2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「わが野鳥たち - 山本周五郎」河出文庫 暗がりの弁当 から

「わが野鳥たち - 山本周五郎」河出文庫 暗がりの弁当 から私の仕事場は丘の上にあり、山葡萄と呼ばれるえびづる草や、野茨や、やまいちご、桑、蜜柑や夏蜜柑、野木瓜[あけび]、野生の無花果など、かなり多くの果実が生[な]る。そのためだろうか、四季を…

(巻三十七)両方で睨みあひけり猫の恋(正岡子規)

7月30日日曜日 (巻三十七)両方で睨みあひけり猫の恋(正岡子規) 晴れ。生協へ買い物へ、帰りに百日紅を一撮いたす。 昼飯喰って、一息入れて、瞑想して、 5時半過ぎから猫の見廻り。トモ不在。猫たちが起き上がりたくないほどの暑さでした。 朝家事はなか…

「いったい、おまえは何なんだよ - 吉本隆明」講談社文庫 フランシス子へ から

「いったい、おまえは何なんだよ - 吉本隆明」講談社文庫 フランシス子へ からフランシス子は、まだ目もあかない子猫のときに母親に放置され、カラスにさんざん傷つけられて、わが家にやってきました。大手術をしてどうにか生き延びた後、近所の家で「猫を飼…

(巻三十七)スクリューの白き泡見る日永かな(日原傳)

7月29日土曜日 (巻三十七)スクリューの白き泡見る日永かな(日原傳) 晴れ。朝家事は夜濯ぎ干し、タオルケット・布団カバー洗い、掃除機がけ。洗濯物がよく乾く。 昼飯喰って、一息入れて、瞑想。逝けずに戻る。 5時半過ぎに日陰を伝って床屋に参る。饒舌…

「執筆の日々 - 澁澤龍子」〆切本2 から

「執筆の日々 - 澁澤龍子」〆切本2 から執筆は遅いほうでした。平均すれば一日に一枚か二枚というほどでしたが、締切りが迫ってどうにもならないときには、三十時間でも四十時間でも休まずに書きつづけることがありました。「頭が回らないなあ」などと言いな…

「随筆家失格 - 澁澤龍彦」〆切本2 から

「随筆家失格 - 澁澤龍彦」〆切本2 から随筆を書けといわれると、私はいちばん往生する。テーマがきめられていればよいのだが、そうでない場合、書くべきテーマが容易に見つからないのである。もともと私は身辺雑記を書くことを好まない。女房がどうしたと…

3 Suspense THEART OF FICTION - DAVID LODGE

3 Suspense THEART OF FICTION - DAVID LODGEAt first, when death appeared improbable because it had never visited him before, Knight could think of no future, nor of anything connected with his past. He could only look sternly at Nature's tr…

(巻三十七)サランラップの端見失ふ春の雪(駒木根淳子)

7月28日金曜日 (巻三十七)サランラップの端見失ふ春の雪(駒木根淳子) 晴れ。暑さ変わらず。ある意味慣れた。初めてウツセミを認める。細君が買い残したお米ほかを買いに行き、戻ると「スーパーに行けば食べる物が在るんだから、ありがたいことだわね」とサ…

「上野 蓬萊屋(後半) - 安藤鶴夫」東京の面影 から

「上野 蓬萊屋(後半) - 安藤鶴夫」東京の面影 から蓬萊屋は、ひるは十一時半から一時半、夜は四時半から七時半までのあいだだけ、やっている。とんかつというもの、夜より、昼がいい。たいてい、駒込の病院の帰りに、寄る。病院には、一週間にいちど、娘の運…

(巻三十七)我星はどこに旅寝や天の川(小林一茶)

7月27日木曜日 (巻三十七)我星はどこに旅寝や天の川(小林一茶) 曇り。湿度が高くなるとのこと。朝家事は夜濯ぎ干しと夏布団カバーの洗濯。更に部屋の掃き掃除。十分汗をかいた。 昼飯喰って、一息入れて、瞑想。エアコンは嫌いで使わないが扇風機には一日…

「漕代駅 - 大辻隆弘」ベスト・エッセイ2023 から 

「漕代駅 - 大辻隆弘」ベスト・エッセイ2023 から 私の家から歩いて二分のところに漕代[こいしろ]駅という小さな駅がある。近畿日本鉄道の山田線、松阪から南にくだって三つ目、田んぼのなかにポツンと建っている駅である。急行列車は止まらない。各駅停車…

(巻三十七)友達の流れてこないプールかな(宮本佳世乃)

7月26日水曜日 (巻三十七)友達の流れてこないプールかな(宮本佳世乃) 晴れ。カーテンを開けて酷暑と諦めた。そんな中を細君は美容室に出掛けて行った。 昼飯にカップ坦々麺を食しドバッと汗を流す。Tシャツ着替え! 一息入れて、瞑想して汗をかく。 6時…

「アジフライの正しい食べ方 - 浅田次郎」ベスト・エッセイ2023 から

「アジフライの正しい食べ方 - 浅田次郎」ベスト・エッセイ2023 から 孔子は「四十にして惑わず」とのたまい、孟子もまた「四十にして心を動かさず」と言った。すなわち人間は四十歳でおのれの世界観を確立し、そののちの人生を揺るがずに過ごさねばならぬので…

(巻三十七)いきいきと死んでいるなり水中花(櫂未知子)

7月25日火曜日 (巻三十七)いきいきと死んでいるなり水中花(櫂未知子) 晴れ。今朝は蝉の声だけで鳥は居らず。夜濯ぎをベランダに干す。 「丘の上の家(抄) - 田山花袋」を読んだ。 https://zuihitsuhissha.exblog.jp/33362767/ 独歩の『武蔵野』が渋谷と目…

「丘の上の家(抄) - 田山花袋」日本の名随筆別巻3 珈琲 から

「丘の上の家(抄) - 田山花袋」日本の名随筆別巻3 珈琲 からそれは十一月の末であつた。東京の近郊によく見る小春日和で、菊などが田舎の垣に美しく咲いてゐた。太田玉茗君と一緒に湖処子君を道玄坂のばれん屋といふ旅舎に訪ねると、生憎不在で、帰りのほど…

(巻三十七)涼風や破れることもある血管(池田澄子)

7月24日月曜日 (巻三十七)涼風や破れることもある血管(池田澄子) 晴れ。鳥と蝉が絶叫。それに起こされる此処は住処として悪くはない。朝家事は掃き掃除とシーツの洗濯。強い日射しと適度の風でシーツがよく乾いた。陽当たり良くて風通しが良いのだから借…

(巻三十七)此処よりは俗人入れず落椿(西村和子)

7月23日日曜日 (巻三十七)此処よりは俗人入れず落椿(西村和子) 晴れ。大暑。大暑だ! 念力のゆるめば死ぬる大暑かな(村上鬼城) 朝家事なし。夜濯ぎした物を外に干す。細君の買い残しを買いに生協へ。ティッシュ・ペーパー、キッチン・ペーパー、トイレ・…

2 The IntrusiveAuthor THE ART OF FICTION - DAVID LODGE

2 The IntrusiveAuthor THE ART OF FICTION - DAVID LODGEWith a single drop of ink for a mirror, the Egyptian sorcerer undertook to reaveal to any chance comer far-reaching vision of the past. This what I undertake to do for you, reader. With…

「はじめての読者 - 上橋菜穂子」物語ること、生きること 講談社文庫 から

「はじめての読者 - 上橋菜穂子」物語ること、生きること 講談社文庫 からすべての道が閉ざされたときに新しい希望が生まれると言ったのは、トールキンだったでしょうか。私が「こうなったら研究者になるしかない」と博士課程に進んだのは、もう作家になるこ…

(巻三十七)ぎやうぎやうし口から先に生まれたか(小林一茶)

7月22日土曜日 (巻三十七)ぎやうぎやうし口から先に生まれたか(小林一茶) 晴れ。朝家事は掃除機がけ、マット干し、蒲団干し。ぎやうぎやうしい彼奴が蜘蛛を見つけて騒ぎ、ベランダに逃がしてやったら、また入ってくると言って私のスリッパで叩いた。残酷…

(巻三十七)黄昏は丘より来たりえごの花(対馬康子)

7月21日金曜日 (巻三十七)黄昏は丘より来たりえごの花(対馬康子) 曇り。久しぶりに涼しく感じる。洗濯物を外に干す。昼前ににわか雨が降り慌てて取り込む。本当の通り雨ですぐに上がったが、そのあとは酷暑となる。昼飯喰って、一息入れて、瞑想して、5…

「日々是修行(抜書) - 佐々木閑」ちくま新書日々是修行 から

「日々是修行(抜書) - 佐々木閑」ちくま新書日々是修行 から 輪廻というあいまいな連続 仏教では、「我々は輪廻する」という。この輪廻というのは奇妙な考えだ。ちょっと説明しよう。この世は、上は神様の世界から下は地獄まで、いくつかの段階に分かれていて…

(巻三十七)一匹のごきぶりに夫けたたまし(城下明夫)

7月20日木曜日 (巻三十七)一匹のごきぶりに夫けたたまし(城下明夫) 曇り。朝家事は掃き掃除。10時ころウエルシアに買物に出かけたが、帰りに葛飾野高校の下校チャリンコ集団とすれ違う。終業式か。 大きな木大きな木蔭夏休み(宇多喜代子) 昼飯喰って、…

(巻三十七)名月や半分出たる屋根の上(正岡子規)

7月19日水曜日 (巻三十七)名月や半分出たる屋根の上(正岡子規) 曇り。朝家事は洗濯・外干し。細君はコレステロール検診の結果を聞きにクリニックにお出掛け。一昨日、昨日に比べれば暑さはまだましかな。 カーテンに蜘蛛の子が停まっていたので屋外へ退去…

1 Beginning THE ART OF FICTION - DAVID LODGE

1 Beginning THE ART OF FICTION - DAVID LODGE Emma Woodhouse, handsome, clever, and rich, with a comfortable home and happy disposition, seemed unite some of the best blessings of existence; and had lived nearly twenty-one years in the worl…

(巻三十七)雪国より一枚白紙委任状(寺井谷子)

7月18日火曜日 (巻三十七)雪国より一枚白紙委任状(寺井谷子) 晴れ。10時過ぎに細君の買い残しを買いに生協へ出かけた。往きに舗道の上でのたうつミミズを見かけた。割り箸でもあれば何処かご所望の場所へと思う。ボールペンは持っていたので掬おうかと…

(巻三十七)やさしさが犬の姿をして見上げ(浮千草)

7月17日月曜日 (巻三十七)やさしさが犬の姿をして見上げ(浮千草) 晴れ。朝家事は洗濯・外干し。図書館経由で開店直後の生協へ。10時前でもかなりの暑さだ。細君の説に依れば「酷暑になると蝉も暑さで静かになる」そうだ。ミミズの亡骸がポツポツと舗道に…

(巻三十七)晩年の孤独に慣れて冬の星(川村松子)

7月16日日曜日 (巻三十七)晩年の孤独に慣れて冬の星(川村松子) 晴れ。朝家事は衣類の風通し。ズボンの内側に薄く黴を認む。最早、祝儀も不祝儀も蒙御免だから式服なんぞ早く処分致したい。シーツの洗濯を致す。酷暑の中、前のマンションではアートが引っ…

(巻三十七)平成を惜しむ昭和の日となりぬ(田中節夫)

7月15日土曜日 (巻三十七)平成を惜しむ昭和の日となりぬ(田中節夫) 曇り。朝家事は洗濯・外干し。 生協から5%特別割引3日分の通知葉書がきた。マイナンバーポイントの振込先を生協カードにしたのでそれに対する感謝割引のようだ。 買い物と散歩途中の買…

(巻三十七)のどけさの先に果てある命かな(山本けんえい)

7月14日金曜日 (巻三十七)のどけさの先に果てある命かな(山本けんえい) 曇り。朝家事は掃除機がけ。物置になってしまっている床の間も楽器をどかして掃除機をかけた。ウエルシアにトイレ、風呂の洗剤を買いに出かけ、ついでに単4電池を買う。電池は値上…