2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻三十六)わが夫へ申告漏れの春ショール(川崎栄子)

(巻三十六)わが夫へ申告漏れの春ショール(川崎栄子) 4月29日土曜日 晴れ。朝家事はなし。細君は生協に出かけた。 昨日借りたなかの『角川俳句4月号』を捲り、 日陰より眺め日向の春の水(深見けん二) 人の死に追はれ追はれて秋の暮(加藤楸頓) を書き留め…

「東京 - 向井慧」もしも、東京 から

「東京 - 向井慧」もしも、東京 から東京に来て、18年。18歳の時に名古屋から出て来たから、名古屋と東京で過ごす年数が今年で同じになる。しかし、未だに東京にお邪魔させてもらっている感覚は消えない。今でも東京タワーを見れば心が躍るし、レインボ…

(巻三十六)確定申告終へて風船飛ぶ方へ(小木曽あや子)

(巻三十六)確定申告終へて風船飛ぶ方へ(小木曽あや子) 4月28日金曜日 晴れ。10時に営繕屋さんが風呂の排水口の網状蓋を交換に来てくれた。まだお若いが喧しい細君をうまくあしらうなど先が楽しみな若者でありました。若者君によれば、メーカーに型番を…

「苦労の御破算 - 壺井栄」文豪と借金 から

「苦労の御破算 - 壺井栄」文豪と借金 から御破算という言葉をどうしてか私は昔からすきだ。大変気に入っている。幼少時代からあんまり聞きなれてしまって御飯のような親しさになってしまったからかもしれない。しかし御飯といってもこれは赤の御飯だと思う…

(巻三十六)銀行へ怪しき身なり花粉症(高崎和音)

(巻三十六)銀行へ怪しき身なり花粉症(高崎和音) 4月27日木曜日 晴れ。今日はペンギンクリニックへ定期検診に行き採血するので朝飯を抜いた。 9時前にクリニック到着。搾り出して採尿。ついで採血。手早くやっていただき9時15分に診察階に降りて麻雀を…

(巻三十六)麦秋や書架にあまりし文庫本(安住敦)

(巻三十六)麦秋や書架にあまりし文庫本(安住敦) 4月26日水曜日 雨。起きて、「蛇くひ - 泉鏡花」をもう一度捲り返したがやはりコチコチする気にはなれず。データで残したとしても再読はいたすまい。しかし文体には惹かれたので、早速図書館ネットで鏡花の…

「山の雪 - 高村光太郎」

「山の雪 - 高村光太郎」わたしは雪が大好きで、雪がふってくるとおもてにとび出し、あたまから雪を白くかぶるのがおもしろくてたまらない。わたしは日本の北の方、岩手県の山の中にすんでいるので、十一月ごろからそろそろ雪のふるのを見ることができ、十二…

(巻三十六)本名を豆腐芸名冷奴(増山山肌)

(巻三十六)本名を豆腐芸名冷奴(増山山肌) 4月25日火曜日 曇り。朝家事は特になし。昼前に買い物。生協のデポジットの機械に列が出来ていた。給料日に払い込んでおくのかね? 昼飯喰って、一息入れて、散歩。雨が降りだしそうなので、先ずクロちゃんを訪ね…

「三千円の使いかた(原田ひ香)の解説 - 垣谷美雨」中公文庫三千円の使いかた から

「三千円の使いかた(原田ひ香)の解説 - 垣谷美雨」中公文庫三千円の使いかた から副題 「他人[ひと]は他人、自分は自分」とあなたは心の底から割り切れていますか?この物語を読み終えたとき、そう問い質[ただ]されている気がしました。格差が広がりつつ…

(巻三十六)此の恋や思い切るべき桜桃(川島雄三)

(巻三十六)此の恋や思い切るべき桜桃(川島雄三) 4月24日月曜日 曇り。朝家事は拭き掃除と洗濯。 「三千円の使いかた(原田ひ香)の解説 - 垣谷美雨」 を読み終えた。大筋を細君に話したら「あるある」と申し、対抗馬は東大だったそうだ。「クラッシックのコ…

(巻三十六)飛行機のずしんと降りる枯野かな(長谷川櫂)

(巻三十六)飛行機のずしんと降りる枯野かな(長谷川櫂) 4月23日日曜日 晴れ。朝家事は特になし。無気力。何もせずにAVを観たり麻雀やったりと掌の中で余命を縮めている。 昼飯喰って、一息入れて、瞑想して、散歩。 今日は上千葉砂原交通公園へ行ってみ…

(巻三十六)だれかれの事あれこれと温め酒(秋山信行)

(巻三十六)だれかれの事あれこれと温め酒(秋山信行) 4月22日土曜日 曇り。朝家事は掃除機がけ、洗濯、ゴキブリの家の建て替え。営繕屋さんから電話が入り、風呂の排水口の蓋が確保できたとのこと。 昼前に生協へ買い物に行く。お米だけは値上がりしていな…

巻三十六枕辺にラジオ引き寄す夜長かな(荒井ハルヱ)

巻三十六枕辺にラジオ引き寄す夜長かな(荒井ハルヱ) 4月21日金曜日 晴れ。朝家事はなし。細君は白鳥生協に出かけて行った。行く前に二人で地図を読み合わせ、ランドマークに清水と言う工場を加えた。清水に沿って曲がれば明後日の方向には行かないはずな…

(巻三十六)死に顔まで責任もてぬ青芒(岸本マチ子)

(巻三十六)死に顔まで責任もてぬ青芒(岸本マチ子) 4月20日木曜日 曇り。朝家事は洗濯、外干し。特に出来事はなく、ダラダラと過ごす。 昼前に生協に出かけ、トイちゃんを呼ぶと今日は現れた。帰りも待ち構えていてくれた。 昼飯喰って、快調に一息入れて…

(巻三十六)一生を泳ぎつづける鮪かな(星野恒彦)

(巻三十六)一生を泳ぎつづける鮪かな(星野恒彦) 4月19日水曜日 晴れ。朝家事は拭き掃除。毛布、蒲団を干す。昼前にウエルシアへ買い物に行く。往復でトイちゃんを呼んでみたが応答なし。珍しいことである。 昼飯は崎陽軒の焼売と餡まん。納豆も食べておい…

(巻三十六)虹立てり急に食ひたき海のもの(神尾季羊)

(巻三十六)虹立てり急に食ひたき海のもの(神尾季羊) 4月18日火曜日 曇り。細君は月参りの如く通帳の記帳に出かけた。お金も一つの信心だからお詣りは欠かせまい。で、ふと、「お参り」と「お詣り」のどちらがよろしいかが気に掛かりネットを捲ってみた。お…

「富嶽百景 - 太宰治」岩波文庫 富嶽百景・走れメロス から

「富嶽百景 - 太宰治」岩波文庫 富嶽百景・走れメロス から富士の頂角、広重の富士は八十五度、文晁[ぶんちよう]の富士も八十四度くらい、けれども、陸軍の実測図によって東西及び南北に断面図を作ってみると、東西縦断は頂角、百二十四度となり、南北は百…

(巻三十六)萩の風何か急かるる何ならむ(水原秋桜子)

(巻三十六)萩の風何か急かるる何ならむ(水原秋桜子) 4月17日月曜日 晴れ。彼奴がまた腹を壊したらしいが、その原因が私にあると文句を云う。もともと消化器系が弱い。四十余年前のクリスマス、初めてのデートは銀座松屋裏の寄席飲み屋「椀や」だった。寄席…

(巻三十六)用のなき雪のただ降る余寒かな(井上井月)

(巻三十六)用のなき雪のただ降る余寒かな(井上井月) 4月16日日曜日 晴れ。朝家事は掃除機がけと洗濯。洗濯物は外干しにした。掃除機がけのときは台所に敷いているマットを通路側から出して叩く。ベランダ側で出して叩くと1階の専有庭に塵が落ちるし、万…

「文士の生活 - 永井荷風」岩波書店荷風全集第十一巻 から

「文士の生活 - 永井荷風」岩波書店荷風全集第十一巻 から文士の収入程憐れなものはない抑[そもそ]も文学に依つて生活すると云ふ事が無理ではないかと思はれる。外国のやうな著書の沢山売れる処は、従つて報酬も多いが、一版千部か千五百部で、それも売出…

(巻三十六)役割を果たして晴れて落し水(萩原昇風)

(巻三十六)役割を果たして晴れて落し水(萩原昇風) 4月15日土曜日 雨。雨降りで掃除機がけを順延。朝家事は特になし。終日降雨で外出致さず。 富嶽百景を読み進んでいる。1979年9月20日第27刷と奥付にある岩波文庫で読んでいるが、まだこの頃は活字が小さ…

(巻三十六)湯豆腐のをどり始めが掬ひ時(野津星彦)

(巻三十六)湯豆腐のをどり始めが掬ひ時(野津星彦) 4月14日金曜日 曇り。当地ではあまり土は降らなかったようだ。昨日は外出嫌がっていた彼奴も今朝は近くの迷わぬ生協へ出かけて行った。 朝家事は洗濯で、まだ部屋干しにしておいた。 その後、自分の食料(…

(巻三十六)春なれや綻び始む隠し事(宇野順二)

(巻三十六)春なれや綻び始む隠し事(宇野順二) 4月13日木曜日 曇り。啄木忌か。 不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸われし十五の心 か。 朝家事は拭き掃除で、掃除しているところへ営繕屋さんから電話が入る。合いそうな(風呂場の排水口の)蓋が見つかっ…

(巻三十六)紅梅のおづおづと咲き未知の老い(鍵和田ゆうこ)

(巻三十六)紅梅のおづおづと咲き未知の老い(鍵和田ゆうこ) 4月12日水曜日 曇り。営繕屋さんが風呂場の検分に来るので朝一で脱衣場や洗濯機の周囲を片付けた。人が来ると家の中が片付くと云うが、そういうことだ。 お約束の時間に営繕屋さん到着。検分して…

(巻三十六)夕鯵を妻が値切りて瓜の花(高浜虚子)

(巻三十六)夕鯵を妻が値切りて瓜の花(高浜虚子) 4月11日火曜日 晴れ。朝家事は無し。ゴマ粒くらいの黒い虫が出始めた。云われて、おまじないのようなものだがベランダにキンチョールを散布する。これも春の訪れか。 白鳥生協の2階の歯科に出かけたので午…

「永井荷風 ひとり暮らしの贅沢(抜書) - 水野恵美子」 永井荷風ひとり暮らしの贅沢 から

「永井荷風 ひとり暮らしの贅沢(抜書 ) - 水野恵美子」 永井荷風ひとり暮らしの贅沢 からあてが外れた文化勲章昭和二十七年十月廿一日。晴。午後毎日新聞記者小山氏来り今朝文化勲章拝受者決定。その中に余の名も見ゆる由を告ぐ。(以下略)十月廿五日。陰。正…

(巻三十六)仕方なささうな貌して鴨流れ(仙田洋子)

(巻三十六)仕方なささうな貌して鴨流れ(仙田洋子) 4月10日月曜日 晴れ。朝家事は洗濯、拭き掃除、台所換気扇のフィルター交換、布団干し。一冬着用したチノパンを洗濯した。 昼前にゴミ出しに行き、帰りにトイちゃんを呼んだら出てきた。スナックをあげな…

「「やっぱり駄目か」の連続を生きる - 山田ルイ53世」一発屋芸人の不本意な日常 から

「「やっぱり駄目か」の連続を生きる - 山田ルイ53世」一発屋芸人の不本意な日常 から筆者は一発屋であるが、これまでの人生で、と考えれば、貴族キャラで一度売れたことは二発目に相当する。最初の一発は、小学校6年生のとき。当時の関西圏では、灘・甲陽…

(巻三十六)イマジンを聴くたび孤独雪の夜(中尾公彦)

(巻三十六)イマジンを聴くたび孤独雪の夜(中尾公彦) 4月9日日曜日 やはり、寝酒は良くない。別に悪い夢を見たわけではないが眠度が落ちるようだ。寝大福か寝草餅にしておこう。大福も草餅も小ぶりになってしまってほとんど一口大福だから腹の負担にはなる…

(巻三十六)金沢の見るべきは見て燗熱し(西村麒麟)

(巻三十六)金沢の見るべきは見て燗熱し(西村麒麟) 4月8日土曜日 曇り。朝家事は洗濯三日分。昨日の高圧洗浄の際に壊れた風呂の排水口の蓋を持って管理事務所へ行き、対応をお願いした。業者さんが検分に来るらしいが、蓋だけ送ってくれませんか?とお願い…