2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻十)あさり殻、八朔の皮重くとも嬉しき春の恵みのゴミ袋(吉田壱朗)

2月28日日曜日 朝の布団干しのときに春を感じます。日の出が遅い時季ですと手すりや物干し竿が冷たくて9時半くらいまで待たなけれなりませんが今朝は8時半から毛布、シーツ、掛け布団をベランダに出すことができました。 定年の男が叩く干布団(井上玉枝…

(巻十)四十のその先見えず青葉闇(中岡毅雄)

2月27日土曜日 角川俳句3月号の中島信也氏と西村和子氏の対談を読みました。 中島氏の自選五句のうち、 菜飯炊く使ひ勝手の悪き釡 山開き登る予定はないけれど の二句を書き留めました。 ある説によれば、人生のどん底は46歳だとのことです。 組織内で…

(巻十)名月や畳の上に松の影(宝井其角)

2月26日金曜日 今月に入って二度目の風邪をひいてしまいました。喉からきた風邪で熱はありませんが煙草が美味しくありません。 一回目の風邪以来マスクをして拡散に注意していますが、皆さんもマスクして防衛しており、なんとなく周囲の冷たい視線を感じ…

(巻十)メーデーのうたごえ喫茶に昭和かな(佐藤志津江)

2月25日木曜日 メーデーという言葉が出てくると連想ゲームで“総評”が思い浮かびました。もはや死語かと思いましたが、この性能の良くないガラケーの変換機能でも“そうひ”で“総評”が飛び出してきました。(固有名詞としてではないのでしょうけれど?) 戯れ…

(巻十)反戦のフォークソングのときすぎて歌わぬ人々足早に行く(ソーラー泰子)

2月24日水曜日 2月も末となり、ラジオやスポーツ新聞それにネットのニュースもプロ野球を扱い始めました。 この時期はだいたい調子のいいことばかり書くのでどのチームも優勝してしまいそうです。 関東ではテレビ中継がほとんどありませんのでナイターは…

(巻十)ぶつかつて蝉はジジイといつたきり(西池冬扇)

2月23日火曜日 有楽町駅の大黒様へはほぼ毎朝お詣りしていますが、今朝の大黒様にはちょっとした異変がございました。 この大黒様にお詣りする方は多く、皆さんお賽銭は献じています。しかし供物を捧げる方はあまりおりません。 ところが今朝は写真の通り…

(巻十)黴臭き煙草死ねよと賜わりし(小原啄葉)

2月22日月曜日 反戦平和の句や短歌は朝日俳壇・歌壇で多々紹介されていますが、どうも俳句・短歌と言うよりはデモ隊のシュプレヒコールのように聞こえてしまいます。 前ヘススメ 前ヘススミテ 還ラザル (池田澄子) 帰還せぬ翼も混じる鰯雲(柴田佐知子)ー…

(巻十)限りなきそらの要や望の月(最中堂秋耳)

2月21日日曜日 ホームでお世話になっている義母を見舞いました。 ご挨拶し、細君が義母と話している間は集会室で待つのが常です。 婿二人とも大当り魂迎へ(伊佐利子) 今朝はそこで車椅子に乗った老女が介護士さんを罵っている光景に出会いました。 老女の…

(巻十)頼り甲斐なくて頼られ冷奴(香山節子)

2月20日土曜日 昨晩は自制したので、スッキリと目覚めました。手銭に余裕があると生活習慣的に一杯やってしまいますが、歳ですのでダラダラ飲まずしっかりとメリハリをつけた飲み方に変えていきたいものです。 俳句を筆写して勉強するようになって知った…

(巻十)かげろうのもゆる春日の山桜あるかなきかの風にかをれり(賀茂真淵)

2月19日金曜日 今晩は親分の還暦祝賀会が催された。流石親分肌の親分です。まったくの任意自由参加の会なのですが発起人予想の五十人を三十人上回る方々が参集しました。 ちゃんちゃんこ着てより敵のなかりけり(黒沢正行) 会場は成田方面からの参加者に配…

(巻十)能天気、脳天気とも辞書にあり脳(なづき)かすみて老天気なり(高野公彦)

2月18日木曜日 昨晩は7時半くらいに東京駅に到着し、親分と神田コーラクに“一寸一杯”のつもりで入って結構深酒してしまいました。 人肌の酒にほろほろ酔ふていてそれでいいのかそれでいいのだ(光畑勝弘) いい酒でしたので二日酔いもなく爽やかに起床いた…

(巻十)桜貝泣かれて妹に譲りけり(前田一草)

2月17日水曜日 今日は日帰りで親分と名古屋出張です。新幹線は海側の席になりました。これまでは山側が多かったので今朝は景色を楽しむことにいたしました。 でも、景色らしい景色は弁天島あたりだけでした(写真)。 名古屋では先ず名物のモーニング(四百…

(巻十)糠雨や尻艶やかに祭馬(西田もとつぐ)

2月16日火曜日 清水哲男氏のホームページの具合が良くないようです。このホームページの二十年におよぶ俳句の紹介と解説は本当に素晴らしい。特に紹介されている句の作者が多岐にわたっていて、役者、作家、落語家はもとより、江夏豊氏や福地泡介氏にまで…

(巻十)香しき檜の枡の角に塩のせて味わう一合の酒(兼松正直)

2月15日月曜日 こうも温度差が大きいと体調維持が難しい。昼の弁当を買いにビルの外に出たが“ひんやり”とした。治まりかけた風邪の再発が怖い。 マスクして命少々惜みけり(大西順子) 寒いし、土日と酒を抜いたので今晩は食事をしながら湯飲み茶碗でこそこ…

(巻十)余力なほ残してをりぬ落雲雀(岩崎ゆきひろ)

2月14日日曜日 毎年のことですが、春一番が吹くと 順番に死ぬわけでなし春二番(山崎聡) を思い出します。 NHKラジオの日曜日夜は落語と俳句の二本立てでした。 落語は芝浜で、かみさんのお話を沁々とうかがいました。 俳句は一茶で作新大学の渡辺先生…

(巻十)雨粒の窓をはしるや梅雨に入る(辻桃子)

2月13日土曜日 びっしょりと寝汗をかき二度着替えた。すこし体調がよくなったが、まだまだよく寝られるので抜けてはいないのだろう。 TBSラジオの朝番組に坂崎重盛さんが登場し著書“煮込み横丁”のお話をされた。確かに煮込みは店によって味がちがう。…

(巻十)台風の仕舞ひの風に雨少し(きくちきみえ)

2月12日金曜日 風邪が抜けませんが出勤いたしました。今朝は廃品回収の日で角々の集積所に缶瓶ペットボトル新聞雑誌段ボールが出されていました。 廃品に聖書も括る冬の靄(池田康) ご町内にはそのような方はおりませんが、段ボールの縛り方が雑です。 帰…

(巻十)片方の言ひ分を聞く炬燵かな(岡田由季)

2月11日木曜日 風邪気味の身にこのお休みはありがたい。朝は7時半まで寝て、昼からも寝て、夜はいつもの休日通り7時に寝た。 いちにちを横から眺め春の風邪(的場秀恭) NHKカルチャーラジオの木曜日は日大芸術学部山下聖美(きよみ)先生の“宮沢賢治”で…

(巻十)地下鉄にかすかな峠ありて夏至(正木ゆう子)

2月10日水曜日 休みの前ということで、神田駅西口のもつ焼きコーラクで一杯引っかけた。店のテレビでは札幌の殺人事件を報じていた。最近は親族の殺人事件が多いので捜査本部を立ち上げる前に事件解決のようだ。 取り調べというとコマーシャルにもなった…

(巻十)山吹や山へと還る家の跡(中村康孝)

2月9日火曜日 本多勝一氏、永井荷風と難しい本を読んだので、今週は軽読にしょうと「私の本棚(新潮社編ー文庫)」を選んだ。23人の作家や“文化人”が題名に沿った随筆を書いている。 皆さん、やや題名に沿い過ぎていてそれらの多くは (1)幼少・学生時代の…

(巻十)生かされて生きてしまつたこの四年桜の花は今年又咲く(川崎康弘)

2月8日月曜日 洟が少し垂れてきたので早め早めにことを済ませて9時に就寝とした。 老人のかたちになって水洟かむ(八田木枯) それまでの間、文化放送で檀蜜を聴き、TBSラジオで竹中直人と堀井みかを聴き、締めにNHKでアーカイブスで阿川弘之の志賀直…

(巻十)穀雨かな世の一隅に安らぎて(松本文子)

2月7日日曜日 細君と朝の買い物散歩に出掛けた。空気は冷たいが季節は動いているようだ。小鳥たちの活動が活発になってきた。 雀、鵯、椋鳥にメジロとシジュウカラを見た。とりさんたちは動きが早く写メには収まらないが、 色見せてよりの存在烏瓜(稲畑て…

(巻十)日もすがら繋がれてありし厩出し(高野素十)

2月6日土曜日 本多勝一氏の「日本語の作文技術」に苦戦したあと、永井荷風の「江戸芸術論」(岩波文庫)に二度目の挑戦をいたしました。 内容は江戸時代後期の浮世絵を中心にした芸術についての解説と批評をした論文集です。浮世絵の収集・研究が海外から始…

(巻十)目刺焼き貧しからざる朝げかな(三宅久美子)

2月5日金曜日 本日の句の作者“三宅久美子”さんは朝日俳壇のご常連で、 黄落の果てて一樹に戻りけり これからは楽が一番更衣 木の葉髪すき(漢字)て生涯小商ひ などの句を入選させている名手です。 私も、一句できますと朝日に送っておりますが掠りもいたし…

(巻十)あぢさいや涙もろきは母に似て(中西龍)

2月4日木曜日 清原選手のニュースは大変残念に思います。“身の振り方”と言う言葉がありますが、器用に生きられない人もいると思います。 日本シリーズ釣瓶落しにつき変わり(ねじめ正一) 野球人の俳句で在庫にあるのは すいすいとモーツァルトにみずすまし(…

(巻十)うつるとも月もおもわずうつすとも水もおもわぬ広沢の池

2月3日水曜日 節分や灰をならしてしづごころ(久保田万太郎) 節分には豆まきですが、豆では単価が低く商売としての魅力がないのでしょう。コンビニ系が煽動し、恵方巻という一地方のしきたりを全国的に広めクリスマスのケーキやバレンタインデーのチョコレ…

(巻十)やがてまた雪の降り出す雪見酒(小笠原和男)

2月2日火曜日 受験シーズンが始まったようです。いわゆる有名私立中学の入試が昨日から始まり国立大の二次試験まで受験されるご本人と家族の皆様は緊張でお疲れのことと存じます。 どちらへもころがる運や櫟の実(高橋将夫) 入学試験のみならず、資格試験、…

(巻十)濡れている花野に靴を汚しけり(柴田芙美子)

2月1日月曜日 今朝は有楽町駅付近で線路上を歩いた人がいたとのことで、五分くらい新橋・浜松町駅間で乗車していた電車が止まりました。 それは止もう得ないことですから文句はありません。しかし、車内広告が“キングダム”一色で占拠されているのには文句…

(巻十)薫風や鯉と流るる町歩き(今瀬剛一)

1月31日日曜日 今日は“愛妻の日”だそうです。 我が妻を 絵に描き取らむ 暇[いつま]もが 旅行く我れは 見つつ偲はむ (物部古麻呂) 愛妻と買い物散歩いたしました。梅小路の白梅は今が盛りと咲いていました。 開いたと君白梅を指しにけり(潤) ついでに細君…