2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻三十)極月に眉月一つ星ひとつ(袴田菊子)

(巻三十)極月に眉月一つ星ひとつ(袴田菊子) 9月29日水曜日 石を砕きに行く。葛飾リハビリテーション病院で平成立石病院へ行くシャトルバスに乗る。10分で病院到着。受付、CT、エックス線、PCR、その後一時間ほどPCRの結果待ち。陰性の結果を受けて入院…

(巻三十)父健気人参買つて葱買つて(冨田正吉)

(巻三十)父健気人参買つて葱買つて(冨田正吉) 9月28日火曜日 入院準備のリュックに折り畳み傘を入れた。折り畳み傘で凌げる程度の悪天候であればよいのだが。 借りている角川俳句9月号を図書館のポストへ返却した。これで借りている資料はない。貸出しの…

(巻三十)あやまちを重ねてひとり林檎煮る(白石冬美)

(巻三十)あやまちを重ねてひとり林檎煮る(白石冬美) 9月27日月曜日 朝一で病院から電話があり、先週土曜日のPCR検査の結果は陰性で予定通りの入院と連絡してきた。 入院の仕度を始めた。と言ってもパンツ3枚肌シャツ2枚靴下3足タオル1枚と髭剃り程度だ…

(巻三十)ポケットのなかでつなぐて酉の市(白石冬美)

(巻三十)ポケットのなかでつなぐて酉の市(白石冬美) 9月26日日曜日 朝食の飲物を紅茶から牛乳に変えて3日経った。以前はそれほど感じなかった乳糖の甘味を感じる。乳糖の消化酵素を持っているのかいないのか知らないが、冷たい牛乳を飲んでも腹をこわす…

「あなたは非常に運がいい......かもしれない - 土屋賢二」論より譲歩 から

「あなたは非常に運がいい......かもしれない - 土屋賢二」論より譲歩 から人類は太古の昔から占いに頼ってきた。近年も有名な占い師のところには行列ができるという。見てもらいたがるのはほとんど女らしい。不況になっても悩みをかかえる人は減らないから…

(巻三十)昼飯に酒を添へたり冬紅葉(斎藤まさし)

(巻三十)昼飯に酒を添へたり冬紅葉(斎藤まさし) 9月25日土曜日 涼しい朝を迎えた。もう30度を超える日はないだろうと予報士さんは云っている。 洟かんで耳鼻相通ず今朝の秋(飯田蛇笏) 午前中は入院前のPCR検査を受けに平成立石病院へ行った。シャトルバ…

「都営新宿線は、私だけの名所に連れて行ってくれる(抜書) - 川本三郎」日本の名随筆別巻68下町 から

「都営新宿線は、私だけの名所に連れて行ってくれる(抜書) - 川本三郎」日本の名随筆別巻68下町 から浜町のひとつ東の駅は森下。いまやたいていのグルメガイドに載っているどじょうの伊せ喜と馬肉のみの家があるところである。下町、深川の中心地といって…

(巻三十)梟のもの知り顔に夜は更けぬ(涌羅由美)

(巻三十)梟のもの知り顔に夜は更けぬ(涌羅由美) 9月24日金曜日 寝る前にガバガバと飲んだ訳ではないが、一日[いちじつ]水をよく飲めばトイレが増える。夜中にトイレに起きるはめとなった。この季節ならいいが冬場に夜中トイレに起きていくのは億劫だ。…

「業の深さ - 南木佳士」文春文庫からだのままに から

「業の深さ - 南木佳士」文春文庫からだのままに から狭い庭を広く見せるために、数年前、やや大きなイロハモミジを植えた。芽がふくらみ、枝にまで緑の気配が濃くなってくると、ようやく山国信州の永い冬が終わるのだと実感させられる。この春の新鮮な緑葉…

(巻三十)潜りたきこともあらうにみづすまし(岩瀬ミチ)

(巻三十)潜りたきこともあらうにみづすまし(岩瀬ミチ) 9月23日木曜日 細君が早朝のラジオ番組で我が持病についての話を聴いたらしい。食べ物や水分量について心配してくれるのはありがたく幸せなことだ。その幸せなときに終わるのがThe Happy Endなのかも…

(巻三十)一つ趣味をば三十年亀鳴けり(永野由美子)

(巻三十)一つ趣味をば三十年亀鳴けり(永野由美子) 9月22日水曜日 細君は金策にお出かけになり、午前を一人無為に過ごす。尤も一生を無為に過ごしてきたのだから今さらどうのこうのと云うことではない。趣味の英語は50年になるが旦那芸の域を出ず。 芸が…

(巻三十)通帳にらんで女動ぬ道の端(きむらけんじ)

(巻三十)通帳にらんで女動ぬ道の端(きむらけんじ) 9月21日火曜日 洗濯屋さんに預けっぱなしにしておいた毛布を引き取りに行った。 ラジオを聴きながら台所仕事をしていた細君が、番組で紹介された俳句『人生は片道切符の流れ星(未詳)』を告げにきた。歌謡…

(巻三十)持ち唄は一つで通すちちろ虫(安藤しげる)

(巻三十)持ち唄は一つで通すちちろ虫(安藤しげる) 9月20日月曜日 細君、生協へ行く。彼岸の入りとか?花屋はやる気十分だったとのこと。今日は芒も買ったそうだ。活けたところを一撮いたした。 今日の月長い芒を活けにけり(阿波野青畝) 午後散歩。南に歩…

(巻三十)鰭酒や畳の上で死ぬつもり(亀田虎童子)

(巻三十)鰭酒や畳の上で死ぬつもり(亀田虎童子) 9月19日日曜日 野分き去り好天、布団を干す。 家事の少ない日曜の午前であった。 朝日俳壇: 秋雨や甚雨・深雨になほ霖雨[りんう](中西洋) を書き留めた。俳句そのものはどうでもよいのだが、雨の勉強に…

「ゆず湯(冒頭抜書) - 岡本綺堂」旺文社文庫 綺堂むかし語り から

「ゆず湯(冒頭抜書) - 岡本綺堂」旺文社文庫 綺堂むかし語り から本日ゆず湯というビラを見ながら、わたしは急に春が近づいたような気分になって、いつもの湯屋の格子をくぐると、出あいがしらに建具屋のおじいさんが湿[ぬ]れ手拭で額を拭きながら出て来…

(巻三十)好色者(すきもの)は大抵無口竹婦人(中原道夫)

(巻三十)好色者(すきもの)は大抵無口竹婦人(中原道夫) 9月18日土曜日 7時半ころは強雨の雨音がしていたが、区からのメールでは「強風・強雨に気をつけてください。」程度で切迫した通報は出ていないようだ。 何しろ 台風や土手を信じて水の底(拙句) だか…

「リア王の内なる嵐(「ドラマと運命」から抜書) - 木下順二」日本の名随筆96運から

「リア王の内なる嵐(「ドラマと運命」から抜書) - 木下順二」日本の名随筆96運からシェイクスピアの四大悲劇のうち、〈ドラマと運命〉の問題を最も凝縮した形で私たちに考えさせてくれるのは『マクベス』である。が、この作品については私はこれまであま…

(巻三十)近松忌響(とよ)む高架を上に酌む(秋元不死男)

(巻三十)近松忌響(とよ)む高架を上に酌む(秋元不死男) 9月17日金曜日 悪い夢も見ずに眠れたが、朝の血圧が127-78だった。127は久し振りだ。メンタルの部分が影響するのだろうか。 昨日先生から脂っこいもの、ほうれん草、紅茶などは石を作る素だ…

「シェイクスピアの四大悲劇(「ドラマと運命」から抜書) - 木下順二」日本の名随筆96運から

「シェイクスピアの四大悲劇(「ドラマと運命」から抜書) - 木下順二」日本の名随筆96運から紀元前五~四世紀に驚くべき完成度で見事な花を咲かせたギリシア悲劇は、また世界演劇史上、初めての完成された演劇でもあった。世界演劇史上、その次には紀元前…

(巻三十)ある日彼どつと老増す冬帽子(黒田杏子)

(巻三十)ある日彼どつと老増す冬帽子(黒田杏子) 9月16日木曜日 曼珠沙華・彼岸花は縁起がよくないとか云われながらも人気がある。顔本のお散歩写真グループでは花盛りだ。この彼岸花は上千葉交通公園で一撮した。 死ぬならば自裁晩夏の曼珠沙華(橋本栄治)…

(巻三十)目立たぬを身上とせり葛の花(関森勝夫)

(巻三十)目立たぬを身上とせり葛の花(関森勝夫) 9月15日水曜日 細君は生協に行く。青いミカンが出始めたようだ。 老いの眼に僅かにたのし青蜜柑(百合山羽公) 夏の間は朝食にブドウ、デラウェアの種無しを添えてくれた。美味しいのだが、一粒一粒食べるの…

(巻三十)これやこの旬のさんまも冷凍魚(石塚友二)

(巻三十)これやこの旬のさんまも冷凍魚(石塚友二) 9月14日火曜日 8時ころ小さな地震があった。小さな地震でよかった、よかった。台風14号は東に進路を変えるころには低気圧になるそうだ。よかった、よかった。 野分にもなびけば残る芒かな(松井紹巴) 薩…

(巻三十)色里の名残の小窓野分立つ(中村初枝)

(巻三十)色里の名残の小窓野分立つ(中村初枝) 9月13日月曜日 ベランダのミカンの鉢に水をやる。暑さが去ったためか若葉が次々に芽生えてくる。 新涼や 息吹き返す 鉢のもの (拙句) 細君は午前中眼科に行く。11時ころ戻り、どうも元のようにはならないら…

(巻三十)はこばれているとは知らぬ海鼠かな(山田麦城)

(巻三十)はこばれているとは知らぬ海鼠かな(山田麦城) 9月12日日曜日 午前、細君は生協に行きついでに花を購う。 “向日葵を購う妻の豊かさよ” 朝日俳壇から、 落雷に驚天動地ひとりなり(大澤都志子) を書き留めた。キョウテンドウチと読むらしい。 ご常連…

「おいとけさま - 別役実」日本の名随筆52話 から

「おいとけさま - 別役実」日本の名随筆52話 から「おいとけ」というのは、「放っておけ」という意味である。「そばにあっても気にするな」ということなのであり、その名の通りの存在なのだが、実際には、かなり具体的な効用のあるものであって、東北地方…

(巻三十)たのしみは草の庵の莚敷きひとり心を静めおるとき(橘曙覧)

(巻三十)たのしみは草の庵の莚敷きひとり心を静めおるとき(橘曙覧) 9月11日土曜日 朝は4部屋の掃除とエアコンのフィルター掃除で始まる。嫌な仕事の新聞片付けもした。 午後散歩。図書館で予約してあった4冊を借りた。難し過ぎるか、趣味が合わないか、…

「転居記 - 立原正秋」日本の名随筆別巻24引越から

「転居記 - 立原正秋」日本の名随筆別巻24引越から去年の九月、鎌倉の腰越海岸から藤沢の鵠沼海岸に越し、そしてこの七月に、鎌倉の山崎にささやかな山荘を建てて越してきたが、これで十七回移転したことになる。ここが終の棲家になるかも知れないし、も…

(巻三十)交番はいつもからつぽ花曇(半田陽生)

(巻三十)交番はいつもからつぽ花曇(半田陽生) 9月10日金曜日 久しぶりの晴れた朝でございます。先ずは洗濯物をベランダに干した。 細君は金策に出かけて行った。私は座椅子を拡げて朝寝の続きとした。 夏籠りと人には見せて寝坊哉(小林一茶) 昼時に「甘味…

「趣味に生きても虚しい(抜書) - 小浜逸郎」死にたくないが、生きたくもない。から 

「趣味に生きても虚しい(抜書) - 小浜逸郎」死にたくないが、生きたくもない。から 悠々自適は素晴らしいかリタイアしたら趣味に生きればよいという声がある。また、そうしたいと思っている人々もたくさんいるようだ。企業のため、家族のために仕事一途で生…

(巻三十)散るものは散て気楽な卯月哉(正岡子規)

(巻三十)散るものは散て気楽な卯月哉(正岡子規) 9月9日木曜日 一日雨簫簫と降る。雨でも洗濯の日だから洗濯はした。部屋干し。 先週のBBCからはCrowdScienceのCan We save our night skiesを聴いている。Light pollution光害の話で夜空の星が見えなくなっ…