2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻十二)闇に鳴く虫に気づかれまいとゆく(酒井弘司)

8月30日火曜日 自己中的に申せば、何事もなく台風は過ぎ去ってくれました。 台風を無事通したる夕日かな(根岸善行) 昨晩のNHKアーカイブスは小田実さんでした。“何でも見てやろう”と“ベ平連”のことについて大村さんから解説がありましたが、フルブライ…

(巻十二)花道に降る春雨や音もなく(渥美清ー風天)

8月29日月曜日 明後日飲み会がありますが、最終出欠確認が入りました。台風は大丈夫でしょう?大丈夫とは東京から見たカラスの勝手の自己中希望です。 大丈夫みんな死ねます鉦叩(高橋悦子) 昨晩、NHK第一放送で学校へ行けなくなってしまったお子さんを…

(巻十二)旅に病んで夢は枯野をかけ廻る(芭蕉)

8月28日日曜日 ネットで俳誌が読めますので拝読いたしております。 甚平や一誌持たねば仰がれず(草間時彦) 師系というのでしょうか会派でずいぶんと作風がちがうなあと実感しているところでございます。 落葉舞ふ流派それぞれ面白し(柳ヶ瀬正昭) 今のとこ…

(巻十二)如月の靴屋の靴の死んだふり(佐山哲郎)

8月27日土曜日 「今日が人生最後の日だと思っていきなさい」という本の車内広告を見ました。ホスピスの医師が書いた本だそうで、25万部売れて泣いた方のコメント満載です。 ホスピスや行くかもしれぬ半夏生(柴田節子) 延命より体と心の緩和医療とのこと…

(巻十二)歓喜して夕立の栃しぶくなり(石田波郷)

8月26日金曜日 上野乗り換えで成田に行く途中、アメ横を歩いてみました。菓子屋、乾物屋、魚屋が残っているのは焼け跡闇市前期の名残でしょうか。 立春の米こぼれをり葛西橋(石田波郷) 密輸品の時計や宝飾品が捌かれていた名残は路地の奥まったところにあ…

(巻十二)帯締の中を泳げる金魚かな(間渕昭二)

8月25日木曜日 気分の乗らない日もあるものです。無理はしないで流されて参ります。 夏痩せて日記の余白目立けり(広瀬米) 角川俳句の発売日で立ち読みいたしましたが、こころ躍らずで書架に戻しました。

(巻十二)木で見せて川面で見せる桜かな(小竹孝之)

8月24日水曜日 お世話になっている会社のお世話になっている若い方がご結婚されることになり、宴にお呼ばれすることと相成りました。 おめでたいことでございまして、ありがたいことでございます。 万有引力とはひき合う孤独の力である(谷川俊太郎) ただ…

(巻十二)かぞえいるうちに殖えくる冬の星(上田五千石)

8月23日火曜日 我が家にも台風9号の被害があったようです。 細君から、テレビアンテナのケーブルが少し弛んで家の外壁から離れてブラブラしていると電話が入りました。 役終へたままのアンテナ夏の雲(千波) 電気屋さんに来てもらうことにするとのことで…

(巻十二)子が問へる死にし金魚の行末をわれも思ひぬ鉢洗ひいて(島田修三)

8月22日月曜日 台風予報を甘くみたようで反省です。昨晩までは東海地方上陸と言っていたのですが東よりになるかと不安に思っていました。 予測みな当る淋しさ衣被(渕上千津) 台風がやってくると蛇腹状の門扉を畳んで強風に備えるのですが、今朝の出勤時に…

(巻十二)しづむもの沈めて水の澄みにけり(松本ヤチヨ)

8月21日日曜日 ブログのプロフィールに大昔の自画像を載せました。フィリピンにいたころの写真ですから30年近く昔の絵でございまして今は見る影もございません。 行く春やこの人昔の人ならず(加藤武) 墓を建てるつもりはございませんので墓のつもりです…

(巻十二)日本シリーズ釣瓶落としにつき変わり(ねじめ正一)

8月20日土曜日 過日北千住駅の二番線ホームで特急待ち合わせのため停車中の電車から向かいの一番線ホームを見ますと何やらイザコザが起こっている様子でございました。 駅員さんが男二人を引き離し、警察官が駆けつけて来ました。 警察官がそれぞれから事…

(巻十二)日時計に影できている月夜かな(鹿又英一)

8月19日金曜日 細君が眼鏡を買いに外出し、夕食は各自で手当てするようにとの連絡が入りました。 いつもは、汽車弁で一杯やって短い旅情を楽しむのですが、今宵はなぜか“玉子かけご飯”が食べたくなりました。品がないとおっしゃるかもしれませんが、 ぬく…

(巻十二)なにひとつなさで寝る夜の蛙かな(上村占魚)

8月18日木曜日 昨晩美しいお月様を拝みました。台風の余波で雲が走り、見え隠れするお月様には何とも言えない風情がございました。 名月や雲の配置に余情あり(福島テツ子) 名月や群れて走れる遅れ雲(潤) “れ”が多くてよろしくないのでしょうか? はじめは…

(巻十二)ふと覚めし雪夜一生見えにけり(村越化石)

8月17日水曜日 北欧では現金の受け取りを観光客だけに限る店舗が主流で小売り売買の90%以上がカード決済であるとの記事を読みました。 そこで月曜日から、朝のプロントやコンビニでの買い物の支払いをSuicaにしてみることにいたしました。 財布の中の…

(巻十二)飲み干して重くなりたるビアジョッキ(平石和美)

8月16日火曜日 豊田泰光氏の逝去が報じられました。所属したスワローズの機関紙“サンケイスポーツ”は五輪に屈せず一面で取り上げており、たいへんよろしい。 さすがに豊田氏の西鉄時代の活躍は覚えていませんが、スワローズに移籍したころからは存じ上げ…

(巻十二)夏草の思うがままの空家かな(三浦貴美子)

8月15日月曜日 有楽町駅の階段に蝉が横たわっておりました。いろいろなところで成仏しておりますが、定めに生きて定めに死んでいくのですよね。 波高き世をこぎこぎて人はみな舟岡山をとまりにぞする(西行) 細君が美容院に行ったようです。美容師さんとの…

(巻十二)人違ひのやうに初蝶我を去る(中村正幸)

8月13日土曜日 今日はラジオで高校野球三昧と考えておりましたが、午前中はオリンピックの煽りを受けて、高校野球はFM放送に追いやられていました。 昼食後からは座椅子でうとうとしながら甲子園を楽しみました。 炎天下イヤホーンに聞く甲子園(住田征夫)…

(巻十二)聖夜てふ罪の匂ひのする夜かな(天野きらら)

8月12日金曜日 さすがに夏連休の谷間の金曜日でございまして、朝の通勤電車も空いておりました。柏と上野の間は座れました。 電気ビル裏のプロントも空いていましたが、ご常連の年寄りはほぼ皆さまご出勤のようでいつもの席に納まっておりました。 お昼休…

(巻十二)覗く目を逆に覗きし金魚鉢(杉本そうしゅう)

8月11日木曜日 ここにお休みが入ってくれてありがたいことです。気温も五度近く下がったようで扇風機だけで凌げます。 8月8日の朝日俳壇歌壇を読みました。歌壇のご常連、長尾幹也氏の歌 わけわからぬ悲鳴放ちて目覚めれば家具たち闇にさっと見ぬふり(…

(巻十二)中吊りに求ム旅人夏休み(松枝真理子)

8月10日水曜日 本日の句に誘われたわけではございませんが、成田方面に用事ができ出動いたしました。 混んでいるかなと思いながら京成上野駅に行きましたがスカイライナーはまだ余裕があるようでした。 発車までに40分ありましたので、乗車券を確保して…

(巻十二)柿ひとつ空の遠きに堪えむとす(石坂洋次郎)

8月9日火曜日 時折捲るエコノミスト誌に“死ぬ権利”についての短い記事が出ておりました。 重病患者にある意味“死んだ方がましかどうか”聞き取った調査の結果の紹介記事です。 辛さが図示(写真)されていますが、排泄系統が管に繋がれると生きているのが嫌に…

(巻十二)街角の風を売るなり風車(三好達治)

8月8日月曜日 清水哲男氏の「新・増殖する俳句歳時記」が本日完結してしまいました。 被爆後の広島駅の闇に降りる(清水哲男) がお開きの句でございました。 オリンピックが始まってしまいました。性格が弱気のためどうしても悪い結果の方に気持ちが偏って…

(巻十二)筍のまことに無骨な荷が着きぬ(山田弘子)

8月7日日曜日 座椅子の背を45度くらいに倒し、気温33度の自室で昼寝をいたしました。少しだけ通っていく風と扇風機だけでしたが短い間うとうとし、独り言の多い自分と、その独り言の多いことを自己嫌悪しているなんともつまらない夢を見ました。 風の…

(巻十二)菜の花や月は東に日は西に(蕪村)

8月6日土曜日 定期検診のため柏のクリニックに参りました。途中、駅のホームをさ迷う同じ境遇のかぶと虫に出逢いました。(写真) 戦力外の通知受けたるかぶと虫(横坂けんじ) 朝から草取りや掃除、古新聞の玄関前出しと暑いなか動き回ってからの血圧測定なの…

(巻十二)マネキンを下着で立たせ夏に入る(丸井巴水)

8月5日 巻十二となりました。 暑さが本格化して、早くもバテ気味でございます。みなさまもお体を大切にお過ごしください。 夏痩せて身の一筋のもの痩せず(能村登四郎) お元気だったのですねぇ! さて、国交省のホームへを見ておりましたら、改良型工事現場…

(巻十一)立読抜盗句歌集

枯野の木寄れば桜でありにけり(村上鞆彦) いまわれは薔薇の棘と思はれているやいさぎよく身を引くべきや(外塚喬) 海恋し二十一年見ていない泳いでいない釣りしていない(郷隼人) 台風の一号生まるる二月かな(宮原みさを) 何もせず坐つてをりて玉の汗(島本よし…

(巻十一)夏至の夜の待ちくたびれし星一つ(岩本京子)

8月4日木曜日 お休みを頂き、細君のお供し松戸市にある地方銀行の小規模支店に参りました。 いわゆる三番手の地銀ですので、大手都市銀、地銀に遠慮してか、地代の安い場所を求めてか、この地銀のどの支店も駅前にはありません。松戸の店も伊勢丹の裏の坂…

(巻十一)白酒やたはむれに見る運命線(山田佳乃)

8月3日水曜日 昨晩、つまり火曜日の夜、文化放送で東尾解説のナイターを聴いたあとNHK第一放送の公開お笑い番組に移動いたしました。 福島県伊達市からの公開生放送とのことで、東北で活躍する若手漫才と、ある意味大御所としてサンドウィッチマンと言…

(巻十一)いざよひや人魚坐りの妻と酌む(真瀬雪延)

8月2日火曜日 老いらくの恋に落ちて赤ちゃんまでもうけた元同業者のダグラスからメールを戴いた。私のような小心者から見ますと、 バカだなと目が言うホットウィスキー(火箱ひろ) やはり、年金だけでは無理なようで、ヒースローで募集しているCIQ構内誘…

(巻十一)租界めく町の匂ひや夏の果(村井康司)

8月1日月曜日 細君の誕生日でございます。 「何もいらない。笑顔をお願いします。」とのことでした。 細君、息子、私、三人の誕生日がこの時季ですので、細君は昼食会を考えてくれているようです。 野に遊びたるだけのこと誕生日(大橋敦子) と、書きますと…