2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

1/2「花月西行(其の二) - 上田三四二」新潮文庫 この世この生 から

1/2「花月西行(其の二) - 上田三四二」新潮文庫 この世この生 から西行を兼好から区別する最大の目じるしは何か。兼好が後世抜きであるのに対して、西行には後世が信じられている。兼好の生は「死の瞬間における死」である滝口に終る。身の終りがすなわち魂…

(巻二十五)春日傘ひそかに杖とたのみけり(吉田正男)

(巻二十五)春日傘ひそかに杖とたのみけり(吉田正男) 2月28日金曜日 目が覚めたので今日が始まってしまった。しかし目が覚めるまでは眠られていたのだ! 朝寒や今日より若い日はあらず(野上卓) 細君関係のストレス発散にお付き合い願う。 昨晩細君があたし…

「過去の意味-4 - 加藤秀俊」文春文庫 生きがいの周辺 から

「過去の意味-4 - 加藤秀俊」文春文庫 生きがいの周辺 からこのような「得意の一瞬」は、いわば記念写真のようなものだ。誰でもが、その写真を頭のなかに何枚か持っている。そして、その写真をときどき、ひとりで、とり出して眺めてみる。ひとりで眺める…

(巻二十五)春宵や故人ばかりの映画観る(山戸暁子)

(巻二十五)春宵や故人ばかりの映画観る(山戸暁子) 2月27日木曜日 風が冷たい中を散歩と買い出しに出かけた。 昨日まで欠品だった“ある”ヨーグルトが今日は棚に並んでいた。何かと悪く悪く考えてしまうが、今の状態では仕方あるまい。 日々反省することも…

「過去の意味-3 - 加藤秀俊」文春文庫 生きがいの周辺 から

「過去の意味-3 - 加藤秀俊」文春文庫 生きがいの周辺 からそうした、もろもろの名場面のなかで、じぶんが主役になった場面が何枚かある。じぶんの知恵と行動がつくった場面 - それは、たんなる風景写真なのではなく、これこれはおれがやったのだ、ここ…

(巻二十五)臨終の一と声「ああ」枯世界(池禎章)

(巻二十五)臨終の一と声「ああ」枯世界(池禎章) 2月26日水曜日 巻二十五の巻頭句です。 死ぬという意識があっての「ああ」なんでしょうか? 春の夢みているように逝きにけり(西原仁) が理想です。 こんなときに何ですが、細君とヤカンとフライパンを買い…

(巻二十四)立読抜盗句歌集

(巻二十四)立読抜盗句歌集 戦力外の通知受けたるかぶと虫(横坂けんじ) 即死ゆえ苦痛なかりし人と言ふ死にしことなき者はかく言ふ(高野公彦) 紫の匂袋を秘ごころ(後藤夜半) さりながら人は旅人山法師(福神規子) たんぽぽの絮吹いている車掌かな(奥坂まや) 稲…

「過去の意味-2 - 加藤秀俊」文春文庫 生きがいの周辺 から

「過去の意味-2 - 加藤秀俊」文春文庫 生きがいの周辺 からそれほどじぶんにとってだいじな過去の経験を、誰もが理解していてくれない、いや、知ってさえいてくれない、というのは淋しくてまた悲しいことだ。だから、老人たちは、誰かれとなくつかまえて…

(巻二十四)退路なき台風あはれとぞ思ふ(中原道夫)

(巻二十四)退路なき台風あはれとぞ思ふ(中原道夫) 2月25日火曜日 本日で巻二十四の読み切りでございます。一挙掲載致します。 ビニール傘を買って来なさいとのご指示が出ました。夕方から雨との予報のせいか生協の入口の脇の分かりやすい場所に傘はござい…

「過去の意味-1 - 加藤秀俊」文春文庫 生きがいの周辺 から

「過去の意味-1 - 加藤秀俊」文春文庫 生きがいの周辺 から講談の伝えるところが真実であるとするならば、大久保彦左衛門というひとは、たいへん自慢話の好きな人物であったらしい。とにかく、ことあるごとに、若侍をあつめては、トビの巣文殊山、十六歳…

(巻二十四)はじめから毒茸と決め一瞥す(山田弘子)

2月24日月曜日日差しは弱いが息子の毛布“カバー”を洗濯した。約束も用事もなくて蒲団干す(井戸幸子)南の百均に8号の植木鉢とトイレ掃除のブラシとブラシ立てを買いに行った。三点でほんとに三百三十円でした!心にミカンの植え替えができるだけの余裕が…

「蕪村はグルメ - 安田宏一(医師)」文春文庫 88年版ベスト・エッセイ集 から

「蕪村はグルメ - 安田宏一(医師)」文春文庫 88年版ベスト・エッセイ集 からモーツァルト、蕪村、ルノアールは、わたしの好きな音楽家、詩人、画家である。なんだ、まるで巨人、大鵬、玉子焼じゃないかと、ひやかされそうだが、好きは好きなんで仕方がな…

(巻二十四)今日のやうな明日でありたき寒夕焼(日下節子)

(巻二十四)今日のやうな明日でありたき寒夕焼(日下節子) 2月23日日曜日 この句を書き留めた頃はそう言う心境だったのだろう。 今日は木枯しだが南コースで生協へ向かう。イートインはやめておいた。 命により、併設されているドラッグストアを偵察した。…

「庶民の暮し - 村上元三」中公文庫 江戸雑記帳 から

「庶民の暮し - 村上元三」中文庫 江戸雑記帳 から「大家[おおや]といえば親も同然、店子[たなこ]といえば子も同然」と落語の中によく出る言葉は、現代人にはぴんとこないだろうが、江戸のころの大家は、ずいぶん実権を持っている存在であった。江戸の…

(巻二十四)月おぼろ痒きところへ手がゆかず(八田木枯)

(巻二十四)月おぼろ痒きところへ手がゆかず(八田木枯) 2月22日土曜日 どこにも行かず家にいた。 昨晩から今朝にかけては比較的よく眠れたようだ。2時に一度目を覚ましたけれど、次に目を覚ましたのは6時だった。疲れる夢を見るが、それでも眠れないより…

「葛飾土産(冒頭) - 永井荷風」岩波文庫 荷風随筆集(上) から

「葛飾土産(冒頭) - 永井荷風」岩波文庫 荷風随筆集(上) から菅野[すがの]に移り住んでわたくしは早くも二度目の春に逢おうとしている。わたくしは今心待ちに梅の蕾が綻びるのを待っているのだ。去年の春、初めて人家の庭、また農家の垣に梅花が咲いてい…

再Artificial sweeteners, September 20th 2014 P74 (人工甘味料)

再Artificial sweeteners, September 20th 2014 P74 (人工甘味料) Sugar substitutes may mess with gut bacteria - causing obesity in the process Diet Coke is one of science's great miracles. Ordinary Coca-Cola relies on lashings of sugar to ach…

(巻二十四)もつ煮込む音を間近に新走り(斎藤博)

2月21日金曜日煮込みは白味噌仕立てがよいな~。そんなことでも考えて気分を紛らせるしかない。天気はよいが、散歩は近場にしておいた。 「コミケット・世界最大のマンガの祭典(其の二) - 米沢嘉博」宝島社文庫 「おたく」の誕生 から を読みました。《 …

2/2「あきらめる - 水野肇」中公文庫 夫と妻のための死生学 から

2/2「あきらめる - 水野肇」中公文庫 夫と妻のための死生学 から少し医学的なことになって恐縮だが、人間と動物の最大のちがいは、人間の脳には「前頭葉」と呼ばれる部分が極度に発達しているのに、ほかの動物では、ほとんど発達していないということである…

再The Paris Commune in 1871, November 29th 2014 P70 (パリ コミューン ー 書評)

再The Paris Commune in 1871, November 29th 2014 P70 (パリ コミューン ー 書評) The crushing of the Paris Commune is still hard to comprehend. Over two days in May 1871, 130,000 troops from the regular French army entered Paris to suppress a…

(巻二十四)しやぼん玉はじめ遠くへ行くつもり(明隅礼子)

2月20日木曜日しやぼん玉はじめ遠くへ行くつもり(明隅礼子)も好きな句です。不遜なる大志なつかし鰯雲(愛川弘文)あたしには大志を持つ余裕がなかった。劣等感に、いや劣等性に苦しみながらやっとここまできたとの思いでございます。細君は美容院に出かけ…

1/2「あきらめる - 水野肇」中公文庫 夫と妻のための死生学 から

1/2「あきらめる - 水野肇」中公文庫 夫と妻のための死生学 からこのキュープラー・ロスの五段階に分けた考え方を「ロスの五段階説」とアメリカで呼んでいるが、多くの支持者がある。現に宗教学者だった岸本英夫さんが、皮膚ガン(メラノーム)に冒されて亡く…

再Central banks and the bullion price, November 14th 2009 P80 (金信奉と価格上昇ー2009年の記事)

Two hundred metric tonnes of gold would occupy a cube of a little more than two metres on a side:it would fit into a small bedroom. But India's purchase of that volume of gold from the IMF last month has had an outsized impact on the mark…

(巻二十四)風光る路上の喧嘩見て過ぎぬ(原子公平)

(巻二十四)風光る路上の喧嘩見て過ぎぬ(原子公平)2月19日水曜日魔法瓶を買いにモールに出かけた。途中の雑貨屋の店先で店主が鉢植えの植え替えをしていた。この雑貨屋では腐葉土なども扱っている。客からついでに植え替えも頼まれたのか?生協の横の花屋…

「女人禁制の酒づくり - 佐々木久子」集英社文庫 酒はるなつあきふゆ から

「女人禁制の酒づくり - 佐々木久子」集英社文庫 酒はるなつあきふゆ から北陸から東北にかけて、雪深い国では、「雪起しの雷」をきくことができる。私もはじめて、新潟市北山にある小さな酒蔵できいた。秋の終わりから冬のはじめ、はげしいあめのなかでド…

再The Cambridge History of Capitalism, November 1st 2014 P79 (資本主義の歴史ー書評)

再The Cambridge History of Capitalism, November 1st 2014 P79 (資本主義の歴史ー書評) Economics publishing has recently undergone a great democratisation. High-quality academic writing was once confined to a handful of journals, mostly acces…

(巻二十四)癇癪よ小言よ金よ年の暮(尾崎紅葉)

2月18日火曜日 散歩は短い南コースにした。昨日は随分歩いたし、三時間も立っていた。 「甲の得は乙の損 - 邱永漢」中公文庫 金銭読本 から を読んだ。《 私のいわんとするところは、「甲の得は乙の損」だから、金儲けをするなら皆と同じことをやらない…

「頭のよすぎる馬 - 井崎脩五郎」文春文庫 92年版ベスト・エッセイ集 から

「頭のよすぎる馬 - 井崎脩五郎」文春文庫 92年版ベスト・エッセイ集 から 競走馬というのは、あまり頭が良過ぎると駄目で、少しいいくらいが一番走ると言われている。かりに頭の良し悪しを通信簿のように五段階で評価すると、競走馬として理想的なのはオ…

再Ranking the ranking, November 8th 2014 P57 (国別比較の比較)

再Ranking the ranking, November 8th 2014 P57 (国別比較の比較) International comparisons are popular, influential - and sometimes flawed Education ministers across the globe quake in the run-up to publication, every three years, of the OECD…

(巻二十四)突然の吹雪おんなのヒステリー(三猿)

2月17日月曜日今日は水道設備の工事があり、9時から夕方まで断水になる。“家にいても色々と不都合があるので何処かで時間を潰してよ。”とのことになった。ちょうど今日から確定申告受付なので税務署へ出かけることにして9時に家を出た。9時半に税務署…