2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「誰がために金はある - 邱永漢」中公文庫 金銭読本

「誰がために金はある - 邱永漢」中公文庫 金銭読本金の持っているいろいろな側面を書きながら、いつも頭に浮かぶことは、「いったい金は何のためにあるのだろうか」ということであった。こんな素朴な疑問を抱くなんてどうかしていると笑われるかも知れない…

(巻二十五)献立の手抜問はれし花疲れ(岡田順子)

(巻二十五)献立の手抜問はれし花疲れ(岡田順子) 5月30日土曜日 家事 掃除と毛布干し。 散歩と買い物 午後の散歩を午前に変えた。途中のコンビニ珈琲をアイスに変えた。 図書館の前を通り掲示物を見たが再開についての貼り紙はなかった。6月2日から開く…

「妖怪さま - 水木しげる」文春文庫 巻頭随筆4

「妖怪さま - 水木しげる」文春文庫 巻頭随筆4妖怪というものは、いかがわしく、とらえどころのないものである。逃げやすく、つかみにくい、そんなものもともといないのではないか、という人もあるが、いないとも言いきれない。なにかいるのだ、古代の人が…

(巻二十五)大音に落ちたる梨の怪我もなし(平畑静塔)

(巻二十五)大音に落ちたる梨の怪我もなし(平畑静塔) 5月29日金曜日 義妹からお昼時に空を見ろと電話が入った。こちらは先のことを心配して鬱々としているのにあの一家には何千ピースのジグソウパズルで遊び空を仰ぐ余裕がある。実に羨ましい。 「あの家に…

「浅草のコトバと劇場のコトバ - 井上ひさし」中公文庫 パロディ志願 から

「浅草のコトバと劇場のコトバ - 井上ひさし」中公文庫 パロディ志願 から常に、そして際限もなく、新しさを競い合っているように思われる「新劇」の向うを張って、既に見捨てられた古いものをなにもかもよしとすり心算はすこしもないが、私にとってこの世…

(巻二十五)回るほど色を失ふ風車(谷口一好)

(巻二十五)回るほど色を失ふ風車(谷口一好) 5月28日木曜日 今日は結婚記念日である。ではあるが特に何もしない。 夕食は珍しくも牛肉(小間切れ)で肉じゃがであったが、だからと言うことではない。 「天気は良かったわね。」と言うので覚えてはいるらしい…

「『赤い館の秘密』の秘密 - 赤川次郎」文春文庫 青春の一冊 から

「『赤い館の秘密』の秘密 - 赤川次郎」文春文庫 青春の一冊 から昨今のオペラブームは大変なもので、ここ何年か、毎年のように、欧米からのオペラハウスの引越し公演があり、 - それも二つも三つも - そろそろ飽和状態になろうか、というところである。…

(巻二十五)遺言のように砂吐く浅蜊かな(佐藤洋子)

(巻二十五)遺言のように砂吐く浅蜊かな(佐藤洋子) 5月27日水曜日 気がつかないうちに銀杏の若葉は大きくなってしまった。 月に一度の検診に駅前クリニックへ行った。腎・泌尿器系の専門クリニックだから普段も込み合うということはないが今朝は私だけだっ…

「時間の消耗としての消費 - 山崎正和」中公文庫 柔らかい個人主義の誕生 から

「時間の消耗としての消費 - 山崎正和」中公文庫 柔らかい個人主義の誕生 からこれまでの観察をひと言でまとめれば、要するに、人間の消費行動はおよそ効率主義の対極にある行動であり、目的の実現よりは実現の過程に関心を持つ行動だ、といふことが明らか…

(巻二十五)小遣を少し残して二月果つ(吉倉紳一)

(巻二十五)小遣を少し残して二月果つ(吉倉紳一) 5月26日火曜日 細君は二ヶ月ぶりに美容院に出かけた。伸びた髪だけでなく頭頂からスカルキャップのように円形に広がる白髪にも困っていたようだ。 昼過ぎにスッキリとカットし白髪染めして帰宅した。マスク…

2/2「第2章鶴見線 - 宮脇俊三」河出文庫 時刻表2万キロ から

2/2「第2章鶴見線 - 宮脇俊三」河出文庫 時刻表2万キロ から鶴見から来た海芝浦行は発車するとすぐ運河に沿い、大きな荷船の行き交うのが見られる。つぎの新芝浦は駅の出口と工場の入口が向かい合っているだけで、ほかにはなにもない。電車はこの工場の中…

(巻二十五)死ぬことを約して生まれ花あかり(鎌田俊)

(巻二十五)死ぬことを約して生まれ花あかり(鎌田俊) 5月25日月曜日 細君は朝一で生協に出かけた。必要な品物は買えたが、バターに品薄感があったとのこと。 防災用簡易トイレの消臭剤を探したらしいがよいのがないらしい。ゴミ箱の消臭剤程度のもので臭い…

1/2「第2章鶴見線 - 宮脇俊三」河出文庫 時刻表2万キロ から

いつでも行けると思うと、いつまでも行かない。東京の人は、いつまでたっても泉岳寺を訪れないし、東京タワーにも昇らない。こういうところは修学旅行で来た生徒のほうが知っている。私はたまたま東京タワーには昇ったことがあり、船や都心を見下ろしながら…

(巻二十五)枝先へ追ひつめてゆく鳥の恋(津川絵理子)

(巻二十五)枝先へ追ひつめてゆく鳥の恋(津川絵理子) 5月24日日曜日 掃除 四部屋(2DK)の掃除をした。ホコリ払い、掃除機、拭き掃除で一時間掛けた。今はできる。 断捨離とか終活をしても、どうしても迷惑はかけることになろう。お金を残しておいてお金で…

(巻二十五)焼きそばのソースが濃くて花火なう(越智友亮)

(巻二十五)焼きそばのソースが濃くて花火なう(越智友亮) 5月23日土曜日 散歩 とにかく歩いておこうと外に出て、団地の周りを一回りしてみた。一周1700歩だった。もう一周とも思ったが歩いて楽しいコースではないので曳舟川遊歩道を図書館まで歩き、そ…

「花月西行(其の三) - 上田三四二」新潮文庫 この世この生 から

「花月西行(其の三) - 上田三四二」新潮文庫 この世この生 から ここで一見、迂路[うろ]をたどるようではあるけれども、西行の死生観をより明らかにしようとして、連想の本居宣長[もとおりのりなが]の上におよぶのをとどめることが出来ない。西行と同じ…

「省略 - 筒井康隆」講談社文庫 創作の極意と掟 から

「省略 - 筒井康隆」講談社文庫 創作の極意と掟 から小説は、詩歌などと同じく省略の文学形式である。時間の省略形式としては映画、漫画などと同じだろう。では、そこに約束事と技法が存在するかと言えば、そんなものは何もないのだ。しかしこの省略が単な…

(巻二十五)暑けれど佳き世ならねど生きようぞ(藤田湘子)

(巻二十五)暑けれど佳き世ならねど生きようぞ(藤田湘子) 5月22日金曜日 散歩と買い物 いつ降りだすか分からない空模様につき、散歩はやめて、生協で米二キロと駄菓子を買って急ぎ帰宅した。 本日は千百歩だけ。 区からの広報にマスクの斡旋が載っていた。…

「地獄の数 - 宮本輝」文春文庫 巻頭随筆3 から

「地獄の数 - 宮本輝」文春文庫 巻頭随筆3 からプーシキンの小説に「スペードの女王」というのがある。賭博を扱った文学作品の中では、とびきり好きな作品である。これを読むと、賭博というものの、人間を幻惑させてしまう妖しい色合いが、何枚かの骨牌札…

(巻二十五)長生きか死に後れしか山椒魚(鷹羽狩行)

(巻二十五)長生きか死に後れしか山椒魚(鷹羽狩行) 5月21日木曜日 散歩と買い物 昨日と同じコースを歩いたので本日も五千百歩でした。 消防車2台と救急車1台が配備されている消防署の分室が曳舟川公園の脇にあります。 その分室の掲示スペースの下に玩具…

「図書館員の頃(’79-11) - 阿刀田高」文春文庫 巻頭随筆3 から

「図書館員の頃(’79-11) - 阿刀田高」文春文庫 巻頭随筆3 から学生時代に肺結核を患い、体に比較的無理のない職場ということで、国立国会図書館の採用試験を受けた。筆記試験を通過し、面接となり、「図書館ではどんな仕事をやりたいか」と尋ねられ、はて…

(巻二十五)鬼灯市風に鳴るもの靡くもの(五所平之助)

(巻二十五)鬼灯市風に鳴るもの靡くもの(五所平之助) 5月20日水曜日 散歩と買い物 散歩日和ではないが、二、三日歩いていなかったので曳舟川公園を上って駅前まで足を伸ばした。 駅前の今日の人盛りは密でない。ソシアル・ディスタンスを保つのに困まらな…

「大根卸し - 團伊玖磨」朝日文庫 重ねてパイプのけむり から

「大根卸し - 團伊玖磨」朝日文庫 重ねてパイプのけむり から大根卸しの上に、生卵を割って落とし、醤油を少し許[ばか]り滴[したた]らせ、掻き廻して食う。実に美味くて美味くて、どうにも成らぬ。炊きたての熱い御飯の上にそれをかけて、これを又掻き…

(巻二十五)ミス水着準ミス水着姉妹(河崎初夫)

(巻二十五)ミス水着準ミス水着姉妹(河崎初夫) 5月19日火曜日 買ってきた髭の小瓶で寝酒をしてみたがむしろ興奮状態になり逆効果であった。 寝付きが悪く、眠りは浅く、早く目覚めてしまった。 雨天につき、終日在宅。 読書 「夏の食いもの - 岡本綺堂」…

「色川武大追悼 - 吉行淳之介」ちくま文庫 吉行淳之介ベスト・エッセイ から

「色川武大追悼 - 吉行淳之介」ちくま文庫 吉行淳之介ベスト・エッセイ から色川武大とのつき合いにおいて、最初から最後まで「知ってびっくり」ということがかさなった。五年前に亡くなった藤原審爾と、一時期しばしば麻雀をしていたことがある。昭和三十…

(巻二十五)雨粒の顔に当りてより夕立(山下美典)

(巻二十五)雨粒の顔に当りてより夕立(山下美典) 5月18日月曜日 本日の句のように散歩途中で雨となり、二千四百歩。 しばらくぶりに、髭の小瓶とバターピーナッツを買ってしまった。 読書 文春文庫 無理難題が多すぎる 土屋賢二 著 という雑文集を百円かそ…

「めぐりあい-畏友「彼」 - 遠藤周作」集英社文庫 お茶を飲みながら から

「めぐりあい-畏友「彼」 - 遠藤周作」集英社文庫 お茶を飲みながら から昭和二十五年の六月 - というから、もう随分昔の話だ。私はまだ大学を出て間もなかった。ひょんなことから仏蘭西留学が決まり、現在、慶應の文学部長である三雲夏生君やその他、二…

(巻二十五)うしろより来て秋風が乗れと云う(高野ムツオ)

(巻二十五)うしろより来て秋風が乗れと云う(高野ムツオ) 5月17日日曜日 散歩に出た。さくら通り往復で三千五百歩。 団地沿い道の道は直線的だが、二丁目の道はカーブを描いている(写真)。 曲がった道の方があたしは好きです。 凉風の曲がりくねつて来たり…

「正蔵の定期券 - 江國滋」旺文社文庫 落語美学 から

「正蔵の定期券 - 江國滋」旺文社文庫 落語美学 から いまではほとんど見られなくなって、いっそ重要文化財扱いをしたくなるような、そんな昔ながらの三軒長屋が、下谷稲荷町の地下鉄の駅近くの狭い路地にあって、そこに林家正蔵が住んでいる。玄関で案内を…

(巻二十五)文章の下手のなげきを鵙によせ(星野立子)

(巻二十五)文章の下手のなげきを鵙によせ(星野立子) 5月16日土曜日 細君の今朝のご挨拶は「今日は薔薇の日だそうよ。ラジオが言ってた。」でございました。 薔薇匂ふいつも何かの潜伏期(橋本喜夫) 細君は週に一度くらい何のかんのと理由をつけて息子にメ…