて日比谷のプロントまで丸の内仲通りを歩いてみた。 青葉繁れる並木道を歩くのは気持ちがいい。 両側はブランド店が多く、まあこんなにも贅沢品の店があるのかと…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 容赦なく子は育ちけり竹の春(嶋田恵一) 昨晩、床についてから一句ひねった。 走り梅雨烏と軒を分けにけり(潤) 原宿駅前の喫煙所で一服した。地中海系の中年夫婦もそこで一服していた。 そこへアングロ系の、キャスター付き…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 収穫を終えし木々なりアーモンド人なら涼しき表情の朝(ソーラー泰子) 毎日が日曜日になる前に、まとめてお休みをいただいてもしかたないので、週なかにズル休みすることにした。 葉桜や人に知られぬ昼遊び(永井荷風) 雨で…

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句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 落葉舞ふ流派それぞれ面白し(柳ケ瀬正昭) 「迷君に候」、 結局のところ、丸谷才一氏の言う楽しい小説は、筒井康隆の「ジャズ大名」だけでした。 他は、史実を下敷きにした、人間不信の好色お殿様のご乱行の話で、楽しくは…