2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「飾り立てた霊柩車で...... - 半藤一利」ちくま文庫 荷風さんの戦後 から

「飾り立てた霊柩車で...... - 半藤一利」ちくま文庫 荷風さんの戦後 から いちばん最後に、拙書『永井荷風の昭和』ですでに書いたことながら、ここにそのままそっくり載せることにしたい。読んではいない人もおられるであろうから。最晩年の『日乗』の、あ…

(巻二十九)左右より話一度に日短(五十嵐播水)

(巻二十九)左右より話一度に日短(五十嵐播水) 4月29日木曜日 雨の日に向日葵と云うのも何ですが、外出しなかったのでまだ玄関にある向日葵を一撮。 雨の日でしたが中二日の洗濯日で洗濯をした。 午後はほぼ平らにした座椅子で、ほぼ理解できないBBCの番組…

(巻二十九)ほろ酔の足もと軽し春の風(良寛)

(巻二十九)ほろ酔の足もと軽し春の風(良寛) 4月28日水曜日 ゴキブリ捕獲ハウスの建替えた。台所の隅と洗濯機の横に置いているが、この建物に住んで4年、捕獲されるようなドジはいない。以前、戸建てに住んでいたころ一匹だけこのハウスで捕獲されたゴキ…

(巻二十九)つかぬ事問われていたる残暑かな(中山妙子)

(巻二十九)つかぬ事問われていたる残暑かな(中山妙子) 4月27日火曜日 ミカンの葉に産み付けられた卵から虫が孵った。これで三匹になった。 午後は図書サービス・カウンターまで出かけた。往復バスと軟弱である。本日は二千八百歩で階段は1回でありました…

(巻二十九)裏窓に補正下着と風鈴と(松永典子)

(巻二十九)裏窓に補正下着と風鈴と(松永典子) 4月26日月曜日 洗濯をした。一日置きから中二日に間隔を空けた。 午後、業者さんの出入りがあり、後片付けをしてから少々散歩した。 本日は二千五百歩で階段は2回でした。 願い事-叶えてください。 四月の…

(巻二十九)星一つ失ふ宇宙流れ星(小山内豊彦)

(巻二十九)星一つ失ふ宇宙流れ星(小山内豊彦) 4月25日日曜日 午後からは雨との予報で、散歩は午前中にいたした。 本日は三千八百歩で階段は2回でした。 朝日俳壇: 今日は今の気分を詠ってくれた句があった。 一人良し一人は淋し花に酌む(三宅久美子) 健…

(巻二十九)人愚なり雷を恐れて蚊帳に伏す(正岡子規)

(巻二十九)人愚なり雷を恐れて蚊帳に伏す(正岡子規) 4月24日土曜日 働いていた頃の名残りで家事を土曜日に集中させてくる。掃除、布団干し、タンスの中身を出しての風通しを致した。 午前中は立ち働いたので午後の散歩は控え目にして生協までの買い物にし…

「西瓜 - 永井荷風」新潮文庫文人御馳走帖(嵐山光三郎編)から

「西瓜 - 永井荷風」新潮文庫文人御馳走帖(嵐山光三郎編)から 持てあます西瓜ひとつやひとり者 これはわたくしの駄句である。郊外に隠棲[いんせい]している友人が或年の夏小包郵便に托して大きな西瓜を一個[ひとつ]饋[おく]ってくれたことがあった。…

(巻二十九)伏す鹿の耳怠らず紅葉山(小島健)

(巻二十九)伏す鹿の耳怠らず紅葉山(小島健) 4月23日金曜日 朝、雀が賑やかである。ミカンの葉に小さなまだ黒い芋虫を2匹認めた。世の中に出て来てしまったのか。と云うか、そう云うことにされてしまった訳だ。 非常なる世に芋虫も生れあふ(百合山羽公) …

「眠れぬ夜 - 大佛次郎」日本の名随筆34老 から

「眠れぬ夜 - 大佛次郎」日本の名随筆34老 から 若い人達の一度横になったら醒めない深い睡眠は如何にも健康で頼もしいものである。私達の年齢になると、夜なかにふとした工合[ぐあい]で目が醒めて了い、睡たくても暫く睡れないことがある。 起きて、あ…

(巻二十九)初生りの蜜柑初生りらしきかな(梅村文子)

(巻二十九)初生りの蜜柑初生りらしきかな(梅村文子) 4月22日木曜日 床屋に行く。安い床屋にした。さっさと刈って10分くらいで終わってしまう。帰りにサンドウィッチと食パンを買うためにコンビニと食品店に立ち寄った。サンドウィッチはコンビニの方が…

(巻二十九)もったいないが今も信条終戦忌(深井怜)

(巻二十九)もったいないが今も信条終戦忌(深井怜) 4月21日水曜日 細君は眼科へお出掛け致した。お出掛けに当たっては御召し物の取り合わせに時間がかかる。一度支度が調ったあと、“上から下まで水色系統でおかしいわね”と云って御召し換えしていた。しか…

(巻二十九)行き行きてたふれ伏すとも萩の原(河合曾良)

(巻二十九)行き行きてたふれ伏すとも萩の原(河合曾良) 4月20日火曜日 朝一で、細君が“今日は穀雨”だと教えてくれた。 穀雨かな世の一隅に安らぎて(松本文子) 羨ましい心境ですね。なかなか安らげない。 BBCで、 CrowdScience20200113 How can I beat pain…

(巻二十九)芋虫の逃げも隠れもせぬ太さ(本間羊山)

(巻二十九)芋虫の逃げも隠れもせぬ太さ(本間羊山) 4月19日月曜日 鉢植えのミカンが満開です。ほのかに香っております。 家事は洗濯で、毛布も干した。礼服の風通しを予定していたが、やや風が強く、見送った。 散歩は小一時間ほど二丁目を歩き、生協で胡…

(巻二十九)黴なんぞ一吹きで済む世代なり(原田達夫)

(巻二十九)黴なんぞ一吹きで済む世代なり(原田達夫) 4月18日日曜日 4部屋の掃除機がけを済ませてから散歩に出かけた。午前中に散歩をすると午後は昼寝になってしまう。夜のことを考えるとあまりよろしくないのであるが、今日も午後は天気よくないらしい…

「最後の浅草行き(抜き書き) - 松本哉」朝日文庫 永井荷風ひとり暮し から

「最後の浅草行き(抜き書き) - 松本哉」朝日文庫 永井荷風ひとり暮し から (前略) 何だか機械じかけの臘人形(老人形?)のような荷風像が浮かび上がってくる。黙って食べて、黙って去ってゆく。出ていった戸は開けっぱなし。口にする物も、勘定の仕方も判で…

(巻二十九)くずほれて砂に平伏す土用波(鎌田光恵)

(巻二十九)くずほれて砂に平伏す土用波(鎌田光恵) 4月17日土曜日 午後からは天気が崩れるとの予報だったので、洗濯は後回しにして散歩に出かけた。高校コースを歩く。修徳グラウンドでは女子が練習マッチをしていた。二丁目を歩き花盛りの門前を一撮いた…

「生命の質を尊ぶ - 柏木哲夫」日本の名随筆別巻89生命 から

「生命の質を尊ぶ - 柏木哲夫」日本の名随筆別巻89生命 から 淀川キリスト教病院にホスピスが設立されたのは一九八四年四月であった。それからもうすぐ二年になろうとしているが、その間に二〇〇名を越える方々を看取った。ホスピスの働きを短くまとめる…

(巻二十九)言ひ負かす事の面倒冷し酒(宮崎高根)

(巻二十九)言ひ負かす事の面倒冷し酒(宮崎高根) 4月16日金曜日 月に一度の泌尿器科検診に出かけた。採血をした。今日の看護師さんは上手でした。 ついでに図書サービスカウンターで暗い本3冊、明るい本1冊、どちらとも云えない本1冊の5冊借りて帰った…

「厄年ふるさと紀行(後半抜書) - 玉村豊男」文春文庫雑文王玉村飯店から

「厄年ふるさと紀行(後半抜書) - 玉村豊男」文春文庫雑文王玉村飯店から 私はからだを拭き、冷えないうちに服を着ようと立ち上がった。ひとりの老人が入ってきて、ロッカーの上に置いてある脱衣カゴをとり、そこに着物を脱いだ。籐で編んだ脱衣カゴが懐かし…

(巻二十九)豚汁の後口渇く蜜柑かな(正岡子規)

(巻二十九)豚汁の後口渇く蜜柑かな(正岡子規) 4月15日木曜日 ミカンが一輪開く。 細君は美容室へ行き、私は非常食で昼食を済ませた。 家事は洗濯と毛布干しである。 散歩は高校コースで三千七百歩、階段は1回。 大福を食らう。旨い。 叶えてください。

(巻二十九)真白な干大根の一日目(太田土男)

(巻二十九)真白な干大根の一日目(太田土男) 4月14日水曜日 啄木忌始発少なき上野駅(駄楽) 昨晩は22時30分発のFM葛飾『汽車ぽっぽ』を聴きながら眠りに就いた。東海道線、湘南ライナー、埼京線、高崎線、東北線のダイヤ改正特集だったが、上野駅の存在…

(巻二十九)薄目してみゆるものあり昼蛙(伊藤卓也)

(巻二十九)薄目してみゆるものあり昼蛙(伊藤卓也) 4月13日火曜日 今日は啄木忌だと思う。一首添えようと句帳のおまけを捲ってみたが、どうも今の気分に合う啄木の歌が句帳にはない。 今の気分は、 「もう疲れた」遺書によくあるフレーズを 春夜うつとりつ…

(巻二十九)気分転換ばかりしている天道虫(榊きくえ)

(巻二十九)気分転換ばかりしている天道虫(榊きくえ) 4月12日月曜日 家事は、風呂と洗面台の排水口の掃除。油断すると風呂の溝に赤カビがはびこるので歯ブラシをかけておいた。 カビ宿り加筆あまたの豆辞典(せいそう) 昨日迷惑メールが入った細君はヘルプ…

(巻二十九)池の鯉逃げたる先で遊びけり(永田耕衣)

(巻二十九)池の鯉逃げたる先で遊びけり(永田耕衣) 4月11日日曜日 細君は生協へお買い物に出かけた。家事は洗濯と布団干しで、今日は布団干し日和であった。 玄関に花が生けられた。赤いのは撫子だそうだが、赤い撫子と云うのはいかがなものか。 朝日俳壇…

「晩年の荷風と小林青年 - 川本三郎」05年版ベスト・エッセイ集 から

「晩年の荷風と小林青年 - 川本三郎」05年版ベスト・エッセイ集 から 「小林修」という人のことがずっと気になっていた。 永井荷風の日記「断腸亭日乗」の晩年にしばしば登場する人物である。「日乗」の晩年というと「正午浅草」の記述がよく知られている…

(巻二十九)定期財布ハンカチ小銭入立夏(川崎展宏)

(巻二十九)定期財布ハンカチ小銭入立夏(川崎展宏) 4月10日土曜日 家事:四部屋の掃除機がけ、シート・毛布干し、昼飯の温め。 散歩:高校コースを歩いた。葛飾野のグラウンドでは野球部が試合形式の練習をしていた。外野も何とか体裁の整う広さがあるよう…

「上野駅 - 木山捷平」日本の名随筆93駅 から

「上野駅 - 木山捷平」日本の名随筆93駅 から 残暑の午後、私は見学が目的で上野駅へ出かけた。私の家から上野へ行くには、中央線をお茶の水で乗替え、総武線で秋葉原まで行き、更に山手線に乗りかえ、上野駅で下車するというのが最短コースである。時間…

(巻二十九)活版の誤植や萩に荻交る(正岡子規)

(巻二十九)活版の誤植や萩に荻交る(正岡子規) 4月9日金曜日 家事は洗濯。週末の新聞片付けを済ませた。 散歩は高校コース。 花に停まる揚羽蝶を一撮いたした。 蝶々のもの食ふ音の静かさよ(高浜虚子) 本日は三千九百歩で階段は1回でした。 願い事-叶えて…

「長谷川平蔵のこと - 逢坂剛」03年版ベスト・エッセイ集 から

「長谷川平蔵のこと - 逢坂剛」03年版ベスト・エッセイ集 から池波正太郎さんの、〈鬼平犯科帳シリーズ〉に出てくる長谷川平蔵が実在の人物だったことは、今ではよく知られている。ただし、そのキャラクターは池波さんが頭の中で想像した、虚構のものであ…